バットマンブレイブ&ボールドの新シリーズが放送するらしいですね!(詳しくはCNホームページで!)ディックがブルースと結婚すればいいな!
眠い、眠い、とてつもなく眠い。
しかし寝たくない―
よっぱらいブルース
スーパーマンは生まれてこのかた酒を呑んだことがない。
この世の正義と幸せを説かれて生きてきたスーパーマンらしいことだ。
だがきっと彼が酒を呑んだとしても酔って正体を無くす、なんてことはまずない色々な物質から強い体が羨ましく思った。
自分が酔って翌日、ガンガンする頭で何も覚えてない朝は特に。
しかも全裸で自分以外のベットに横たわっている朝は特に。
後悔真っ只中のディックを残し時間をさかのぼること6時間。
彼はバットケイブにいた。
ワインボトルを抱き締めて。
「あれ、ブルースもう呑まないの?」
グラスの空いたブルースに対し優しい気遣いの言葉にも取れるが三時間の呑み続けている人に言う言葉ではなく、本人もかなり赤い顔をしている。
仕事が一段落ついたり難事件を立て続けに解決した時期だったのと、ブルース宛てに他の株主から届いたワインを開けたら美味しかったこともあり次々とボトルを空けたディックはかなり酔っていた。
元々下戸なたちでもあっていつもはあまり呑まないので今までで一番酔っていると言っても過言ではないだろう。
「ディック、何本のんでんの?」
部屋へ行く支度をし終えたティムが聞く。
呑めないながらも大好きな義兄の近くにいたくて粘っていたがブルースに諭され、珍しくほんわかとしたディックを諦めベットへ行くことにした。
「ん~?そんなに呑んでないよ―ブルースも呑んでたし。」
ワイングラスを不規則に揺らすその姿には信用できなかった。現にブルースはあまり酔ってない。
これはなんかあるな…。
ティムは悔しいながらブルースには逆らえないとディックを諦め部屋へと帰って行った。
「あ~あ、行っちゃった…」
ボトルの転がる机に突っ伏したディックにブルースは聞いた。
「行って欲しく無かったのか?」
「んん…だって可愛い可愛い弟だもん。置いてかれて、お兄ちゃん寂しいよ~」
ティムは兄弟とは思ってないだろうが…ブルースは一人心でごちた。
が、今はそんな心配ではなく計画を実行に移す時だ。
ブルースは寂しげにドアを見つめるディックに優しく言った。
「私がいてもかい?」
ディックの頭が上がる。その赤い顔には子供のようなキラキラと見開かれた目が輝いた。
「ううん。ブルースがいるもん。寂しくないかな。」
テーブルの下でパタパタと足を振っている音がする。ディックが子供の時、嬉しい時にした癖だった。
ブルースは計画が順調にいっていることに満足し、膝を叩いた。
ディックの目が潤む、甘そうな吐息が口から漏れた。
「ぶ、ブルース…」
急に淑やかになった声から酔っているもギリギリの理性がディックを止めているのがわかった。
ブルースは内心でもう少し…と舌なめずりをしながら、ディックの熱くなった頬を撫でた。
「おや、グラスが空いているじゃないか。」
本日、五回目の言葉。
そう、ブルースはディックの可愛い酔った姿のために偽名で最高級のワインを自分の家に送り、ディックに何杯も呑ませ、自分はあまり呑まなかったのだ。
恐るべしブルースの作戦、バットマンとしての正義はどうしたんだ!とスーパーマンに平手打ちされそうな作戦なのだ!
しかし、ディックが一気にその杯を煽ったのを見たブルースとしてはスーパーマンなんてへの河童だ。
ディックが手に入るならば何でもする!!
誓いを胸にもう一度ディックに聞いた。
「くるか?ディック?」
返事は小さな頷きだった。
「…うん。いく。」
ヨッシャァァァァ!
ブルース、40代のテンションがおかしいのは深夜なのと少し呑んだからだとわかっていただきたい。
いそいそと膝に乗ったディックは嬉しそうに首をもたげ、ブルースの肩に頭を乗せた。
このまま行けば部屋へ連れ込み激しくも甘い夜へなだれ込め―
「ぶるーひゅ、むかしみたいらねぇ…」
ぶるーひゅ、むかしみたいらね…!!!
ブルースは理性ライフが残り1になった。
か わ い い っ っ !
舌っ足らずに嬉しそうにくっつきながら話すディックが可愛い可愛いすぎる!ブルースは早く部屋に行かなければ、と思いつつディックを優しく抱き止めた。
「そろそろ、おねむかな?」
「なんらか…ぶるーひゅ、パパみたいでらいしゅきらの…」
パパ…!らいしゅき…!!!
きんしんそ―かん、ふじゅんどうせいせいこう…!
「ディックっ!!!」
「ぶるーひゅ?ら、らめっ~!」
ブルースの理性ライフが尽き、蝙蝠でなく狼になる。
尽きない罪状は頭の隅に追いやり、ブルースは思う存分ディックに食らいついた。
激しくも甘い、そしていい夜だった…!!
頭と腰の鈍痛にたえ、座ったディックは体全体が同じくボロボロなのに気づいた。
犯人は…、お前だっ!!とばかりに横に寝ているブルースを睨む。
「もう、ブルースのバカっ~つう~!」
叫んだ瞬間自分の声が有り得ないほど頭に響く。
それでも寝ているブルースにディックは少し憎くて愛しくて、彼の頬をつねってみた。