92の扉

2015年9月で一旦休止しましたが、細々再開しようと思うので、よろしければ、扉を開いてみて下さいね!

「ソードアート・オンライン 4 フェアリィ・ダンス」

2013-01-21 | 映画・音楽・書籍等
 現実世界も、仮想世界も、本質的にはまったく同じものなのだ。人が本当は誰なのか、などと悩んでもまったく意味はない。できるのはただ、信じ、受け入れることだけだ。自分が認識する誰かが、本当のその人なのだと。そして、その人のために出来ることをしよう。言葉で足りないときは手を伸ばす、それはSAO世界で多くの人たちが身を以て俺に教えてくれたことでもある。



 アニメ「ソードアート・オンライン」の原作となるこのシリーズ。

 アインクラッド編(1・2巻)に続くフェアリィ・ダンス編の下巻にあたる4巻は、いきなりTVアニメでは割愛されていたヨツンヘイムに飛ぶので少し面食らいましたが、先に読んでいた8巻の「キャリバー」に繋がるトンキーとの出会いや聖剣エクスキャリバーとの最初の遭遇が描かれていたので、ウチ的には「なるほど」という感じでした。

 確かにアインクラッド編~フェアリィ・ダンス編を一連のストーリーと捉えられる物語ですし、アニメもそういう形でまとめられていることを思えば、アニメでは割愛されてもやむを得ない面があった(と言うか、切るならばここしか無いという感じ)とは思いますが、幾つかの重要なエピソードがアニメで登場しなかったのは惜しい気がします。例えば、アニメでも描かれた和人が直葉の背中に冷水を入れて目を覚まさせるエピソードは、実はヨツンヘイムでの出来事と対になっているとか、終盤のキリトとオベイロンの対決の際、聖剣エクスキャリバーをシステムコマンドでジェネレートすることに対するキリトの怒りについての理解が、ヨツンヘイムをアニメで割愛したことにより失われたのは残念でした。

 このヨツンヘイムでのエピソードを除けば、例えば最終盤に語られる和人が神代凜子と会った件などいくつかの小さなエピソードが省かれているとは言え、ほぼ原作に忠実なアニメ化だったように思います。

 もちろん、これまでと同様に細かな台詞の改変や順番変更等もあり、うまくチューニングされている箇所があったり、逆にアニメだけ見ていたのでは「何故?」と思ってしまう箇所について、原作にはしっかり答えがあるケースが散見されました。

 原作を読んで「なるほど」と思えた描写の例としては、明日菜の病室で直葉が自分の気持ちを悟る時の心の流れや、世界樹でのグランドクエスト挑戦(1回目)でキリトが突入した際の戦闘中の獰猛な笑みの意味、グランドクエスト挑戦(2回目)で救援に駆け付けたシルフ隊とドラグーン隊がキリトの突破を見届けた段階で撤退した理由などが挙げられるでしょうか。

 原作にも穴があって、例えば明日菜の収容されている病院の最上階が3巻では18階だったのが4巻では12階になっていたり、3巻で見ているはずのレコンについて4巻でユイが初対面のようなリアクションをしていたりするのは最たるものだと思いますが、このあたりはご愛敬ですかね。

 一方、アニメ化にあたって上手にまとめられた点や、アニメならではの演出の見事さに改めて感心した部分もありました。例えば央都アルン上空でアスナの落としたカードをキリトとユイが受け取るシーンや、そこからグランドクエストの開始点までの移動、グランドクエスト挑戦(1回目)でのキリトの敗北、そしてそこからのリーファによるキリト(リメインライト状態でしたが)の救出、アルンの北側テラスでの決闘、フリーリアからイグドラシル・シティへ向かう途中でのリーファとキリトのダンスなどが代表的なところでしょう。

 こうしてアニメ化の範囲での原作は、楽しくひと通り読み終えることが出来ました。通勤途中のブツ切りの時間でライトノベルを読むということにすっかり慣れてきたので、引き続き今後も何か読みたいところ。そのまま、アニメ化されていない続編を読み進むことにするか、同じく昨夏のアニメで惹かれた「氷菓」の原作に転進するか、ちょっと悩ましいところです。


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