テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

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1月に観たその他の映画(08年)

2008-01-27 | 短評集


 大統領の理髪師

 2004年(116分)
 監督・脚本:イム・チャンサン
 出演:ソン・ガンホ
     ムン・ソリ
     リュ・スンス
     イ・ジェウン
     ソ・ビョンホ
     パク・ヨンス
     チョ・ヨンジン

*

 韓国大統領官邸“青瓦台”のある町で理髪店を営んでいたばっかりに、大統領御用達の理髪師となった男と、彼の家族の数奇な運命を、理髪師の息子の言葉で語る数十年の物語。
 1960年代からの激動の政治背景を織り交ぜながら描くも、幾つかのエピソードには非現実性が感じられたし、作為的なブラックユーモアも肌に合わず入り込めない。
 それにしても、韓国軍事体勢のえげつなさには驚いた。

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠



 きみに読む物語

  2004年(123分)
 監督:ニック・カサヴェテス
 出演:ライアン・ゴズリング
     レイチェル・マクアダムス
     ジーナ・ローランズ
     ジェームズ・ガーナー
     ジョーン・アレン
     ジェームズ・マースデン
     サム・シェパード

*

 認知症で療養施設に入っている老女に、ある物語の本を読んで聞かせる同じ施設の老人。“物語”は数十年前の時代の若い男女の出逢いと別れで、老人達と若者、新旧二つの時代が徐々にリンクしていく構成は終盤でスリリングな興味を覚えるが、若い恋物語にそれ程の新鮮味はなく、葛藤にも深みは感じられない。

 老人男性を演じたのは、懐かしやジェームズ・ガーナー。薄い頭髪に昔のダンディな面影はないが、芝居は泣かせました。

 尚、カサヴェテス監督はお察しの通り、俳優でもあったジョン・カサヴェテス監督の、そしてジーナ・ローランズの息子さんでありました。

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠
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今年観たその他の映画②

2007-12-28 | 短評集
 今年3月に植木等さんが亡くなって、中学生の頃に観た懐かしい映画の特集がありました。かといって、全部を観るわけにもいかず、1本だけ「日本一の男の中の男(1967)」を観ました。
 植木さん演じる主人公の名前が「小野子(おのこ) 等」といって、確かその他のこの「日本一の男シリーズ 」の主人公は「中(なか) 等」とか「初(はじめ) 等」とか、名前に等(ひとし)が付く男ばっかりでした。
 すでに故人の俳優さん、当時はピチピチしていた女優さんがたくさん出ていて懐かしい映画。
 いつクビになってもおかしくないサラリーマン事情は昔っからあったようです。

 東宝系では、加山雄三の若大将シリーズも特集があってまして、これも1作だけ「大学の若大将(1961)」を観ました。当時は封切りは観てなくて、数年後のリバイバルで観た映画でした。「ハワイの若大将(1963)」も録画したんですが、こちらは挿入歌の「♪恋は紅いバラ」を聞いただけで他は早送りで観てしまいました。
 ワンパターンのお約束のストーリーで、“若大将”田沼雄一のやっているスポーツが違うだけ。青大将も澄ちゃんも懐かしかった。
 なお、「大学・・」は水泳部の若大将でした。

*

 さて、洋画では新作の「レミーのおいしいレストラン」をレンタルDVDで観ました。

 監督が「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード
 ジョン・ラセターやアンドリュー・スタントンが製作総指揮のピクサー・アニメと言うことで期待の新作でしたが、序盤から中盤までは面白かったけど、ネズミが人間を髪の毛を使って操るという仕組みが安直な感じで、その辺りからストーリーにいまいち入り込めませんでした。途中でだれるところもあって、2時間という長尺にも疑問があります。
 お薦め度は、【★★=悪くはないけどネ】。

 あと、BSで観た「アメリカン・スプレンダー(2003)」。そして、1コインDVDの「我が家の楽園」。VHSのレンタル「尼僧ヨアンナ」なども記事にしていませんでした。

