それはいかがなものか

　その昔。
　まだ、オレが新人だったころ、その勤めていた会社ってのは、いわゆる一つのアイテー企業だった（こういう分類って恥ずかしいな）。
　で、そのころって会社の人と飲んでいると新しいテクノロジーの話とか、そいつを使ってどうやって商売するとか、あるいは余った時間で何を作ってみようかとか、そういう話ばっかりしていた。
　ちょいと重たい話だったが、なんか学生の頃に似ているカンジがして（まあ、話の中身そのものはたいていくだらないんだが）スゴク楽しかったのを覚えている。また、わりと仕事に偏っているので、Webの日記では詳細を語らないというスタンスをとっていた。

　翻って現在。職を転々として流れ着いたわけであるが。
　なんつーか、こう、どうでもいい話ばっかりしているな。
　大昔の武勇伝（「オレが若い頃は～」に代表されるスタンダードナンバーだ）だとか、その場にいないヤツの悪口だとか、下世話な猥談だとか……。
　いや、酒の席での話なんてのは大半がくだらないものだ。
　昔の会社にいたときだって、その場で語られたことが現実になったのかと訊かれると、少なくてもオレが在籍していた当時は実現化されることはなかったし。
　実効性だけで比較すれば、そんなに大差ないだろ、多分。
　だけど、さ。
　少なくてもオレは、ヒトの悪口や大昔の武勇伝で飲みたいとは思わないんだよ。
　後ろ向きな無駄話より、前向きな無駄話をしたいんだよ、オレはね。
　あ～あ、もうちょっとおいしい酒が飲みたいわん。