6、「強い人間原理」と「永遠の今」
※意識は「人を動かす動力源」
―先生、意識の話に戻るとね、なんで意識が人間の発展を考えた時の一番のポイントになると考えたんですか?
それはですね、僕は意識というのはエネルギーのひとつの塊というか、エネルギーで表現できるものだととらえてるんですね。
―ほう。
ちょうど人類がいろんな燃料を使ったり、食料を使っているのと同じようにね。意識というものもひとつのエネルギーだと表現できるのではないかと思うんですよ。
―意識は「エネルギー源」としてとらえられるということですか?意識というのはある種の「人間を動かす動力の源」みたいなものだとも考えられると。
そうそう。これはどういう考えをもとにしているかと言うと、量子物理学の言う「強い人間原理」というところに結び付くんですけどね。
―なんですか、強い人間原理って?
これは量子物理学で使われている言葉でね。今までのいわゆる物理学の原則では、人間のいうのは弱い存在であるというか人間は「自然」には介入するおkとができない存在だと規定されてきたわけですよ。これは哲学的にもそういうふうに言ってきたんだけども。
―ほう。
哲学的に言うとね、パスカルじゃないけど「人間は一本の葦のようなものだ」という。そういう考え方の根拠は「創造者としての紙」と「被造物としての人間」という関係の中にあるというかね。だから人間は「天」という大きな原理や、その力から見たら、まるで「けし粒」のような存在だという人間観ですよね。だから、人間が天に働きかけられるようなものは何もないということになる。人間ができることはせいぜい神を信仰して、あとは頑張るというぐらいのことだった。一神教的な世界観ではね。これはある意味で今の世界に共通の学問的理解というか哲学ですよね。
―「人間はちっぽけなものだ」と。
そうそう。それが哲学で言う「弱い人間観」ですよ。ところが最近の量子物理学的なものの見方はちょっと違う。
―ほう。
つまり、「強い人間原理」、哲学的に言えば「強い人間観」が出てきた。なぜかというと、人間は自分の意識によって観測の対象の動きを帰らLということがわかったからですね。
―観察者が結果に影響を及ぼすという世界ですね。
うん。そういう観点から意識というものを見たら、意識というものには無限の利用価値があるというか、エネルギー的に使えるんじゃないかと思うんですよね。
―ほう。そういう意味で、意識の発展の中に、すべての発展のカギがあるということですか?
うん。僕はそう思うんだけどね。
※「意識」と「気」と「じょうほう」と
―実際には意識というものはどう使えるんですか?
どう使えるかということを考えると、今度は階層性に分けていくところにいきますよね。
―ほう。
学問的に言うと、意識というものはある時には「譲歩」と呼ばれたり、またある時には「意識」と呼ばれたり、ある時には「氣」と呼ばれたりしてるんですよ。実は同じ内容を指しているのだと僕は思っているのだけれど、表現方法として違っている。
―同じ内容なのに、表現方法が違っているんですか?
うん。まだ統合されていないんですよ。だから、物理的な科学者から見たら「これは一種の情報だよね」という話にんるし。これはいわゆるインフォメーション的な意味の情報というようなとらえ方なんですけどね、物理学では。
―うん。物理学では情報と呼ばれると。
それで心理学の世界に行くと、集合的無意識とか意識とか呼ばれるおとになる。
―なるほど。
さらに中国科学の世界では「氣」と呼んだりね。この「氣」というのは思想ですよね。
意識
―物理学の分野、情報
―中国科学、哲学の分野、氣
―心理学の分野、無意識に対応するものとしての意識
哲学的に言うと「氣」という思想で「意識」のことを表現した時期もあった。みんが好んで氣のエネルギーとか、氣功とか言っていた時のことですよね。こうした内容がまだ統合されていないんですよね。
―なるほどね。今、この対話の中ではひとことで「意識「」と言うけど、実は今の世の中では同じようn兄用が違う言葉で表現されていると。
そうそう。学問によってまだ統合されていない。だから意識の内容をひとつの言葉で表すようにならないと、意識を使いこなすことは難しいかもしれませんね。
―なるほどね。まぁ、統合するためには定義というものが必要でしょうしね。
そうそう。だから、この対話の中での意識というのは「覚醒しているときに起こるさまざまなおもい」という意味で使っていくと決めたわけですけどね。
―うん。いずれにしても「意識」というものがあって、世の中的にはまだ呼び方も統合されていないけれど、この「意識」というものが人間のエネルギー源として利用価値が出てくるのではないだろうかと。
うん。今でも体の調子が悪いところを気功とかで治療したりすることはやっているわけでしょ。これは一種のエネルギー、要するに周波数だったりするわけですよ。周波数を光に変換して、光を熱エネルギーとかにするわけですよね。だから量子物理学的に言うと、情報というか、意識というか、氣というか、それが周波数に変換されて、そのうえで一番普遍的な存在としての光に乗せられたエネルギーとなっている。
―うわー、ちょっスピリチュアルなにおいがしてきましたね。
いえいえ、全然、これは科学です。そこのところは。
―そうなんですか?周波数が光に乗るというのがちょっと。
光がなくとも、情報を数は数として取り出して、それを電磁的に変換することはできるからね。
―うーん。意識も周波数であるということですか。
そうそう。
―その周波数というのは、周波数と言うだけあって「ある種の波」であるとなので、その力を特別視することさえなければ、その周波数にもその他のすべてのものが持っているのと同じぐらいの力は当然あるわけですよね。それをうまいこと使いこなすことはできるかもしれないということですか?
そうです。その力を集中したり分散したりすればエネルギーの効率化もできるでしょう。
―うーん。なるほど。
そういう力を持つ意識にね、方向性を持たせたものが「意志」であると僕は考えてるんですよ。
―なるほどね。
※意識の進化が行き着くところ
「意識の発展」ということで言えばね、意識と意志にそれぞれの定義を与えるというような、こういう分類をするおとによっていしきは発展すると思うんですよ。つまり、階層性ができることによってね、意識が発展する。
―先生、発展って何なんですか?
進化というふうに言ってもいいと思うんですけどね。意識の進化。
―意識の発展とは何かと言うと、それは意識の進化だと。意識が発展するということは、つまり意識がしんかするということなんですね。じゃあ、どう進化するんですか。
意識が広がっていくんです。
―意識が広がっていく。意識が広がっていくことを進化と言うし、意識が広がっていくことが発展であると。ちなみに、意識が広がっていない状態だったらどっちのほうがいいんですか?
それは呼吸みたいなものだから、どっちがいいということはないんですよ。広がっているか広がっていないかという観点で見るのではなくて、広げることもできるし元に戻すこともできるという、自主性というか自由性が重要だと思うんですよね。
―ふーん。どっちにしても広がって縮まるということをするのであれば、より遠くまで広げられたほうが自由度は増えるということですか。
そう。
―せまい範囲の中でひろげたり縮めたりするよりも、広いところまで広げられるのであればそこまで広げることができるし、当然縮めることはできるし。より広い範囲の中で広げたり縮めたりできるようになれば「より自由度が上がるでしょ」と。
そうです。それは国というのもそうじゃないですか。交易とか、国の版図が広がった時に国というものは非常に発達するわけだよね。
―え?どういうことですか?
うん。例えばね、小さい国がだんだん大きくなっていく。この時には交易とか人の行き来とかの範囲が広がっているわけです。文物とか科学、いわゆる知識も広がる。そうするとたくさんの人に恩恵を与えられる。
―じゃあ、今のEUなんかも同じですか。例えば、フランスという国だけで考えていたのでは動ける範囲は狭いけど、EUという枠まで広げると何かをする時の自由度が上がると。
そう。
例えば時評をするにしても、フランス国内だけで事業をすることもできるけど、EU全域を対象にする事業をすることもできる。どこを選ぶかは自分で自由に決められるし、どちらでも選べると自由だよねということですか?
そういうことですね。
―なるほどね。これは自由度が上がるといいことあるんですか?そりゃ自由であるに越したことはないとは思うんですけど、具体的に何がいいのかな?
