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『言葉と物』 第十章 人文諸科学
ともかく、ひとつのことがたしかなのである。それは、人間が人間の知に提起されたもっとも古い問題でも、もっとも恒常的な問題でもないということだ。比較的短期間の時間継起と地理的に限られた載断面――すなわち、十六世紀以後のヨーロッパ文化――をとりあげることによってさえ、人間がそこでは最近の発見であるという確信を人々はいだくことができるにちがいない。知がながいこと知られることなくさまよっていたのは、人間とその秘密とのまわりをではない。そうではなくて、物とその秩序に関する知、同一性、相違性、特徴、等価性、語に関する知を動かした、あらゆる変動のなかで――すなわち、《同一者》のこの深い歴史のあらゆる挿話のなかで―― 一世紀半ばかり以前にはじまり、おそらくはいま閉ざされつつある唯一の挿話のみが、人間の形象を出現させたのである。しかもそれは、古い不安からの開放でも、千年来の関心事の光りかがやく意識への移行でも、信仰や哲学のなかに長いこととらわれてきたものの客観性への接近でもなかった。それは知の基本的諸配置のなかでの諸変化の結果にほかならない。人間は、われわれの思考の考古学によってその日付の新しさが容易に示されるような発明にすぎぬ。そしておそらくその終焉は間近いのだ。
もしもこうした配置が、あらわれた以上きえつつあるものだとすれば、われわれがせめてその可能性くらいは予感できるにしても、さしあたってなおその形態も約束も認識していない何らかの出来事によって、それが十八世紀の曲がり角で古典主義的思考の地盤がそうなったようにくつがえされるとすれば―― そのときこそ賭けてもいい、・・・・
言葉と物――人文科学の考古学 ミシェル・フーコー 著 渡辺一民・佐々木明 訳 新潮社
【 ソピア知 】
<宇宙公理を希求し、宇宙公理を認識し、宇宙公理と対話する> という人間の本性となって出現した脳本来の純粋な働き:宇宙公理そのもの同一態 〔ソピア知〕 は、― 少なくとも宇宙開闢時より、自己進化の乱流に翻弄され、幾多の変遷を経、暗中模索、試行錯誤、失敗失敗又失敗又々失敗、極々僅少貴重な成功を積み重ね、<宇宙公理を認識する同一者>今日の人間その頭脳として自らを具現化し、物体・身体という形象を保有し、感覚知覚的にも実存しうる存在者となり、 ― 現在 人類の師―ソクラテス、プラトン、アリストテレスの活躍した古代ギリシャ時代の頃から、ミシェル・フーコー (1926-1984) の現代まで、ようやく<ここまで>辿り着いた。
表現をかえるなら、<そのとき>は、疾風怒濤の勢いで目前に迫り来ている。
* 「さしあたってなおその形態も約束も認識していない何らかの出来事によって」
「何らかの出来事」とは、― 人類の師ソクラテス=プラトンが著作『洞窟の比喩』で説く、― 住み慣れた生活の場、つまり真実体の認識かなわず、ものの影・非実体のみしか感知認識できないでいる暗く狭い洞窟の中の生活から、陽光燦々とあまねく照りそそぎ、ものみなその正体・真実体を明晰に顕示する地上〔イデア〕世界へと(不安と恐怖に苛まれながら、全ての人間・人類がこぞって)脱出する、こと。
人類洞窟脱出 それは、地球・人間精神世界を厚く被覆し尽くす <暗幕> フリードリヒ・ニーチェ 1844-1900 が一気に引き剥がされる激変、また、フーコ―の説く地球・人間精神世界の<地盤>が一気にくつがえされる激変等と、表現する言葉などは異なるが、内実はピタリ合致する同一の出来事である。その出来事が、パノラマを目の当たりにするかの如く、感知可能となった人々に驚愕や感動、強烈な印象を与えながら、近未来の人間人類の現象及び本体両世界において、沈着確実に粛粛として展開されていくのである。
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【 未来 未来の知性 未来の子 未来の人類 】
―― 人類は、 ―― 早晩、 ―― <そのとき>を迎える。
―― 人間本性覚醒による洞窟脱出。
―― それにもとづく人類進化完遂の<そのとき>。
―― 間違いなく。
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宇宙進化の必然
―― 真性認識の創造誕生により、〔ソピア知〕は人間・人類の本性として現実態となる。
―― 新旧間にミッシングリンク介在の空白もなく明々白々、人間の本性そのものでもある〔ソピア知〕に目覚めた人間〔ピロソピア知性〕が創出されるのと入れ替わり、これまでの<眠った>人間・人類は消滅する。
―― それに伴い、負の感情、負の心理、負の精神、それら過誤にまみれながら永永と構築されてきた、負の文化・伝統、負の文明、負の歴史もまた相伴って終極にいたる。
覚醒した人間より成る、覚醒した人類。
覚醒をもって、その進化を完遂させた人類は、新規まき直しの文化文明の黎明、――
真! 輝かしい! 真人類歴史の夜明け! を迎える!
進化完遂・目的をはたした〔ソピア知〕― 宇宙公理
進化完遂をはたした〔ピロソピア知性〕 ― 未来の子 未来の人間 未来の人類
ホモ・サピエンス・サピエンス・ピロソピー
未来の人類 ホモ・ピロソピー
さらに進みゆく 〔ソピア知〕 〔ピロソピア知性・未来の子・宇宙の子〕 ―――――