 ポール・ジアマッティ主演の「アメリカン・・・」は実在のコミック原作者を描いた作品で、アニメを取り入れたり、途中で実物の映像も使ったりとユニークな味があり面白かったです。<カンヌ映画祭では、ある視点部門国際批評家賞を受賞した>とのこと。
 お薦め度は、【★★★=一度は見ましょう】。

 「尼僧ヨアンナ」は、「夜行列車」、「」のイェジー・カワレロウィッチ監督の1961年の作品。
 悪魔に取り付かれた修道院の女性院長ヨアンナと、その悪魔払いに来た修道僧との話で、美しいヨアンナが悪魔によって豹変するところは、特殊メイクがないにもかかわらず、「エクソシスト」を彷彿とさせる恐怖映画でした。
 お薦め度は、【★★★=一度は見ましょう】。

 「我が家の楽園」はフランク・キャプラが3回目のオスカーを獲った1938年の作品。
 キャプラの画に描いたような理想主義の設定の話で、創りすぎが鼻について、キャラクターが生きてない映画に見えました。この後、キャプラは「スミス都へ行く(1939)」、「群衆(1941)」と社会の陰の部分に焦点を当てていきます。
 お薦め度は、【★★★=一度は見ましょう】。

テアトル十瑠
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今年観たその他の映画①

2007-12-21 | 短評集
 年末に来て仕事が忙しくなってきたので、先週に引き続き今年観て、書き残した作品について、更にザーッと綴ってみます。

 地上波TVでも少し話題作を観ました。
 「バイオハザード (2001)」、そして「エイリアンVS. プレデター (2004)」。

 どちらも地下のでかい密室というか迷路みたいな所で展開するアクション映画で、話に膨らみはないけど子供にはスリル満点で楽しめる映画だと思いました。

 ま、そんなことより面白かったのは、この記事を書こうとデータを調べていたら、どちらも同じ監督だったこと。どうりで似たような趣向の設定なわけだ。
 ポール・W・S・アンダーソン。65年生まれのイギリス人。

 現在公開中の「AVP2 エイリアンズVS. プレデター (2007)」には関わっていないようです。

 バイオの方は、ゾンビがウロウロするところはTV画面で観ると笑っちゃいそうなくらい荒唐無稽。ただし、レーザー光線のようなもので、人間の身体がスパッと刻まれていくところはやっぱり気味悪かったですな。

 AVP1では、ラストでプレデターに助けられた女性隊員がいたけど、あんな所に残されても彼女ひとりじゃどうしようもないし、助からないだろうと思いました。

 お薦め度は2作とも【★★=SFアクションとしては、悪くはないけどネ】、でしょうか。

*

 あと、地上波で観たのは「フラガール」。
 ご存じ昨年の日本アカデミー作品賞受賞映画ですな。

<昭和40年。エネルギーの需要は石炭から石油へとシフト、世界中の炭鉱が次々と閉山していた。そんな中、福島県いわき市の炭鉱会社は、地元の温泉を活かしたレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の計画を進めていた。目玉となるのは、フラダンスのショー。早速、本場ハワイでフラダンスを学び、松竹歌劇団で踊っていたという平山まどかを東京から招き、地元の娘たちのダンス特訓を始める。しかし数世代も前から山で生きてきた住民は、閉山して“ハワイ”を作る計画に大反対。まどかや娘たちへの風当たりも強く…。>(goo映画解説)

 地上波でも予約録画を観たので、CMは早送りという観方。

 平山まどかの周辺事情がいまいち描き込みが浅いのと、蒼井優ちゃん演じる女子高生が家を出てどのようにして暮らしていたのかが良く分からないのが気になったところ。
 炭坑が閉山してリストラがあって・・なんて、原因は違っていても庶民の状況が昨今のソレと似ていて、岸部一徳やら高橋克美等の事情もよく描かれていたように感じました。
 圧巻は、やはりラストのダンスシーンでしょうか。優ちゃんの腰の揺れ具合、キレ具合が見事でした

 そうそう、終盤の豊川悦司と寺島進はどうなったんでしょうか? 展開が掴めてないんですが・・・

 お薦め度は【★★★=一度は見ましょう】、ですかな。


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