ー 広がる香害 ー
「香害」を報じる新聞(産経 2022.4.22)、
ウォーキングコースの最後は公園。休日はもちろん、平日も入園者が絶えない。にぎやかなのは結構だが、最近、向こうから来てすれ違う人の放つ臭いが気になるようになった。それは百合やバラのふわっとした香気とは程遠く、嗅いだ途端に頭が痛くなる臭いである。臭いに品がない。こういうものは自分の勝手な流儀で香りとは言わず、臭い(におい)と呼んでいる。
そんな矢先、新聞で「香害」という見出しを見つけた。香り付きの柔軟剤が出回っており、どうやらそれが原因らしい(産経 2022.4.22 写真)。
新聞によると、柔軟剤の臭いに悩まされている人は多い。マンションを買って住み始めたところ、近隣の家から漂ってくる臭いで頭痛や倦怠感に悩まされ、引っ越した人、買い物もままならなくなった人、仕事を続けられなくなった人などなど。
医者に行けば「化学物質過敏症」と言われる。化学物質過敏症というからには、「あなたは病気なんです。健康な人とは違っているんです。柔軟剤が悪さをしているわけではありませんよ」という意味だろう。
まともな体なら、歓迎しないもの、体に悪い物が入ってきたら拒否反応を示すのは当然である。警告と言ってもいい。それをこちらの体のせいにされたらたまらない。
おぎゃあと生まれて、香り付き柔軟剤で洗った産衣を着せられ、以来十数年もそのような洗剤で洗った下着を着、シーツにくるまって寝る。ということは胸元から鼻に侵入してくるその臭いを十数年に渡って嗅ぎ続けることになる。鼻孔の奥には脳がある。脳には影響がないのだろうか。
除草剤や殺虫剤に限らず、日本人は欧米人に比べると化学物質に甘い。
( 次回は ー 今どきの口のきき方 ー )