「サクラは桜の季節に延期です」
『サクラ大戦』OVAのセカンドシリーズの第6話で最終回。
前回からの続きとなっており、さくらの結婚騒動に決着がつくというもの。
今作は、これまでのサクラシリーズとは明らかに一線を画した内容となっている。
というのも、サクラ大戦の肝である部分が完全に脇に置かれており、真宮寺家という一家のホームドラマとなっているからだ。
もちろん真宮寺家=サクラ大戦なのだから、真宮寺家を語るということは、サクラ大戦の中身にも踏み込むことになる。
でも、そういった特殊な設定は形而下の問題で、真に語られているのはサブタイトルにもあるとおり「女たちの新時代」。
結婚という通過儀礼を母娘三代に渡って眺め、結婚に対する時代と精神の変化を語るというものとなっている。
今の時代となっては、それなりに重たいテーマだし、またそれに対してこの作品が明確な解答を出しているとも思えない。
そして何よりも『サクラ大戦』で、やる必要があったとも思えない。
じゃあ、この作品がつまらないのかというと……純粋に『サクラ大戦』のゲーム性だけを求めるなら、つまらないと思う。
『サクラ大戦』のレギュラー陣が絡むシーンも少なかったし。
でも、『サクラ大戦』という作品は、今作のような実験的な試みも受け入れるだけの懐の深さがある作品でもある。
小説版の『サクラ大戦・前夜』も、かなり人間ドラマの方に踏み込んだ内容となっている。
また、レビューショウのように本筋とは全く関係ない、しかも声優がショウをやるという突拍子のないこともやったりする。
こういう、あらゆるものを包含してしまい、あらゆる方法で表現できてしまうのが、『サクラ大戦』の良いところなのだと思う。
今は、ゲームがゲーム単体で完結する時代ではないと思う。
それに先鞭を突きつけ、今もそれを続けているのが『サクラ大戦』なのかな、と。
なお、『サクラ大戦』のレギュラーメンバーはシーンこそ少ないが、きちんとお約束のギャグを交えながらも登場している。
『サクラ大戦 ~轟華絢爛~ 第6話「女たちの新時代」』(OVA)
監督:工藤進
出演:横山智佐、他(サクラ大戦レギュラーメンバー)
評価:7点(サクラ大戦なので+2点)
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