それは意識進化の要諦ですよね。一番大事なところというか、それこそが人間の目的だと僕は思ってるんですよね。
―え?そうすると「人間って何を求めているんだ」みたいなところにいっちゃうと思うんですけど。すごく狭い世界で言うと、みんな自分の今の生活の保障や安全を求めるんじゃないですか。お金だとか、もしくは色恋だとかね。そこだけで終始しているように見えるんだけど、人間の目的は自分の意識を広げるところにあるということですか?
僕はそう思うんですけどね。
―より自由になること。
そう。
―より自由になることを求めていって、それで行き着くところってあるんですかね。それとも際限なく自由を求めていくものなんですか。
行き着くところというのは、「私」という自分の意識が「神」と呼ばれているようなものの意識になっていくということですよね。これは一神教が許さないところではありますけどね。一神教では人が神になるということを許せないでしょ。
―そりゃそうでしょうね。でも先生が言っている神というのは、いわゆる一神教の中に存在する神とは違いますよね。「神」と呼ばれているようなものの意識って、どういう意識なんですか?
意識が最大限に広がった状態ですよね。
―ごめんなさい、まったくピンとこないんですけど(笑)
つまりね、その中にすべてが含まれているという。意識ですよ。もともとね、日本には「中今」という考え方があるんですよ。「中今」というのは「永遠の今」という捉え方をするわけですけれども。
―永遠の今?
そうです。永遠の今ということは、過去とか未来とか現在ということを超えて、この瞬間の中にすべてが、そおn三つがるというとらえ方です。
―そういう捉え方を日本人は持っていたと?
うん。意識の拡大と収縮が同時に起こっているというかね。
―過去から未来までを全部含めているという意味では、もう最大限に広がっているんだけど、それが今という瞬間にあるということでは最小限にまで収縮しているということですか?
そういうとらえ方ですよね。
―「中今」という考え方には時間という概念がないんですよね。だから、広がりと収縮が同時に起こる?
うん。永遠の今だからね。こういう状態のことをね、今の量子物理学の中ではゼロポイントフィールドというような言い方で呼んでいます。
―ほう。量子物理学の中ではそのゼロポイントフィールドという言葉は、どういう意味で使われているんですか?
宇宙創造の最初の状態みたいな感じですよね。
―何もなかったけど、何かあるような状態?
そう。何かは充満しているんだけど、何もないというような。無ではないけど空のような感じですよね。
―無じゃないですもんね。充満しているけど何もない。
※ナカイマという概念を検証する。
―そういう概念を時間的観点で表現しようとする「中今」という概念になって、それは日本には昔からあったということですか。
そうそう。
―それで、中今は、過去・未来・現在のすべてを含んでいるから自在性があって、自由度が相当高いと。
うん。
―そして実は人間の意識の発展というのは、その自由度をどう獲得うするかという方向に向かって進んでいるのではなかろうかということですか。
そうです。だから日本には「中今」という概念があって良かったねと言えると思うんですよね。
―日本人良かったねと。ちなみに一神教をもとにしている文化の中には「ナカイマ」のような概念はないんですかね?
それは神の中にしかないでしょう。永遠という性質は神の中にしかない。だからカール・バルトとか、神学の世界になっちゃうね。
―カール・バルトって聞いたことあります(笑)
神学者だから(笑)
―いずれにしても神額の中にしかない概念だから、実際に人間がそのような意識を獲得できるものでもない。
それは神の性質だからね。
―でも実際には、人間はそのような意識を獲得できるということですか?
うん。人間がそういう意識になることはできると思いますよ。聖書の中でイエスが「私gはエリアやモーゼの前にいた」というのは時間を超えた意識のことを言っているのだろうしね。
―聖書ですか、僕がイエスさまのレベルにたどりつくには相当時間がかかりそうだけど(笑)いずれにしても人間は、その意識が最大限に広がった状態を目指して進んでいるのではなかろうかと。
そうそう。そういう意識の進化ということが問われる時代になってきたよということですね。
―その科学的な根拠として量子物理学でも「強い人間原理」というものが出てきていますよと。
そう。強い人間原理というのが出てきている。つまり、意識の発展というのはすなわち意識の進化のことであり、進化というのはすなわち広がりのことであり、意識が広がることによって自由度を獲得していくというのが、われわれ人間の方向性なのではないかと。
―なるほどね。ちなみに先生、こうすればもっと意識は広がるんじゃないかというような方法はあるんですか?
それが意識のナレッジモデリングですよね。それが近道だと思います。
―「意識」つまりこの対話の中で言う「覚醒している時に起こるさまざまな思い」というものをいっぱいいっぱい、いっぱいいっぱい網羅していきましょうねと。
そうです。そうすると分類が起こると同時に階層性が出てきて、そして体系化される。
―もう一度整理していいですか。
はい。
―まず網羅しましょうと。網羅したら自動的に分類が起こりますと。階層性ってどこで出てくるんでしたっけ?分類の次に出てくるんですか?
分類が起こった時点で階層も出てきます。
―あ、なるほどね。
こうして分類が起こって階層性も出てくること自体が、その内容が体系化されたということですよ。
―なるほどね。意識の話に戻ると、この体系化が起こった時点でどうなっているんですか?
この時点ですでに相当多くの「想い」が網羅されていますからね。もう相当広い選択肢を持っていることになる。そこからさらに新しい要素が出てくるたびに、網羅をして分類して体系化するということを続けていくと、意識というのはもっと広がっていって、もっともっとというように自由になっていくと思います。
※意識はどう広がるのか?
―先生、意識音広がりって具体的に言うとどんなことなんですか?
例えばね、誰を大切に思うかというテーマで考えてみるとね、ちょうど自分という個人から始まって恋愛の相手、それから夫婦ができて、夫婦から家庭ができて。家族を意識したとこからその先祖に意識が広がって。次にはそれが民族に広がって。まあ、同じ地域に住んでいる地域共同体なり、それからまあ人類なり。あるいは生きとし生けるものすべてに意識が及ぶというような。意識というものはそういうふうに広がっていくものだと理解すればいいんじゃないですかね。
―意識が発展するとは、ある意味、自分だけじゃなくて人のことも考えられるようになるということですか。
そういう面はもちろんありますよね。
―そうするおt、人というのは、自分の大事な人のことを思うことができるようになった先には、その人を含めた民族のことを思うことになるし、そうすると国というのも思うことになる。そこまで広げることも、個人からスタートしてできますよと。
うん。そうでしょうね。例えばね、サンスクリット語には「先祖に対する愛」という意味の単語があるんです。PIAというね。「先祖に対する愛」というのは、自己愛とも違うし、恋愛とも違う。民族愛とも違うわけでしょ。
―そうですね。違いますよね。
ということはすくなくとも、「愛」という概念がそれぐらいの数の別々の階層に分かれているということが、おk鳥羽からも見て取れるわけですよ。
―ああ。つまり、「先祖に対する愛」という概念に対応した言葉があるということは、「自己愛」という概念に対応した言葉もあるだろうし。
そうそう。「家族愛」という概念に対応した言葉もあるだろうと。
―ということは、つまりひとくちに「愛」といっても、実はそこには少なくとも自己愛という階層と、家族愛という階層と、先祖に先祖に対する愛という階層ぐらいはあるということになりますよと。
そう。
―この階層って、どれぐらい細かく分類されていくんですかね?
それが意識音発展段階によると思うわけです。
―ほう?
つまりより細かく階層をとっていけばいくほど、広がりが出てくると言うかね。だから意識が発展すればするほど、この階層は細かくなっていくと思いますよ。
―ああ。つまり、「愛」という言葉を聞いた時に「自己愛」だけしか思い浮かばないというレベルもあれば、「愛」という言葉を聞いた時に「自己愛」「恋愛」「友愛」「家族愛」「先祖に対する愛」「民族愛」「人類愛」「博愛」というふうに、複数の階層が認識できるというレベルもあると。
そう。それで、階層性をこまかく理解していればいるほど、自由度が高いと。
―自由度が高い?
