(1964/ロバート・スティーヴンスン監督/ジュリー・アンドリュース、ディック・バン・ダイク)
「マイ・フェア・レディ」を見たので、ジュリー・アンドリュースの「メリー・ポピンズ」を見たくなり、ビデオ借りてしまいました。
イギリスの話。R・L・トラヴァーズとかいう女性の童話が原作らしいです。
銀行に勤める堅物の父親は、仕事仕事で家庭は妻まかせ、子供のしつけは家庭教師を雇って済ませようとしている。メイドと女調理人も雇っている気楽な母親は、子供を愛しているしやさしいのだが、夫に内緒で選挙活動に熱を上げている。
子供は、お姉ちゃんと弟。家庭教師は言うことを聞いてくれないので、次々と辞めていく。私の印象では昨今の子供のように生意気ではない。昔はあの程度でやんちゃな子供に見せられたのかも知れないが、ディズニーらしく素直で可愛らしいです。
冒頭のシーンで、早速新しい家庭教師が辞めていき、新聞に新しい家庭教師の募集を出そうとする。そこにやって来たのがメリー・ポピンズ。
堅物で細かい父親だが、メリーと話をしているうちにすっかりそのペースにはまって、すぐに雇うことになる。
子供たちの家庭教師になって、うまいこと躾けていくというのは「サウンド・オブ・ミュージック」と同じ。コチラの作品の方が早いので、予行演習ですな。
魔法使いのメリーはなんのためらいもなく魔法を使って、子供を楽しませ、唄で諭していく。この辺からおとぎ話として見ればいいんだなとわかる。
初めて子供たちに会ったメリー・ポピンズが、絨毯生地でできたバッグの中から、絶対に収まりそうにない帽子掛けやカガミなんかを出すところは、“どらえもん”の四次元ポケットみたいで、藤子不二雄さん、絶対これ見てますな。
冒頭、街を俯瞰で捉えたシーン、メリー・ポピンズが傘をさして空の上から降りてくるところでは、「魔女の宅急便」を思い出しました。
子供たちと街を散策する所では、ディック・バン・ダイクが歩道の敷石に書いた絵の中に入って、その中ではアニメーションと実写の融合画面になります。「ロジャー・ラビット(1988)」の24年前にすでにこんな事をやってたなんて驚きですが、子供そっちのけで唄ったり踊ったりするシーンは、ディズニーの技術を見せびらかしているようで、ストーリー的には浮いてしまってます。
メリーに感化されてか、メイドや調理人も唄を口ずさんだりしてくる。堅物の父親は、家の中が妙に明るくハジけているのが気に入らなくて、全てメリーのせいだとして辞めさせようとする。子供たちが寂しがって、父親とケンカして・・・という結末を予想されるのは安直。ちょっと違います。マ、大人の論理を皮肉るのもディズニーらしい所なんですけどネ。一応、ハッピーエンドです。
”子供との接触はわずかな期間なのでもっと大切にしなさい”というメッセージは昔も今もごもっともなモノです。
大道芸人だったり煙突掃除人だったりするディック・バン・ダイクはメリーと知り合いのようで、彼も魔法使いのようだが、さてメリー・ポピンズとの関係はどうなっているのかハッキリしないのが気になります。
シャーマン兄弟の楽曲は「チム・チム・チェリー」と「スーパー・・・・」なんとかっていうおまじないの唄くらいですか、私の知っているのは。あと、”薬に砂糖をいれたら飲める”なんていう唄。
これでハリウッドデビューしたジュリーは、いきなりアカデミー主演女優賞をとりました。「マイ・フェア・レディ」の主役をヘプバーンにとられた時には、あんまり仲がよくなかったなんて話を聞いたことがありますが、2度目の旦那さんブレーク・エドワーズ監督はヘプバーン主演の「ティファニーで朝食を」を作っている。
TVじゃなく、やっぱ大スクリーンで見た方が楽しめる作品でしょう。
「マイ・フェア・レディ」を見たので、ジュリー・アンドリュースの「メリー・ポピンズ」を見たくなり、ビデオ借りてしまいました。
イギリスの話。R・L・トラヴァーズとかいう女性の童話が原作らしいです。
銀行に勤める堅物の父親は、仕事仕事で家庭は妻まかせ、子供のしつけは家庭教師を雇って済ませようとしている。メイドと女調理人も雇っている気楽な母親は、子供を愛しているしやさしいのだが、夫に内緒で選挙活動に熱を上げている。
