「連邦のモビルスーツは…」
アメリカで作られた実写版のガンダム。
ガンダム誕生から20周年を記念してテレビ放映された。
ハリウッドのCG技術を駆使して作られた、というのが最大の売りだった今作。
でも、「リアル」と「エンターテイメント」は表裏一体で、リアルであれば格好いいわけでもないし、面白いわけでもない。
この辺は岡田斗司夫の著作にも詳しい。
で、このことを念頭に置いて見てみたのだが…
確かに、モビルスーツのCGは良くできていた。
でも、挙動がリアルすぎて、かえって人形が動いているような印象が強かった。
また、演出方法もアニメと比べてお粗末だったため、余計に人形っぽさが際だってしまった。
正直言って、「CGである」というウリは、CGで作られているモビルスーツ以外には何もなかったような気がする。
やっぱり、CGで描きつつも、アニメ版ガンダムに見られるような迫力や、格好良さの演出などにもっと凝ってほしかった。
それと一年戦争から数百年も後の話なのに、モビルスーツの性能が落ちているのは、どうして?
(黒歴史にでもなったんすかね?)
なお、ストーリーの方は、たいして見るべきところもなかった。
っていうか、ニュータイプも出てこなければ、主人公のライバル(ハンサム)も出てこないし、「ガンダムらしさ」が全然なかった。
また主人公が、いかにもアメリカンなヒーローとして描かれているのも笑えた。
アニメ(=富野作品)の主人公が鬱屈した性格ばかりなのに対して、こちらはノーテンキ。
とってつけたようなトラウマも、ストーリーにはほとんど絡んでこなかったし(一応、戦闘を拒む理由にはなっていたが、後半はほとんど無視されていた)。
なんだか酷評となってしまったが、やっぱり「ガンダム」の名前を背負うからには、それなりの覚悟を決めて作ってもらわないと。
別に、私はガンダマーではないけど、日本製アニメを観てきた者として、多少は辛口になってしまう。
この辺の違和感というか、日米の格差っていうのは、『ゴジラ』のときも同様だったような気がする。
『G-SAVIOUR』(テレビ)
ディレクタ:グラム・キャンベル
評価:2点
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