「酵素とは」
「ノラ先生。野菜に含まれる大事な酵素とはどういうものですか?」
「われわれの体内では、生体を正常に維持するために、絶えず多数の化学反応が起きている。たとえば、肉を食べた時、中に含まれているたんぱく質は、そのままでは体内に吸収されない。吸収しやすくするために、化学反応させてアミノ酸に分解する。
その化学反応を引き起こす触媒の役割を果たしているのが(酵素)だ」
「何か難しいですね」
「酵素はアミノ酸で造られていて、植物をはじめほとんどの生物に存在する。その酵素が最も活発に活動しているのが肝臓だ」「肝臓でどんな働きをしていますか?」
「肝臓は糖質・タンパク質・脂質・ホルモンの代謝、有害物質の解毒、老朽血液の排泄の機能があり、それぞれに酵素が機能している。そのため糖質・タンパク質・脂質を多くとると酵素を大量消費する」
「酵素は生命を維持するために欠かせないものなのですね」
「その通りだ。最近重要なことが発見された」
「なんですか?」
「それは一人の人間が一生に造る(酵素)の量は決まっていて、限りがあるのだ」
「それは大変ですね」
「酵素は、(消化酵素)(維持酵素)(潜在酵素)の三つに分けることができる。
(消化酵素)は食べるものを消化するための酵素。
(維持酵素)は体を作り、病気を治し、歩いたり考えたりする生命活動すべてに使われる酵素だ。
(潜在酵素)は上記二つの原料となる酵素で、生まれながら持っている酵素で、これが有限なのだ」
「潜在酵素が有限であるということは、どういうことですか?」
「浪費をすれば寿命を縮めることになり、寿命は、酵素の使い方によって決まると言えるな」
「酵素ってそんなに大事なのですか」
「その通り。維持酵素と潜在酵素はDNAに組み込まれた酵素で、われわれが調節することは不可能だ。しかし、(消化酵素)は食物を消化するときだけに使われるので、大食することで大量消費される」
「すると、食べる量を少なくすればいいのですか。腹八分が長生きするという証拠ですね」
「正解。もう一つ重要なことがある。
消化酵素は外からの補給が可能だということだ」
酵素がたくさん含まれているもの
「そうですか。ではどんなものに酵素がたくさん含まれているのですか?」
「味噌、醤油、漬物、豆乳などの発酵食品
生野菜と果物だ」