子供は、お姉ちゃんと弟。家庭教師は言うことを聞いてくれないので、次々と辞めていく。私の印象では昨今の子供のように生意気ではない。昔はあの程度でやんちゃな子供に見せられたのかも知れないが、ディズニーらしく素直で可愛らしいです。
冒頭のシーンで、早速新しい家庭教師が辞めていき、新聞に新しい家庭教師の募集を出そうとする。そこにやって来たのがメリー・ポピンズ。
堅物で細かい父親だが、メリーと話をしているうちにすっかりそのペースにはまって、すぐに雇うことになる。
子供たちの家庭教師になって、うまいこと躾けていくというのは「サウンド・オブ・ミュージック」と同じ。コチラの作品の方が早いので、予行演習ですな。
魔法使いのメリーはなんのためらいもなく魔法を使って、子供を楽しませ、唄で諭していく。この辺からおとぎ話として見ればいいんだなとわかる。
初めて子供たちに会ったメリー・ポピンズが、絨毯生地でできたバッグの中から、絶対に収まりそうにない帽子掛けやカガミなんかを出すところは、“どらえもん”の四次元ポケットみたいで、藤子不二雄さん、絶対これ見てますな。
冒頭、街を俯瞰で捉えたシーン、メリー・ポピンズが傘をさして空の上から降りてくるところでは、「魔女の宅急便」を思い出しました。
子供たちと街を散策する所では、ディック・バン・ダイクが歩道の敷石に書いた絵の中に入って、その中ではアニメーションと実写の融合画面になります。「ロジャー・ラビット(1988)」の24年前にすでにこんな事をやってたなんて驚きですが、子供そっちのけで唄ったり踊ったりするシーンは、ディズニーの技術を見せびらかしているようで、ストーリー的には浮いてしまってます。
メリーに感化されてか、メイドや調理人も唄を口ずさんだりしてくる。堅物の父親は、家の中が妙に明るくハジけているのが気に入らなくて、全てメリーのせいだとして辞めさせようとする。子供たちが寂しがって、父親とケンカして・・・という結末を予想されるのは安直。ちょっと違います。マ、大人の論理を皮肉るのもディズニーらしい所なんですけどネ。一応、ハッピーエンドです。
”子供との接触はわずかな期間なのでもっと大切にしなさい”というメッセージは昔も今もごもっともなモノです。
大道芸人だったり煙突掃除人だったりするディック・バン・ダイクはメリーと知り合いのようで、彼も魔法使いのようだが、さてメリー・ポピンズとの関係はどうなっているのかハッキリしないのが気になります。
シャーマン兄弟の楽曲は「チム・チム・チェリー」と「スーパー・・・・」なんとかっていうおまじないの唄くらいですか、私の知っているのは。あと、”薬に砂糖をいれたら飲める”なんていう唄。
これでハリウッドデビューしたジュリーは、いきなりアカデミー主演女優賞をとりました。「マイ・フェア・レディ」の主役をヘプバーンにとられた時には、あんまり仲がよくなかったなんて話を聞いたことがありますが、2度目の旦那さんブレーク・エドワーズ監督はヘプバーン主演の「ティファニーで朝食を」を作っている。
TVじゃなく、やっぱ大スクリーンで見た方が楽しめる作品でしょう。
・お薦め度【★★★=記念に、一度は見ましょう】
(1964/ジョージ・キューカー監督/オードリー・ヘプバーン、レックス・ハリソン)
超有名なミュージカル映画だが、今まで通して見たことがなかった。何度かTVでやってて見たけれど、途中で邪魔が入ったりして全部見れなかった。先日、衛星放送で見れました。
元々はバーナード・ショウの戯曲「ピグマリオン」が原作で、舞台ではジュリー・アンドリュースが主役だったのに、映画はヘプバーンがヒロインに抜擢された。悔し涙にくれたジュリーだったが、翌年には「サウンド・オブ・ミュージック」に主演し、大成功を納めた。
というか、1964年はジュリーが「メリー・ポピンズ」に出た年で、彼女はこれでオスカーもとっている。
ギリシャ神話に基づいた話らしい。ロンドンの下町の花売り娘(ヘプバーン)を見かけた言語学者のヘンリー・ヒギンス教授(ハリスン)が、訛りの激しい彼女に正しい発音を教えて、貴婦人にみせることが出来るかどうかという賭けを友人とする。いかにもショウが考えそうな話である。男と女の感性の違いについての話もショウらしい。結末は大体予想がつくシンデレラ・ストーリーであるが、発声法の技術的な話は面白い。