そう。どこを選ぶかという選択肢が多いわけですから、自由度は上がりますよね。
―なるほどね。
だから、東晃史さんという研究者の方が言っているのは、意識というのは基本的に主体の広がりの範囲だというわけです。つまり、先祖とか、民族とか、家族とか、人類とかで主体の広がる範囲が違えば表現が違うんだと。
―階層というのは、簡単に言うと分類でもあるわけですよね。
そうそうそう。
―「階層」という言葉がわかりにくければ「分類」と理解しても構わないよと。
うん。
―大切なことは、愛という概念をひとつ取ったとしても、実はいろいろな「愛」がその中にはめ込まれていて。
いろんな階層が重なっていて。
―いろんな階層が重なっていてその「愛」がどの階層の愛を示しているのかがわからなかったら、コミュニケーションもできないでしょうと。
そう。そういう階層を積み重ねていくというか、階層を細かく分けていくというか、どちらのとらえ方でもいいんだけれど、それが意識が広がるということだと思います。
―なるほどね。
※「悟りたい」という執着
それとね、意識にはいろいろな階層があるわけですけどね、その中には自分の命を守るためのものもあれば、いわゆる執着というのもあるわけです。
―ほう。執着。
そうそう。例えば、「これが欲しい」とかね。
―はい。
そういう執着が、こうやって意識のナレッジモデリングをしていくと外れていく。
―え?そうなんですか?なんで?
それは、自分の意識を自分で自覚できるようになるからね。そうすると、非常に解放されてくるわけでしょ。
―ほう。
例えば「悟りたい」というのも一種の執着なわけでね。だから、そういうところから離れられるようになる、というのは非情に大きなポイントだと思います。
―なるほどね。意識を広げて自分の自由度を上げるという話をずっとしてきましたけど。学問的に「ふんふん」と言って理解しているかもしれないけど、実生活にも役立つんだよと。
そう。
―なぜかというと、あなたもいろいろなことに執着しているでしょうと。もっとまつげが長ければよかったなと思っている女の子はまつげに執着しているわけだし。もっとお金が欲しいなと思っている人はお金に執着しているわけで。意識が広がるということは、そういう忠着から自由になるおkとなんですよということ?
そうそう。それは悟りもみんなそうです。そういう問題だけなんですよ。
―ということは意識を広げる取り組みというのは、たちまち実生活でも役に立つということですか?
そう。やってみる価値はあるでしょう?(笑)
―確かにありますねぇ(笑)
※自分たちの国は今どんな状態なのか
まぁ、意識というのはどんな側面にしても個人から家庭になり、家庭から氏族になって、それから民族、人類っていうふうに広がっていくという。当然、その階層によって思想というか哲学も変わってくるわけですけどね。
―なるほど。
だから愛といっても、自己愛から家族愛、それから先祖に対する愛、民族愛、そして人類愛というふうに広がっていくし、内容も変わってくる。
―そうやって意識が広がっていく中で、多くの人が共通して持てるところとしては、愛国心みたいなものもあるんですかね?
そうですね。いずれにしても、社会学的に言うと、意識の広がりというおんは、個人の中での自由度であるとも言えるし、考えることができる範囲の拡大とも言えるわけで、その中には国というのもあると思いますよ。その時に大事なのは意識の発展が国を生んだのか、国が意識の発展を生んだのかということでね。
―ん?社会学の観点から言うと意識の広がり、要するに個人が国をつくっていったということになるんですよね。
もちろんそうですよね。
―じゃあ国に関して言うと「覚醒している時に起こるさまざまな思い」というのは、これは要するに「自分たちの国は今どんな状態なのか」という事に対する認識だと思いますが、それをほぼ知らない状態にあると何をするにしても場辺り的になってしまうということですか?
うん。だから、問題があった時に解決するための選択肢が少なくなっちゃいますよね。そうするとダブルバインドにもはまりやすくなる。
―ダブルバインドって二重拘束っていう意味ですよね。
そう。
―つまり、あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たずということになって、にっちもさっちもいかなくなる。これが国のレベルで起こっているということですか?
そうそう。だから、例えば日本がアメリカから「イランの石油を買わないように」と言われる。だけど、買わなければ自分たちは困ってしまう。さてどうしよう・・・という具合ですよ。
―そういうことが国のレベルでも起こっていると。
そう。今の日本はね、やれアメリカだ、朝鮮だって言って翻弄されてているだけでしょ。もともとそういう国家でもあるのかもしれませんけども、もうちょっと自分たちの国っていうのは何なんだろうということを考えてみるといいと思うんですよね。
―考えた結果どうなるんですか。
他国との関係とかコミュニケーションがうまくいくようになるわけ。
―他の国に振り回されなくなるということですか?
そうそう。だから他国との間にもっとより良い関係を持てるし、また役割も発揮できるんじゃないかと。等々に、東アジア共同体とかっていうものだけをで考えるのではなくて、もっと根本的なね、そういうことを一応考えてみたらどうなのかと。今は他国から、日本の国はこうでなきゃいけないよ、ということを言われているだけじゃないですか。中国からは日本はこうでなきゃいけないよと言われて、韓国から、北朝鮮から、日本はこうでなきゃいけないよって。
まあそろっているのはお金を出しなさい。持っているものをよこしなさいという、そういう関係ですけどね(笑)
―きわどい発言ですね。
でもだから豊かになりにくいんじゃない。いろいろなものを持っているのに。
―だからもうちょっと、自分たちの国っていうのは何なんだろう、ということを本当に考えてみるといいと思いますよと。
―そうですね。
※日本サバイバル!
というのもね、日本という国でも一種のサバイバルが起こっていますよね。要するに今、テーマとして国が錐体するかどうかということが問われているわけです。年金だとか、人口の減少だとかいろんな問題を通してね。
―え?そうなんですか?僕が見ていると、例えば年金問題の話をしている時にも、これからも国はあり続けるという前提で話をしているような、すごいぬるい理論のように聞こえるんですけど。
いや、そうでもないんじゃないですか。やっぱり30年後ぐらいに、人口がこのぐらいの数に減った時に誰が働くのかということを話しているということは、これから先音国の在りようを検討し始めているということでもありますから。
―今はもうそういう時期に来ていると。
うん、来てる。だから消費税の増税なんかも含めてね、いろいろな可能性を挙げているわけですよ。
―なるほどね。
ただ一方では、この国土に蓄積したお金や土地の価値というのは、8000兆円ぐらいの価値になっている。今は1000趙園くらいの借金がると言われていますけど、資産的には8000兆えんぐらいのものがある。評価の仕方によっては1京円の価値というような試算もありますから。
でも、それらけの資産があったとしても、一方で国民がいなくなれば、そういうものの価値はなくなっちゃうでしょ?つまり、国というものの存在が危うくなるというのは、そういう問題も含んでいるわけですよ。だから、これから先の国在りようはどのようなものになるのかを考えていかなければならない。
―なるほど。
それでね、その在りようというのを考える時には、つまり国民が楽しく元気に暮らせる国として国があるためには、自分たちの良さを知る必要があるわけですよ。
―はい。
だから僕は、今は国としてそういうことを考えるのにちょうどいいチャンスなんじゃないかなと思っているんです。
※「日本のパスポート」と「アジアへのタイムマシーン」
―それは自分の国の良さを自覚するということですか。
そうですね。
―どうやったら自覚できるんですか。
うん。ひとつには網羅的に自分の国を眺めるのもいいと思う。例えばね、僕は今、日本の国の「在りよう」というような話をしていますけど、実はこのにほん列島から物理的に抜け出ていくというのも非常に面白いと思っているんですよ。
―日本以外の国に住むということですか?
