テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

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イージーな作品で売れました 【Portrait Q -№209】

2024-11-01 | Who is・・・?
 ポートレイト問題、第209弾。





 1939年7月、イリノイ州生まれ。
 かなり個性的な悪女系の風貌ですな。
 70年代にはイージーじゃない作品も観てるんですが、なにせイージーな2作品が鮮烈だったものでそちらが記憶に残っています。
 父は児童文学作家、祖父はシカゴ交響楽団のバイオリニスト、姉も女優という芸術一家の出だとか。
 2013年に74歳で亡くなっています。
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アメリカ、家族のいる風景

2024-10-24 | ドラマ
(2005/ヴィム・ヴェンダース監督/サム・シェパード、ジェシカ・ラング、ティム・ロス、ガブリエル・マン、サラ・ポーリー、エヴァ・マリー・セイント、ジョージ・ケネディ/ 124分)


 カンヌで役所広司が男優賞を受賞した事で「PERFECT DAYS (2023)」が話題になったヴィム・ヴェンダース監督。久々に「パリ、テキサス」を観ようと近所のゲオに行ってみたが、なんと置いてなくて、それならばと未見だったコレを借りてきた。
 「アメリカ、家族のいる風景」
 なんかドキュメンタリーみたいなタイトルですが立派な商業映画であります。

*

 オープニングがグランドキャニオンを背景に一人のカウボーイが馬を走らせているシーンで、なんだ西部劇かと思っていると、やがてカメラは西部劇を撮影中の映画クルーの様子を捉え、先ほどのカウボーイがこの西部劇の主演スターであり、撮影途中の現場から黙って抜け出したことが分かる。
 ハワード・スペンス。
 サム・シェパード扮するこの中年男が主人公ですな。
 西部劇スターとして全国的に顔も名も知れた俳優だが、西部劇が廃ると共に彼の名を忘れる人も増えていった。酒、女、薬に暴力沙汰とマスコミにゴシップ・ネタを提供し続けた芸能人でもある。脱走後に一息つく所でポツリと『なぜ死ななかったんだ?』と呟くシーンもあり、彼なりに悩んでいたことも分かる。
 途中で偶然出会った男と服を交換し、ブーツと馬を譲り、近くの町でキャッシュカードから有り金をおろしてバスで向かった先は年老いた母親のいる故郷だった。

 30年ぶりだった。
 父親は10年前に亡くなり実家も牧場も売り払って、落ち着いた一軒家で母は暮らしていた。バスのターミナルから電話をしていたので母はハワードに部屋を用意していて、部屋の壁には幼い頃の彼の写真も飾られていた。
 ベッドで転寝をする。夜になるとまたぞろネオンが恋しくなってきた。
 新しい家は少し高台にあり、庭からは街の灯りが煌めいて見えていた。ちょっと外の空気を吸ってくるとハワードは喧騒の中に入って行ったが、帰って来たのは翌日の雨の朝、母親の顔見知りの警官に連れられてであった。
 母親の用意した軽い朝食に手を付けない息子に母は聞く。
 『あなた家族の写真は持ってないの?』
 『家族?』
 『そうよ。あなたの子供、私の孫の写真よ』

 青天の霹靂。女に困ったことはなかったが、子供の話は聞いたことがなかった。
 母の話はこうだった。
 ハワードがモンタナで映画を撮ってしばらくした頃、一本の電話が入った。女性からだった。おなかに赤ん坊がいて、それはハワードの子供なんだが彼と連絡がつかない。そちらには来ないか?と。
 確か、モンタナの町からだったわ。

 次の日、ハワードは父親が残していった車を借りてモンタナに行くことにした。
 モンタナ州ビュート。
 ウェイトレスをしていたドリーン。
 赤ん坊が出来たのなら彼女に違いない。彼女はまだ其処にいるのだろうか・・・。