ヘプバーンの唄は吹き替え(マーニ・ニクソン)なのがすぐに分かるので、少し興ざめ。やはり、ジュリー・アンドリュースのイライザが見たかったです。
終盤では男と女の心理的な駆け引きになっていくんだが、イライザと教授の年の差を考えると、ちょっと首を傾げる。イライザが教授に惹かれる気持ちがいまいちつかめない感じ。
そういえば、「昼下がりの情事」でもオードリーは父親くらいのG・クーパーと恋をした。
名作と言われているが、感覚的には少し古い。
追記:タモリのようにミュージカルは絶対にダメという人がいるが、私は大丈夫。「ウエスト・サイド物語」なんかは一日に2回見ましたからね。「シェルブールの雨傘」「屋根の上バイオリン弾き」「キャバレー」「掠奪された七人の花嫁」みんな好きですけど、是非とも見たいのがR・アッテンボローの「素晴らしき戦争(1969)」。ビデオにもなっていないのがくやしい。
超有名なミュージカル映画だが、今まで通して見たことがなかった。何度かTVでやってて見たけれど、途中で邪魔が入ったりして全部見れなかった。先日、衛星放送で見れました。
元々はバーナード・ショウの戯曲「ピグマリオン」が原作で、舞台ではジュリー・アンドリュースが主役だったのに、映画はヘプバーンがヒロインに抜擢された。悔し涙にくれたジュリーだったが、翌年には「サウンド・オブ・ミュージック」に主演し、大成功を納めた。
というか、1964年はジュリーが「メリー・ポピンズ」に出た年で、彼女はこれでオスカーもとっている。
ギリシャ神話に基づいた話らしい。ロンドンの下町の花売り娘(ヘプバーン)を見かけた言語学者のヘンリー・ヒギンス教授(ハリスン)が、訛りの激しい彼女に正しい発音を教えて、貴婦人にみせることが出来るかどうかという賭けを友人とする。いかにもショウが考えそうな話である。男と女の感性の違いについての話もショウらしい。結末は大体予想がつくシンデレラ・ストーリーであるが、発声法の技術的な話は面白い。
ヘプバーンの唄は吹き替え(マーニ・ニクソン)なのがすぐに分かるので、少し興ざめ。やはり、ジュリー・アンドリュースのイライザが見たかったです。
終盤では男と女の心理的な駆け引きになっていくんだが、イライザと教授の年の差を考えると、ちょっと首を傾げる。イライザが教授に惹かれる気持ちがいまいちつかめない感じ。
そういえば、「昼下がりの情事」でもオードリーは父親くらいのG・クーパーと恋をした。
名作と言われているが、感覚的には少し古い。
追記:タモリのようにミュージカルは絶対にダメという人がいるが、私は大丈夫。「ウエスト・サイド物語」なんかは一日に2回見ましたからね。「シェルブールの雨傘」「屋根の上バイオリン弾き」「キャバレー」「掠奪された七人の花嫁」みんな好きですけど、是非とも見たいのがR・アッテンボローの「素晴らしき戦争(1969)」。ビデオにもなっていないのがくやしい。
・お薦め度【★★★=記念に、一度は見ましょう】
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●2007年10月にブログ名を「SCREEN」から「テアトル十瑠」に変えました。
●2021年8月にブログ名を「テアトル十瑠」から「テアトル十瑠 neo」に変えました。姉妹ブログ「つれづる十瑠」に綴っていた日々の雑感をこちらで継続することにしたからです。
●コメントは大歓迎。但し、記事に関係ないモノ、不適切と判断したモノは予告無しに削除させていただきます。
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HNの十瑠(ジュール)は、あるサイトに登録したペンネーム「鈴木十瑠」の名前部分をとったもの。由来は少年時代に沢山の愛読書を提供してくれたフランスの作家「ジュール・ヴェルヌ」を捩ったものです。
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