そうそう。何もどこかに移住するというのではなくてね、日本に住むという以外の選択肢を持つといいと思う。
―ああ。要するに日本に住みたければ住めばいいけど。日本以外に住めるところがないから日本に住むという選択ではなくて。
そう。
―アメリカにでも、日本にでも、オーストラリアにでも、カンボジアでも住めるんだけど、さあどうすると。それを自分で決めるといいのではないかと。
そうそう。実際ね、日本人はどこの国にも行けるというあるいみ、特権というか、とても恵まれているということですよ。
―それは日本のパスポートがあればたいていの国には行けるということですか。
そうそうそう。しかもどこでも住んでいいと言われるでしょ。そういう国というのはなかんかないですよ。
―永住権を取ったりするのはまた別ですけどね。
永住権は別だけど。でも、どこでも行けるよね。
―そうですね。
これはまさに「日本の良さ」「日本人ならではのメリット」ですよ。でもこのことに氣が付いている人はそんなに多くないですよ。それはなぜかというと、日本にいるということが前提になっているからでしょう。
―確かにね。これが自分の良さを自覚していないということですよね。
そうそう。今、日本からアジアに行けばタイムマシーンで過去に戻ったみたいに将来が読めるとかね。一條さんが今、ボーンとアジアに会社作りに行ったりしてるのもそういう理由でしょ?
―ダメですよ、僕の新規事業をバラしちゃ(笑)
(笑)でも、そういうこともほとんどの人は知らないんじゃないかな。
―確かにね。
だからね、今の日本には良いところがたくさんある。僕hあ、これはここ3万年くらいの歴史の中でも同じだったのだろうと思っているわけですよ。
―どういうことですか?
つまり、古代からたくさんの人が日本に渡来してきたという話が残っているでしょう?
―はい。
僕が思うのは、それだけ多くの人たちが日本に来ているんらから、同じくらいの人が日本からも外に出て行っているはずだということなんですよ。
―なるほど。
おそらく行き来があったはずですよね。だから、多分、海の向こうに日本の文化が残っている可能性もあると思っているんだけどね。(注-アルメニアには言霊をご神体とした古神殿がある)
―じゃあ昔は、結構自由だったんだ。
だって、国というものがなかったわけだから。
―ん?それって相当前ですか。縄文時代とかの話?
うん。そう。
―その頃には国なんてなかったから行き来も自由だったし、自分たちが幸せになろうというか、楽しく暮らせるようになろうといろいろやってきたよと。
そう。好奇心とか、そういうものを含めてどんどん広がりを持っていった。だからそれが意識というものの特徴なんですよ。
―ところが、自分たちがより幸せに暮らそうとして、国という定義をつくったことによって、その自由度が損なわれていったと。
うん。そういう側面もありますよね。
―自分たちが幸せになるためにやってきたことが、今は逆に自分たちを不幸せにしているところがあると。
うん。だから、もう一回意識を広げてみたらどうでしょうかと思ってこういう話をしているわけです。
―なるほどね。
そういうふうにね、自由いやったら豊かになると思うんでうしょね。例えば、歴史の中にはなんとか帝国というような帝国がたくさんあったでしょう?ああいった帝国が大きく広がっていった背景には、あまり制限を設けなかったという事実があるんじゃないかなと思うんです。
―どういうことですか?
例えば、帝国の中に入ってくるのも、帝国から外に出ていくのも、行き来は比較的自由だったと思うんですよ。その代わりに、税金はしっかり払ってねという約束があってね。
―税金さえ払ってくれれば細かいことは言いませんということですか?
そうそう。
―それってなんだか今のシンガポールみたいですね。
そう!
―実際に今のシンガポールにはどんどんお金が集まってますからね。
そうそう。富はどんどん大きくなる。だからそういうように純粋にというか、自由にやったほうがいいと思うんですけどね。
―なるほどね。話を戻すと、日本人が自由にやっていこうと思ったら今の日本の良さというものも一回ちゃんと知る必要がるよと。
僕はそう思うんだけどね。
―例えば、たったひとつのパスポートでほとんどの国に行けるというメリットもあるだろうし。他にも挙げていけばいっぱいあるだろうねということですか。
そう。
―そういう良さを国民というか、国全体として共有すると、国がどうあるべきかとか、どうあれるかという選択肢も増えると。
うん。選択しも増えるし、国が活性化しますよね。
―良さを網羅していく中では「こういう国にならなければならない」という理想像というか、脅迫観念からも自由になるので、そのつどそのつどの選択のたびに中立的に選択肢を選ぶことができるようになるし。
自分の目的に応じて自由に、ある意味やりたいことができる道がひらけますよという。
―ということなんですね。ではどうやってそこに近づいていったらいいんですか。最後、方法論ですけど。自分の良さ、自分の国の良さを自覚する方法はあるんですか?まあこんな本というのも、そういう役に立つかもよ、という?
はい。
―え?そうなんですか?この本を読んでくれと(笑)
そうそう(わらい)いやね、やっぱり国というところから考えると方向性を間違えたりするから。まずは自分という個人の良いところを知る試みというかね、そういうことから始めるといいと思います。
―ああ。公ということを考える前に、まず自分の足元を見てみようよと。
うん。例えば感情語をたくさん読み上げてみるとかね。そういうことはすぐにできるし、やっぱり根本的な土台を提供してくれますからね。
―なるほどね。その先には国にうちて思いを馳せる場面も出てくるかもしれませんよと。
そう。
―その時にはこの本のあたりのページを開いてくれてもいいしと。
まぁ、そういう使い方もありますよと(笑)
―ぜひ活用して下さい(笑)
※アジアは昭和のタイムマシーン
日本の良いところとして「ほとんどどこの国にでも行けるパスポート」があるという話が出てきました。そのパスポートを使う先として、私がおすすめするのはアジアの各国です。というのも、アジアの特定の国では今、大量の外資が流れ込んでいるために、お金があまっているという現状があるからです。その一方でそれらの国々ではまだ「必要とされているモノ」がそろっていない。つまり、岡ねはあるけど、モノはないという状況が生まれている。これはビジネスをしている方にとっては天国のような世界です。
例えばコップを売ることを考えてみましょう。日本ではお店に行けばいろいろなコップが売られていますし、もうすでにどんな家にもコップはあると思います。その日本でコップを売ろうとすると、
・もうすでにコップを持っている人に対して、
・さまざまな競合相手との間で「商品としての優劣」を競いながら、売り込みをしていかなければならない。
そこには二重三重のハードルが待ち構えています。ところがアジアのある特定の国では、まだコップがない家があるのです。そこにコップを持っていけばどうなるか?
コップがなくて困っている人のところにコップを持って行ってあげるわけですから、買ってもらえる可能性はとても高い。競合するコップもってないから、ほぼ独占ビジネスンいなる可能性すらあるわけです。ちなみに、私が話しているアジアの国々というのは、中国や香港、シンガポールといったある程度発展してしまった国のことではありません。
バングラディシュやカンボジア、そしてネパールなど。それも首都ではない町が狙い目だったりします。なんぜ、それらの国では今がけいざい成長期のまっただ中。昭和の日本で起こったことが今、全く同じようにそのまま繰り返されています。ひとつだけ昭和の日本と違うのは、インフラ整備がものすごいスピードで進んでいること。
昭和の日本は同の電話線を引くところから始まりましたが、今のアジアの各国では最初から光ファイバーが引かれていく。ですので、昭和の高度経済成長の期間ほど長い「商売にとっての天国機関」は見込めないかもしれませんが、我々日本人が現地に行ったときにはまるでタイムマシーンで昭和に戻ったかのように、ある程度の未来が予測できる。これは日本人であることの大きな大きなメリットです。このメリットを活かしてビジネスのネタを探しに現地を訪れるもよし。古き良き日本を感じるために現地を訪れゥもよし。ぜひ、日本のパスポートを活用して頂ければと思います。
―良さを網羅していく中では「こういう国にならなければならない」という理想像というか、脅迫観念からも自由になるので、そのつどそのつどの選択のたびに中立的に洗濯しを選ぶことができるようになるし。
自分の目的に応じて自由に、ある意味やりたいことができる道がひらけますよという。
―ということなんですね。ではどうやってそこに近づいていったらいいんですか。最後、方法論ですけど。自分の良さ、自分の国の良さを自覚するほうほうはあるんですか?まあこんな本というのも、そういう役に立つかもよ、という?
はい。
―え?そうなんですか?この本を読んでくれと(笑)
そうそう(笑)いやね、やっぱり国というところから考えると方向性を間違えたりするから。まずは自分という個人の良いところを知る試みというかね、そういうことから始めるといいと思います。
―ああ。公ということを考える前に、まず自分の足元を見てみようと。
うん。例えば感情語をたくさん読み上げてみるとかね。
※意識は「人を動かす動力源」
―先生、意識の話に戻るとね、なんで意識が人間の発展を考えた時の一番のポイントになると考えたんですか?
