
北の国にもようやく春が来た
地上に何が起ころうと季節は巡り来る
桜の木の下の人々は
誰もが喜び微笑んで
花を愛でる
誰もが幸せにあふれている
幸せはどれもが似通っているように見える
一つ目をそらすと
そこには地上に現れた地獄がある
全てをあらゆる物を飲み込み吐き出した悪魔の仕業がある
そこの人々は
誰もが苦悶の顔をしている
誰もがそれぞれの地獄を味わっている
似たような幸福とそれぞれの地獄
あらゆる不幸が集まってしまったのか
それでも人々はどこかを目指している
生きるものは生きなければいけない
その指名を受けて生きる
生きようとしている
何気ない日常がひとつふたつ
それが
何処にでもある誰もが似通った
ちいさな幸せになっていくだろう
何れ大きなものになるように
それぞれが歩き出す
この子供の命の中の
ぷるとにうむ239
命は何万年だと言う
何故この子供らはこのような運命の下に生まれてしまったのか?
名のある大企業の仕打ちを受けなければならないのか?
体を蝕むものになぜ侵されなければならないのか
大人の卑しい欲に侵された
この子らの未来が
どうか健やかでありますように
人を呪えば穴2つ
それでも
卑しい人々が地獄より辛いところに落ちていきますように
この身を犠牲にしても怨んで生きたい

ヨンハには耐えられなかっただろう
この悲惨な震災がヨンハの目に映ることは
神が避けたのだろう
ガラスのような繊細な心は
弾け散ってしまうことだろう
それほど柔らかなものだった
弱さではなく
わが身に置き換えてしまうヨンハだから
耐えられなかっただろう
暑い砂漠の真ん中にわが身を置いて
瞳をぬらすヨンハは
大好きな海が悪魔になり
全てを飲み込む様は
耐え難かっただろう
多くの被災者を一足先に逝ったヨンハが
待っているのだろう
心をぬらしているだろう
ただ
心安らかにと願う

福島の空が星で覆われている
地上から消えた明かりがある
人々を苦境に立たせている明かりの元もある
漆黒の闇を照らす星たち
そのなかに
希望の星はあるのか
たった一つの希望の星はあるのか
その星だけが無いのではないのか
人々の心の中に星は照らしているのか
闇が広がっているだけではない
きっと微かに見える光がある
そこだけを見つめていこう
確かなものだと信じて