「近未来版東京物語ですか…」
『マトリックス』に刺激されて『攻殻機動隊』を観て、『オタク学入門』を読むようになって、そして今回、この『パトレイバー』を観るに至った。時代に逆行しているな~。
私は『パトレイバー』の原作を読んだことはない。強いて挙げれば、ファミコン版のゲームをやったことがあるぐらい。
ゆえに、変な先入観を持たずに観ることができた。
(2002年8月30日注記:その後、原作を全巻購入しました)
監督の押井守のインタビューやメイキングなどでも語られていたが、この作品は「東京」と「TOKYO」のコントラストを描いた作品だと思う。
近未来のロボットアニメのはずなのに、下町で戦ったり、下町の町並みの背景に高層ビルが並んでいたりと、徹底して「東京」と「TOKYO」が対比されている。
あいにく、私には東京への思い入れはないので、この対比の真意は伝わってこないのだが、でも古きもの(伝統や文化)に対する憧憬や、あるいは守らなくてはならないものという感情は伝わってきた。
こういう古いものと新しいものの対比といえば、小津安二郎が監督した『東京物語』が思い出される。
こちらは田舎から出てきた老夫婦が都会の町並みに圧倒されていた。だが、時代が移ろい『パトレイバー』の時代になると、東京の町そのものが新しいテクノロジーに飲み込まれて姿を消していこうとするのだから、なんとも皮肉である。
だが、この作品の優れているところは、そういった古い町並みをただ懐古するのではなく、ロボットの戦闘シーンを重ね合わせることで、絵的に格好良く見せている。このへんの演出は、さすがだなと唸らされた。
今から、原作を読みたくなってきた。そういう衝動に駆られる作品である。
たぶん、原作を読んでから、もう一度、見直したらまた評価が変わることだろう。
『機動警察パトレイバー THE MOVIE』(ビデオ)
監督:押井守
出演:富永みーな、古川登志夫、大林隆之介、榊原良子、千葉繁、他
評価:6点
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