それはですね、僕は意識というのはエネルギーのひとつの塊というか、エネルギーで表現できるものだととらえてるんですね。
―ほう。
ちょうど人類がいろんな燃料を使ったり、食料を使っているのと同じようにね。意識というものもひとつのエネルギーだと表現できるのではないかと思うんですよ。
―意識は「エネルギー源」としてとらえられるということですか?意識というのはある種の「人間を動かす動力の源」みたいなものだとも考えられると。
そうそう。これはどういう考えをもとにしているかと言うと、量子物理学の言う「強い人間原理」というところに結び付くんですけどね。
―なんですか、強い人間原理って?
これは量子物理学で使われている言葉でね。今までのいわゆる物理学の原則では、人間のいうのは弱い存在であるというか人間は「自然」には介入するおkとができない存在だと規定されてきたわけですよ。これは哲学的にもそういうふうに言ってきたんだけども。
―ほう。
哲学的に言うとね、パスカルじゃないけど「人間は一本の葦のようなものだ」という。そういう考え方の根拠は「創造者としての紙」と「被造物としての人間」という関係の中にあるというかね。だから人間は「天」という大きな原理や、その力から見たら、まるで「けし粒」のような存在だという人間観ですよね。だから、人間が天に働きかけられるようなものは何もないということになる。人間ができることはせいぜい神を信仰して、あとは頑張るというぐらいのことだった。一神教的な世界観ではね。これはある意味で今の世界に共通の学問的理解というか哲学ですよね。
―「人間はちっぽけなものだ」と。
そうそう。それが哲学で言う「弱い人間観」ですよ。ところが最近の量子物理学的なものの見方はちょっと違う。
―ほう。
つまり、「強い人間原理」、哲学的に言えば「強い人間観」が出てきた。なぜかというと、人間は自分の意識によって観測の対象の動きを帰らLということがわかったからですね。
―観察者が結果に影響を及ぼすという世界ですね。
うん。そういう観点から意識というものを見たら、意識というものには無限の利用価値があるというか、エネルギー的に使えるんじゃないかと思うんですよね。
―ほう。そういう意味で、意識の発展の中に、すべての発展のカギがあるということですか?
うん。僕はそう思うんだけどね。
※「意識」と「気」と「じょうほう」と
―実際には意識というものはどう使えるんですか?
どう使えるかということを考えると、今度は階層性に分けていくところにいきますよね。
―ほう。
学問的に言うと、意識というものはある時には「譲歩」と呼ばれたり、またある時には「意識」と呼ばれたり、ある時には「氣」と呼ばれたりしてるんですよ。実は同じ内容を指しているのだと僕は思っているのだけれど、表現方法として違っている。
―同じ内容なのに、表現方法が違っているんですか?
うん。まだ統合されていないんですよ。だから、物理的な科学者から見たら「これは一種の情報だよね」という話にんるし。これはいわゆるインフォメーション的な意味の情報というようなとらえ方なんですけどね、物理学では。
―うん。物理学では情報と呼ばれると。
それで心理学の世界に行くと、集合的無意識とか意識とか呼ばれるおとになる。
―なるほど。
さらに中国科学の世界では「氣」と呼んだりね。この「氣」というのは思想ですよね。
意識
―物理学の分野、情報
―中国科学、哲学の分野、氣
―心理学の分野、無意識に対応するものとしての意識
哲学的に言うと「氣」という思想で「意識」のことを表現した時期もあった。みんが好んで氣のエネルギーとか、氣功とか言っていた時のことですよね。こうした内容がまだ統合されていないんですよね。
―なるほどね。今、この対話の中ではひとことで「意識「」と言うけど、実は今の世の中では同じようn兄用が違う言葉で表現されていると。
そうそう。学問によってまだ統合されていない。だから意識の内容をひとつの言葉で表すようにならないと、意識を使いこなすことは難しいかもしれませんね。
―なるほどね。まぁ、統合するためには定義というものが必要でしょうしね。
そうそう。だから、この対話の中での意識というのは「覚醒しているときに起こるさまざまなおもい」という意味で使っていくと決めたわけですけどね。
―うん。いずれにしても「意識」というものがあって、世の中的にはまだ呼び方も統合されていないけれど、この「意識」というものが人間のエネルギー源として利用価値が出てくるのではないだろうかと。
うん。今でも体の調子が悪いところを気功とかで治療したりすることはやっているわけでしょ。これは一種のエネルギー、要するに周波数だったりするわけですよ。周波数を光に変換して、光を熱エネルギーとかにするわけですよね。だから量子物理学的に言うと、情報というか、意識というか、氣というか、それが周波数に変換されて、そのうえで一番普遍的な存在としての光に乗せられたエネルギーとなっている。
―うわー、ちょっスピリチュアルなにおいがしてきましたね。
いえいえ、全然、これは科学です。そこのところは。
―そうなんですか?周波数が光に乗るというのがちょっと。
光がなくとも、情報を数は数として取り出して、それを電磁的に変換することはできるからね。
―うーん。意識も周波数であるということですか。
そうそう。
―その周波数というのは、周波数と言うだけあって「ある種の波」であるとなので、その力を特別視することさえなければ、その周波数にもその他のすべてのものが持っているのと同じぐらいの力は当然あるわけですよね。それをうまいこと使いこなすことはできるかもしれないということですか?
そうです。その力を集中したり分散したりすればエネルギーの効率化もできるでしょう。
―うーん。なるほど。
そういう力を持つ意識にね、方向性を持たせたものが「意志」であると僕は考えてるんですよ。
―なるほどね。
※意識の進化が行き着くところ
「意識の発展」ということで言えばね、意識と意志にそれぞれの定義を与えるというような、こういう分類をするおとによっていしきは発展すると思うんですよ。つまり、階層性ができることによってね、意識が発展する。
―先生、発展って何なんですか?
進化というふうに言ってもいいと思うんですけどね。意識の進化。
―意識の発展とは何かと言うと、それは意識の進化だと。意識が発展するということは、つまり意識がしんかするということなんですね。じゃあ、どう進化するんですか。
意識が広がっていくんです。
―意識が広がっていく。意識が広がっていくことを進化と言うし、意識が広がっていくことが発展であると。ちなみに、意識が広がっていない状態だったらどっちのほうがいいんですか?
それは呼吸みたいなものだから、どっちがいいということはないんですよ。広がっているか広がっていないかという観点で見るのではなくて、広げることもできるし元に戻すこともできるという、自主性というか自由性が重要だと思うんですよね。
―ふーん。どっちにしても広がって縮まるということをするのであれば、より遠くまで広げられたほうが自由度は増えるということですか。
そう。
―せまい範囲の中でひろげたり縮めたりするよりも、広いところまで広げられるのであればそこまで広げることができるし、当然縮めることはできるし。より広い範囲の中で広げたり縮めたりできるようになれば「より自由度が上がるでしょ」と。
そうです。それは国というのもそうじゃないですか。交易とか、国の版図が広がった時に国というものは非常に発達するわけだよね。
―え?どういうことですか?
うん。例えばね、小さい国がだんだん大きくなっていく。この時には交易とか人の行き来とかの範囲が広がっているわけです。文物とか科学、いわゆる知識も広がる。そうするとたくさんの人に恩恵を与えられる。
―じゃあ、今のEUなんかも同じですか。例えば、フランスという国だけで考えていたのでは動ける範囲は狭いけど、EUという枠まで広げると何かをする時の自由度が上がると。
そう。
例えば時評をするにしても、フランス国内だけで事業をすることもできるけど、EU全域を対象にする事業をすることもできる。どこを選ぶかは自分で自由に決められるし、どちらでも選べると自由だよねということですか?
そういうことですね。
―なるほどね。これは自由度が上がるといいことあるんですか?そりゃ自由であるに越したことはないとは思うんですけど、具体的に何がいいのかな?
