野菜はなぜ体にいいのか3
活性酸素が引き起こす病気
「ノラ先生。活性酸素はどんな病気を引き起こしますか?」
「老化を引き起こす。
細胞の外側を覆う細胞膜が活性酸素と結びつくことで変質し、細胞が老化する。結果として、細胞が構成する組織も老化し、機能が低下する」
「ろうかなりませんか」
「ダジャレか?がんも引き起こす。
活性酸素が正常細胞にはいりこみ、DNAがダメージを受けるとがんになる」
「がんかけるしかありませんね」
「くだらんダジャレは止めろ。動脈硬化にもなる。
また、血中の悪玉コレステロール(LDL)と活性酸素が結びつくことで、結果として血管壁がダメージを受け、血管そのものも弾力を失い、硬くなる。動脈硬化だ。これが原因で、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞を起こす」
「活性酸素って、いいイメージを受けますが、大変な悪党ですね」
「その通りだ。大きな病気の大部分を引き起こす。高血圧もだ。
動脈硬化により血管が狭まり、血流がスムーズでなくなることで、血圧が上がる。野菜や果物にはカリュームが含まれており、余分な塩分を体外に出す作用がある。これで血圧を下げる」
「野菜や果物は大事ですね」
「糖尿病も引き起こす。
インスリンを分泌する膵臓の「β細胞」が障害を受けると糖尿病になる。なぜ白米が悪く、玄米が良いのかわかるか?」
「反対ではありませんか。警察用語で白は犯罪と関係ない、黒が犯人」
「馬鹿なこと言うな。白米は植物繊維がない。白米を食べると急激に血糖値を上げる。これを抑えるため、インスリンが使われる。これを繰り返すと糖尿病のリスクは増すのだ」
「炊き立ての白米はすごくおいしい。それに美味しい寿司など食べられないじゃありませんか」
「絶対食べたらダメというわけではない。週1回ぐらいならいいだろう」
「そんな厳しいことを言わないでください」
「本当は50歳を過ぎればご飯は必要はない。果物を食べていれば、大丈夫だ。果物にも野菜と同じ成分が含まれている」
「果物ならいくらでも食べられますね」
「糖分が含まれているので、食べすぎに注意だ」
「白米がどうしても食べたいときは?」
「白米を食べる前に野菜を食べなければいけない。玄米には植物繊維が含まれ、血糖値の急上昇を抑える。さらに玄米にはビタミンやミネラルも豊富に含まれている」
「玄米は固くて、まずいのではありませんか」
「水加減でいくらでも柔らかくできる。玄米がまずいという人は、玄米を食べたことがないだけのことだ。慣れれば美味しいよ」
「糖尿病はなぜ怖いのですか?」
「糖尿病が怖いのは進行するまで症状が現れないことだ。進行すると、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こすだけでなく、動脈硬化も同時進行させるため、心臓病、脳卒中の発症を促進するのだ」