*

 お薦め度は★三つ。一見の価値あり。

 ヴェンダース監督は小津さんを崇拝しているらしいがタッチは全然違っているのが面白い。移動撮影なんか不必要なくらいの使い方(俳優の周りをぐるっと回ったり)だもんな。
 中盤以降に描かれる数十年前の彼女との再会も、初めての成人した子供との邂逅もありきたりじゃなくて良かったし、終盤のハッピーエンドもお涙頂戴にはなってなくて良かった。
 ただなぁ。冗長と感じる部分が何か所かあったな。その為に薄味になったショットもあった。

 ハワードの母親にはエヴァ・マリー・セイント、劇中の西部劇の監督にはジョージ・ケネディが扮していた。
 尚、サム・シェパードはこの映画の脚本も書いていて、ヴェンダース監督とは「パリ、テキサス」以来20年ぶりのタッグだったらしい。





・お薦め度【★★★=一見の価値あり】 テアトル十瑠
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小さな偉人 【Portrait Q -№208】

2024-10-01 | Who is・・・?
 ポートレイト問題、第208弾。





 1937年8月、カリフォルニア州、LA生まれ。
 なんともう87歳だそうです。
 元々映画好きだった高校生の僕を更に沼にひきづり込んだ俳優の一人ですね。
 67年の初主演作から毎年のように話題作を出し続けていて、いそいそと映画館に観に行ったもんです。
 若い頃はアカデミー賞の常連。
 確か主演オスカーは2度受賞しています。
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35-60

2024-09-19 | 日々の雑感
 50-50は、もうすぐ達成されるであろう大谷翔平君の大記録でありますが、35-60は異常な暑さが続いている今夏を象徴するかのように連日アナウンスされる我が福岡、大宰府の猛暑日の日数であります。
 一日の最高気温が35度以上になる所謂「猛暑日」がこの夏、大宰府では60日となったそうで、今日の予想も37度に達しそうなので35-61が確定という・・・めっちゃ暑いなぁ。というかめっちゃ熱い!です。

 ここ数年、夏の間はひと月以上、いやふた月以上クーラーは点けっぱなし。
 ウォーキングは日中を避け夕方のみ。
 そして半年くらい着る物と言ったら短パンに半袖Tシャツという、亜熱帯地方の国に暮らしているようであります。

 この夏、オリンピックの中継でパリの涼しさに驚いたんですが、夕べのニュース番組でヨーロッパの水害について知るとやはり地球単位で異常気象が発生していることに改めて気付きましたね。

 子孫に残したい健康な地球。
 待ったなしです。
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「私はこのまま死んでしまいたい」 【Portrait Q -№207】

2024-09-03 | Who is・・・?
 ポートレイト問題、第207弾。





 スタークイズです。忙しくて数日遅れてしまいました(^ ^;)

 1917年6月、ニューヨーク市、ブルックリン生まれ。
 先月この方のオスカー受賞作を数十年ぶりに観ましてね。観ながらラストシーンが思い出せなくて、結果、半世紀以上前のアメリカ映画にしては辛口の結末に驚いた次第です。
 一番有名なこの作品以外にも数本観たはずですが、どれも子供の頃なので今となっては思い出せません。
 美しい赤毛がトレードマーク。
 「私はこのまま死んでしまいたい」というのは、オスカー授賞式での彼女のコメントらしいです。
 1975年3月に亡くなっています。
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●映画の紹介、感想、関連コラム、その他諸々綴っています。
●2007年10月にブログ名を「SCREEN」から「テアトル十瑠」に変えました。
●2021年8月にブログ名を「テアトル十瑠」から「テアトル十瑠 neo」に変えました。姉妹ブログ「つれづる十瑠」に綴っていた日々の雑感をこちらで継続することにしたからです。
●コメントは大歓迎。但し、記事に関係ないモノ、不適切と判断したモノは予告無しに削除させていただきます。
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◆【管理人について】  HNの十瑠(ジュール)は、あるサイトに登録したペンネーム「鈴木十瑠」の名前部分をとったもの。由来は少年時代に沢山の愛読書を提供してくれたフランスの作家「ジュール・ヴェルヌ」を捩ったものです。
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