それは意識進化の要諦ですよね。一番大事なところというか、それこそが人間の目的だと僕は思ってるんですよね。
―え?そうすると「人間って何を求めているんだ」みたいなところにいっちゃうと思うんですけど。すごく狭い世界で言うと、みんな自分の今の生活の保障や安全を求めるんじゃないですか。お金だとか、もしくは色恋だとかね。そこだけで終始しているように見えるんだけど、人間の目的は自分の意識を広げるところにあるということですか?
僕はそう思うんですけどね。
―より自由になること。
そう。
―より自由になることを求めていって、それで行き着くところってあるんですかね。それとも際限なく自由を求めていくものなんですか。
行き着くところというのは、「私」という自分の意識が「神」と呼ばれているようなものの意識になっていくということですよね。これは一神教が許さないところではありますけどね。一神教では人が神になるということを許せないでしょ。
―そりゃそうでしょうね。でも先生が言っている神というのは、いわゆる一神教の中に存在する神とは違いますよね。「神」と呼ばれているようなものの意識って、どういう意識なんですか?
意識が最大限に広がった状態ですよね。
―ごめんなさい、まったくピンとこないんですけど(笑)
つまりね、その中にすべてが含まれているという。意識ですよ。もともとね、日本には「中今」という考え方があるんですよ。「中今」というのは「永遠の今」という捉え方をするわけですけれども。
―永遠の今?
そうです。永遠の今ということは、過去とか未来とか現在ということを超えて、この瞬間の中にすべてが、そおn三つがるというとらえ方です。
―そういう捉え方を日本人は持っていたと?
うん。意識の拡大と収縮が同時に起こっているというかね。
―過去から未来までを全部含めているという意味では、もう最大限に広がっているんだけど、それが今という瞬間にあるということでは最小限にまで収縮しているということですか?
そういうとらえ方ですよね。
―「中今」という考え方には時間という概念がないんですよね。だから、広がりと収縮が同時に起こる?
うん。永遠の今だからね。こういう状態のことをね、今の量子物理学の中ではゼロポイントフィールドというような言い方で呼んでいます。
―ほう。量子物理学の中ではそのゼロポイントフィールドという言葉は、どういう意味で使われているんですか?
宇宙創造の最初の状態みたいな感じですよね。
―何もなかったけど、何かあるような状態?
そう。何かは充満しているんだけど、何もないというような。無ではないけど空のような感じですよね。
―無じゃないですもんね。充満しているけど何もない。
※ナカイマという概念を検証する。
―そういう概念を時間的観点で表現しようとする「中今」という概念になって、それは日本には昔からあったということですか。
そうそう。
―それで、中今は、過去・未来・現在のすべてを含んでいるから自在性があって、自由度が相当高いと。
うん。
―そして実は人間の意識の発展というのは、その自由度をどう獲得うするかという方向に向かって進んでいるのではなかろうかということですか。
そうです。だから日本には「中今」という概念があって良かったねと言えると思うんですよね。
―日本人良かったねと。ちなみに一神教をもとにしている文化の中には「ナカイマ」のような概念はないんですかね?
それは神の中にしかないでしょう。永遠という性質は神の中にしかない。だからカール・バルトとか、神学の世界になっちゃうね。
―カール・バルトって聞いたことあります(笑)
神学者だから(笑)
―いずれにしても神額の中にしかない概念だから、実際に人間がそのような意識を獲得できるものでもない。
それは神の性質だからね。
―でも実際には、人間はそのような意識を獲得できるということですか?
うん。人間がそういう意識になることはできると思いますよ。聖書の中でイエスが「私gはエリアやモーゼの前にいた」というのは時間を超えた意識のことを言っているのだろうしね。
―聖書ですか、僕がイエスさまのレベルにたどりつくには相当時間がかかりそうだけど(笑)いずれにしても人間は、その意識が最大限に広がった状態を目指して進んでいるのではなかろうかと。
そうそう。そういう意識の進化ということが問われる時代になってきたよということですね。
―その科学的な根拠として量子物理学でも「強い人間原理」というものが出てきていますよと。
そう。強い人間原理というのが出てきている。つまり、意識の発展というのはすなわち意識の進化のことであり、進化というのはすなわち広がりのことであり、意識が広がることによって自由度を獲得していくというのが、われわれ人間の方向性なのではないかと。
―なるほどね。ちなみに先生、こうすればもっと意識は広がるんじゃないかというような方法はあるんですか?
それが意識のナレッジモデリングですよね。それが近道だと思います。
―「意識」つまりこの対話の中で言う「覚醒している時に起こるさまざまな思い」というものをいっぱいいっぱい、いっぱいいっぱい網羅していきましょうねと。
そうです。そうすると分類が起こると同時に階層性が出てきて、そして体系化される。
―もう一度整理していいですか。
はい。
―まず網羅しましょうと。網羅したら自動的に分類が起こりますと。階層性ってどこで出てくるんでしたっけ?分類の次に出てくるんですか?
分類が起こった時点で階層も出てきます。
―あ、なるほどね。
こうして分類が起こって階層性も出てくること自体が、その内容が体系化されたということですよ。
―なるほどね。意識の話に戻ると、この体系化が起こった時点でどうなっているんですか?
この時点ですでに相当多くの「想い」が網羅されていますからね。もう相当広い選択肢を持っていることになる。そこからさらに新しい要素が出てくるたびに、網羅をして分類して体系化するということを続けていくと、意識というのはもっと広がっていって、もっともっとというように自由になっていくと思います。
※意識はどう広がるのか?
―先生、意識音広がりって具体的に言うとどんなことなんですか?
例えばね、誰を大切に思うかというテーマで考えてみるとね、ちょうど自分という個人から始まって恋愛の相手、それから夫婦ができて、夫婦から家庭ができて。家族を意識したとこからその先祖に意識が広がって。次にはそれが民族に広がって。まあ、同じ地域に住んでいる地域共同体なり、それからまあ人類なり。あるいは生きとし生けるものすべてに意識が及ぶというような。意識というものはそういうふうに広がっていくものだと理解すればいいんじゃないですかね。
―意識が発展するとは、ある意味、自分だけじゃなくて人のことも考えられるようになるということですか。
そういう面はもちろんありますよね。
―そうするおt、人というのは、自分の大事な人のことを思うことができるようになった先には、その人を含めた民族のことを思うことになるし、そうすると国というのも思うことになる。そこまで広げることも、個人からスタートしてできますよと。
うん。そうでしょうね。例えばね、サンスクリット語には「先祖に対する愛」という意味の単語があるんです。PIAというね。「先祖に対する愛」というのは、自己愛とも違うし、恋愛とも違う。民族愛とも違うわけでしょ。
―そうですね。違いますよね。
ということはすくなくとも、「愛」という概念がそれぐらいの数の別々の階層に分かれているということが、おk鳥羽からも見て取れるわけですよ。
―ああ。つまり、「先祖に対する愛」という概念に対応した言葉があるということは、「自己愛」という概念に対応した言葉もあるだろうし。
そうそう。「家族愛」という概念に対応した言葉もあるだろうと。
―ということは、つまりひとくちに「愛」といっても、実はそこには少なくとも自己愛という階層と、家族愛という階層と、先祖に先祖に対する愛という階層ぐらいはあるということになりますよと。
そう。
―この階層って、どれぐらい細かく分類されていくんですかね?
それが意識音発展段階によると思うわけです。
―ほう?
つまりより細かく階層をとっていけばいくほど、広がりが出てくると言うかね。だから意識が発展すればするほど、この階層は細かくなっていくと思いますよ。
―ああ。つまり、「愛」という言葉を聞いた時に「自己愛」だけしか思い浮かばないというレベルもあれば、「愛」という言葉を聞いた時に「自己愛」「恋愛」「友愛」「家族愛」「先祖に対する愛」「民族愛」「人類愛」「博愛」というふうに、複数の階層が認識できるというレベルもあると。
そう。それで、階層性をこまかく理解していればいるほど、自由度が高いと。
―自由度が高い?
