「こういうアニメもありなのか」
押井守が原作と脚本を勤め、『攻殻機動隊』のスタッフが製作したということで、なにかと前評判が高かった作品。
第2次世界大戦後、現実の日本とは微妙に変わった経済成長の過程を経た、いわばパラレルワールド的な日本を舞台としている。
学生運動や抗議運動が活発に行われているということから、時代的には50~60年代頃だと思われる。
でも、そういう運動家やゲリラを取り締まる公安側の装備が、現在でもあり得ないほどの重火器を備えているなど、近未来的な要素もある。
ストーリーは警官とゲリラの少女の恋物語なのだが…
作中、「赤ずきんちゃん」の挿話が繰り返し出てくるのだが、これがいったい何を意味しているのか?
ラストシーンで、ようやく明らかにされるのだが、なかなか切なくて悲しい物語となっている。
押井守ということで、どうしてもSFものを期待してしまうが、この作品ではそれを期待していたら裏切られるだろう。
基本的には恋愛物語なのだと思う。
ただ、その悲恋へと向かう過程が、私にはどうしても強引なものと写ってしまったため感動は薄かった。
「陰謀が渦巻くストーリー展開」といえば納得できるのかも知れないが、私には強引なものと写ってしまったのだ。
だから、押井守の作品の割には私の評価は低い。
『人狼』(ビデオ)
原作・脚本:押井 守
監督:沖浦啓之
出演:藤木義勝、武藤寿美、木下浩之、廣田行生、坂口芳貞、他
評価:6点
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