そう。どこを選ぶかという選択肢が多いわけですから、自由度は上がりますよね。
―なるほどね。
だから、東晃史さんという研究者の方が言っているのは、意識というのは基本的に主体の広がりの範囲だというわけです。つまり、先祖とか、民族とか、家族とか、人類とかで主体の広がる範囲が違えば表現が違うんだと。
―階層というのは、簡単に言うと分類でもあるわけですよね。
そうそうそう。
―「階層」という言葉がわかりにくければ「分類」と理解しても構わないよと。
うん。
―大切なことは、愛という概念をひとつ取ったとしても、実はいろいろな「愛」がその中にはめ込まれていて。
いろんな階層が重なっていて。
―いろんな階層が重なっていてその「愛」がどの階層の愛を示しているのかがわからなかったら、コミュニケーションもできないでしょうと。
そう。そういう階層を積み重ねていくというか、階層を細かく分けていくというか、どちらのとらえ方でもいいんだけれど、それが意識が広がるということだと思います。
―なるほどね。
※「悟りたい」という執着
それとね、意識にはいろいろな階層があるわけですけどね、その中には自分の命を守るためのものもあれば、いわゆる執着というのもあるわけです。
―ほう。執着。
そうそう。例えば、「これが欲しい」とかね。
―はい。
そういう執着が、こうやって意識のナレッジモデリングをしていくと外れていく。
―え?そうなんですか?なんで?
それは、自分の意識を自分で自覚できるようになるからね。そうすると、非常に解放されてくるわけでしょ。
―ほう。
例えば「悟りたい」というのも一種の執着なわけでね。だから、そういうところから離れられるようになる、というのは非情に大きなポイントだと思います。
―なるほどね。意識を広げて自分の自由度を上げるという話をずっとしてきましたけど。学問的に「ふんふん」と言って理解しているかもしれないけど、実生活にも役立つんだよと。
そう。
―なぜかというと、あなたもいろいろなことに執着しているでしょうと。もっとまつげが長ければよかったなと思っている女の子はまつげに執着しているわけだし。もっとお金が欲しいなと思っている人はお金に執着しているわけで。意識が広がるということは、そういう忠着から自由になるおkとなんですよということ?
そうそう。それは悟りもみんなそうです。そういう問題だけなんですよ。
―ということは意識を広げる取り組みというのは、たちまち実生活でも役に立つということですか?
そう。やってみる価値はあるでしょう?(笑)
―確かにありますねぇ(笑)
※自分たちの国は今どんな状態なのか
まぁ、意識というのはどんな側面にしても個人から家庭になり、家庭から氏族になって、それから民族、人類っていうふうに広がっていくという。当然、その階層によって思想というか哲学も変わってくるわけですけどね。
―なるほど。
だから愛といっても、自己愛から家族愛、それから先祖に対する愛、民族愛、そして人類愛というふうに広がっていくし、内容も変わってくる。
―そうやって意識が広がっていく中で、多くの人が共通して持てるところとしては、愛国心みたいなものもあるんですかね?
そうですね。いずれにしても、社会学的に言うと、意識の広がりというおんは、個人の中での自由度であるとも言えるし、考えることができる範囲の拡大とも言えるわけで、その中には国というのもあると思いますよ。その時に大事なのは意識の発展が国を生んだのか、国が意識の発展を生んだのかということでね。
―ん?社会学の観点から言うと意識の広がり、要するに個人が国をつくっていったということになるんですよね。
もちろんそうですよね。
―じゃあ国に関して言うと「覚醒している時に起こるさまざまな思い」というのは、これは要するに「自分たちの国は今どんな状態なのか」という事に対する認識だと思いますが、それをほぼ知らない状態にあると何をするにしても場辺り的になってしまうということですか?
うん。だから、問題があった時に解決するための選択肢が少なくなっちゃいますよね。そうするとダブルバインドにもはまりやすくなる。
―ダブルバインドって二重拘束っていう意味ですよね。
そう。
―つまり、あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たずということになって、にっちもさっちもいかなくなる。これが国のレベルで起こっているということですか?
そうそう。だから、例えば日本がアメリカから「イランの石油を買わないように」と言われる。だけど、買わなければ自分たちは困ってしまう。さてどうしよう・・・という具合ですよ。
―そういうことが国のレベルでも起こっていると。
そう。今の日本はね、やれアメリカだ、朝鮮だって言って翻弄されてているだけでしょ。もともとそういう国家でもあるのかもしれませんけども、もうちょっと自分たちの国っていうのは何なんだろうということを考えてみるといいと思うんですよね。
―考えた結果どうなるんですか。
他国との関係とかコミュニケーションがうまくいくようになるわけ。
―他の国に振り回されなくなるということですか?
そうそう。だから他国との間にもっとより良い関係を持てるし、また役割も発揮できるんじゃないかと。等々に、東アジア共同体とかっていうものだけをで考えるのではなくて、もっと根本的なね、そういうことを一応考えてみたらどうなのかと。今は他国から、日本の国はこうでなきゃいけないよ、ということを言われているだけじゃないですか。中国からは日本はこうでなきゃいけないよと言われて、韓国から、北朝鮮から、日本はこうでなきゃいけないよって。
まあそろっているのはお金を出しなさい。持っているものをよこしなさいという、そういう関係ですけどね(笑)
―きわどい発言ですね。
でもだから豊かになりにくいんじゃない。いろいろなものを持っているのに。
―だからもうちょっと、自分たちの国っていうのは何なんだろう、ということを本当に考えてみるといいと思いますよと。
―そうですね。
※日本サバイバル!
というのもね、日本という国でも一種のサバイバルが起こっていますよね。要するに今、テーマとして国が錐体するかどうかということが問われているわけです。年金だとか、人口の減少だとかいろんな問題を通してね。
―え?そうなんですか?僕が見ていると、例えば年金問題の話をしている時にも、これからも国はあり続けるという前提で話をしているような、すごいぬるい理論のように聞こえるんですけど。
いや、そうでもないんじゃないですか。やっぱり30年後ぐらいに、人口がこのぐらいの数に減った時に誰が働くのかということを話しているということは、これから先音国の在りようを検討し始めているということでもありますから。
―今はもうそういう時期に来ていると。
うん、来てる。だから消費税の増税なんかも含めてね、いろいろな可能性を挙げているわけですよ。
―なるほどね。
ただ一方では、この国土に蓄積したお金や土地の価値というのは、8000兆円ぐらいの価値になっている。今は1000趙園くらいの借金がると言われていますけど、資産的には8000兆えんぐらいのものがある。評価の仕方によっては1京円の価値というような試算もありますから。
でも、それらけの資産があったとしても、一方で国民がいなくなれば、そういうものの価値はなくなっちゃうでしょ?つまり、国というものの存在が危うくなるというのは、そういう問題も含んでいるわけですよ。だから、これから先の国在りようはどのようなものになるのかを考えていかなければならない。
―なるほど。
それでね、その在りようというのを考える時には、つまり国民が楽しく元気に暮らせる国として国があるためには、自分たちの良さを知る必要があるわけですよ。
―はい。
だから僕は、今は国としてそういうことを考えるのにちょうどいいチャンスなんじゃないかなと思っているんです。
※「日本のパスポート」と「アジアへのタイムマシーン」
―それは自分の国の良さを自覚するということですか。
そうですね。
―どうやったら自覚できるんですか。
うん。ひとつには網羅的に自分の国を眺めるのもいいと思う。例えばね、僕は今、日本の国の「在りよう」というような話をしていますけど、実はこのにほん列島から物理的に抜け出ていくというのも非常に面白いと思っているんですよ。
―日本以外の国に住むということですか?
そうそう。何もどこかに移住するというのではなくてね、日本に住むという以外の選択肢を持つといいと思う。
―ああ。要するに日本に住みたければ住めばいいけど。日本以外に住めるところがないから日本に住むという選択ではなくて。
そう。
―アメリカにでも、日本にでも、オーストラリアにでも、カンボジアでも住めるんだけど、さあどうすると。それを自分で決めるといいのではないかと。
そうそう。実際ね、日本人はどこの国にも行けるというあるいみ、特権というか、とても恵まれているということですよ。
―それは日本のパスポートがあればたいていの国には行けるということですか。
そうそうそう。しかもどこでも住んでいいと言われるでしょ。そういう国というのはなかんかないですよ。
―永住権を取ったりするのはまた別ですけどね。
永住権は別だけど。でも、どこでも行けるよね。
―そうですね。
これはまさに「日本の良さ」「日本人ならではのメリット」ですよ。でもこのことに氣が付いている人はそんなに多くないですよ。それはなぜかというと、日本にいるということが前提になっているからでしょう。
―確かにね。これが自分の良さを自覚していないということですよね。
そうそう。今、日本からアジアに行けばタイムマシーンで過去に戻ったみたいに将来が読めるとかね。一條さんが今、ボーンとアジアに会社作りに行ったりしてるのもそういう理由でしょ?
―ダメですよ、僕の新規事業をバラしちゃ(笑)
(笑)でも、そういうこともほとんどの人は知らないんじゃないかな。
―確かにね。
だからね、今の日本には良いところがたくさんある。僕hあ、これはここ3万年くらいの歴史の中でも同じだったのだろうと思っているわけですよ。
―どういうことですか?
つまり、古代からたくさんの人が日本に渡来してきたという話が残っているでしょう?
―はい。
僕が思うのは、それだけ多くの人たちが日本に来ているんらから、同じくらいの人が日本からも外に出て行っているはずだということなんですよ。
―なるほど。
おそらく行き来があったはずですよね。だから、多分、海の向こうに日本の文化が残っている可能性もあると思っているんだけどね。(注-アルメニアには言霊をご神体とした古神殿がある)
―じゃあ昔は、結構自由だったんだ。
だって、国というものがなかったわけだから。
―ん?それって相当前ですか。縄文時代とかの話?
うん。そう。
―その頃には国なんてなかったから行き来も自由だったし、自分たちが幸せになろうというか、楽しく暮らせるようになろうといろいろやってきたよと。
そう。好奇心とか、そういうものを含めてどんどん広がりを持っていった。だからそれが意識というものの特徴なんですよ。
―ところが、自分たちがより幸せに暮らそうとして、国という定義をつくったことによって、その自由度が損なわれていったと。
うん。そういう側面もありますよね。
―自分たちが幸せになるためにやってきたことが、今は逆に自分たちを不幸せにしているところがあると。
うん。だから、もう一回意識を広げてみたらどうでしょうかと思ってこういう話をしているわけです。
―なるほどね。
そういうふうにね、自由いやったら豊かになると思うんでうしょね。例えば、歴史の中にはなんとか帝国というような帝国がたくさんあったでしょう?ああいった帝国が大きく広がっていった背景には、あまり制限を設けなかったという事実があるんじゃないかなと思うんです。
―どういうことですか?
例えば、帝国の中に入ってくるのも、帝国から外に出ていくのも、行き来は比較的自由だったと思うんですよ。その代わりに、税金はしっかり払ってねという約束があってね。
―税金さえ払ってくれれば細かいことは言いませんということですか?
そうそう。
―それってなんだか今のシンガポールみたいですね。
そう!
―実際に今のシンガポールにはどんどんお金が集まってますからね。
そうそう。富はどんどん大きくなる。だからそういうように純粋にというか、自由にやったほうがいいと思うんですけどね。
―なるほどね。話を戻すと、日本人が自由にやっていこうと思ったら今の日本の良さというものも一回ちゃんと知る必要がるよと。
僕はそう思うんだけどね。
―例えば、たったひとつのパスポートでほとんどの国に行けるというメリットもあるだろうし。他にも挙げていけばいっぱいあるだろうねということですか。
そう。
―そういう良さを国民というか、国全体として共有すると、国がどうあるべきかとか、どうあれるかという選択肢も増えると。
うん。選択しも増えるし、国が活性化しますよね。
―良さを網羅していく中では「こういう国にならなければならない」という理想像というか、脅迫観念からも自由になるので、そのつどそのつどの選択のたびに中立的に選択肢を選ぶことができるようになるし。
自分の目的に応じて自由に、ある意味やりたいことができる道がひらけますよという。
―ということなんですね。ではどうやってそこに近づいていったらいいんですか。最後、方法論ですけど。自分の良さ、自分の国の良さを自覚する方法はあるんですか?まあこんな本というのも、そういう役に立つかもよ、という?
はい。
―え?そうなんですか?この本を読んでくれと(笑)
そうそう(わらい)いやね、やっぱり国というところから考えると方向性を間違えたりするから。まずは自分という個人の良いところを知る試みというかね、そういうことから始めるといいと思います。
―ああ。公ということを考える前に、まず自分の足元を見てみようよと。
うん。例えば感情語をたくさん読み上げてみるとかね。そういうことはすぐにできるし、やっぱり根本的な土台を提供してくれますからね。
―なるほどね。その先には国にうちて思いを馳せる場面も出てくるかもしれませんよと。
そう。
―その時にはこの本のあたりのページを開いてくれてもいいしと。
まぁ、そういう使い方もありますよと(笑)
―ぜひ活用して下さい(笑)
※アジアは昭和のタイムマシーン
日本の良いところとして「ほとんどどこの国にでも行けるパスポート」があるという話が出てきました。そのパスポートを使う先として、私がおすすめするのはアジアの各国です。というのも、アジアの特定の国では今、大量の外資が流れ込んでいるために、お金があまっているという現状があるからです。その一方でそれらの国々ではまだ「必要とされているモノ」がそろっていない。つまり、岡ねはあるけど、モノはないという状況が生まれている。これはビジネスをしている方にとっては天国のような世界です。
例えばコップを売ることを考えてみましょう。日本ではお店に行けばいろいろなコップが売られていますし、もうすでにどんな家にもコップはあると思います。その日本でコップを売ろうとすると、
・もうすでにコップを持っている人に対して、
・さまざまな競合相手との間で「商品としての優劣」を競いながら、売り込みをしていかなければならない。
そこには二重三重のハードルが待ち構えています。ところがアジアのある特定の国では、まだコップがない家があるのです。そこにコップを持っていけばどうなるか?
コップがなくて困っている人のところにコップを持って行ってあげるわけですから、買ってもらえる可能性はとても高い。競合するコップもってないから、ほぼ独占ビジネスンいなる可能性すらあるわけです。ちなみに、私が話しているアジアの国々というのは、中国や香港、シンガポールといったある程度発展してしまった国のことではありません。
バングラディシュやカンボジア、そしてネパールなど。それも首都ではない町が狙い目だったりします。なんぜ、それらの国では今がけいざい成長期のまっただ中。昭和の日本で起こったことが今、全く同じようにそのまま繰り返されています。ひとつだけ昭和の日本と違うのは、インフラ整備がものすごいスピードで進んでいること。
昭和の日本は同の電話線を引くところから始まりましたが、今のアジアの各国では最初から光ファイバーが引かれていく。ですので、昭和の高度経済成長の期間ほど長い「商売にとっての天国機関」は見込めないかもしれませんが、我々日本人が現地に行ったときにはまるでタイムマシーンで昭和に戻ったかのように、ある程度の未来が予測できる。これは日本人であることの大きな大きなメリットです。このメリットを活かしてビジネスのネタを探しに現地を訪れるもよし。古き良き日本を感じるために現地を訪れゥもよし。ぜひ、日本のパスポートを活用して頂ければと思います。
―良さを網羅していく中では「こういう国にならなければならない」という理想像というか、脅迫観念からも自由になるので、そのつどそのつどの選択のたびに中立的に洗濯しを選ぶことができるようになるし。
自分の目的に応じて自由に、ある意味やりたいことができる道がひらけますよという。
―ということなんですね。ではどうやってそこに近づいていったらいいんですか。最後、方法論ですけど。自分の良さ、自分の国の良さを自覚するほうほうはあるんですか?まあこんな本というのも、そういう役に立つかもよ、という?
はい。
―え?そうなんですか?この本を読んでくれと(笑)
そうそう(笑)いやね、やっぱり国というところから考えると方向性を間違えたりするから。まずは自分という個人の良いところを知る試みというかね、そういうことから始めるといいと思います。
―ああ。公ということを考える前に、まず自分の足元を見てみようと。
うん。例えば感情語をたくさん読み上げてみるとかね。