当日は洞爺湖でTOYAKOマンガ・アニメフェスタがありましたが、我々の真の目的は洞爺湖周辺の西山山麓散策路でした。
洞爺湖周辺は、かつての火山による地殻変動が見られる、洞爺湖有珠山ジオパークとなっています。
ジオパークの中には、地殻変動による被害を遺構として留めている場所もあり、西山山麓の散策路もそういった遺構の一つです。
洞爺湖観光センターでここのことを訊ねると、おおよその場所と「北口駐車場から向かうと良い」と案内してもらえました。
我々は北口駐車場にクルマを停めると、そこから反対側の南口を目指しました。
駐車場から公園に向かうとソフトクリーム屋さんがあったりして、「案外、ほのぼのした公園なのね」などと思ったりしてしまいますが。
しかし、左手の方に目をやると電柱や車が水没しているのが見えます。
かつて、ここは道路でした。
地殻変動によって地盤沈下し、今では水がたまってしまったようです。
ちょっと『新世紀エヴァンゲリオン』のワンシーンを思い出してしまう、そんな光景でした。
でも、このへんは比較的整備された道路で、脇に休憩所があったりして、のどかな公園の風景だったりもします。
(この休憩所の側でキツネを見つけたんですが、残念ながら写真には撮れず)
ここから先へ進むと、舗装されていた道が階段となっており、そこを避けるように副道へ進むように促されるんですが。
実は、この道路はかつての国道跡で、地殻変動によって階段のようになっているんです。
写真だとわかりづらいかもしれませんが、舗装されていた道路が階段状になって、さらに左右にねじれている様子は圧倒されます。
ここを過ぎると、第1展望台に到着。
いまだ湯気の上がっている火口を迂回するように、山を登って第2展望台へと至ります。
このへんまで来ると完全な登山道となっており、周りは白煙が上がっていたりと、火山被害による遺構公園らしくなっていきます。
というか観光センターでは、この第2展望台まで来たら、北口へ戻るようにオススメされます。
事実、周りにいたお客さんも大半が第2展望台までで、来た道を引き返していました。
もちろん、我々はここで引き返すはずもなく(笑)。
というか展望台からも見える遺構を目指して、さらに奥へと進みました。
第2展望台からも見えた遺構が、これです。かつてはお菓子工場だったとのこと。
さすがに中には入れませんが、この遺構を見れただけでも、十分に火山の恐ろしさが実感できます。
さらに進むと、民家などの遺構も残されています。
さらに進んでいくと、いつの間にか、また舗装された道路の脇を進むようになります。
そして、見えてくるのが幼稚園の看板。ここが洞爺湖幼稚園です。
左手に折れると、幼稚園の敷地の裏から入れます。
ここは幼稚園が庭も含めて丸ごと残されているので、火山の破壊力をまざまざと感じられるようになっています。
裏から入った場合、園舎をぐるっと回ると正面入口へ出ます。
庭や建物内には、どう考えても幼稚園には相応しくない巨大な石(というか岩)が無数に転がっています。
火山の時に飛んできた火山岩だと思われますが、こんなものが直撃したらと考えるだけで恐ろしいです
そんな感じで、火山パワーの偉大さを痛感した我々。
この洞爺湖幼稚園の正面が、ちょうど西山山麓散策路の南口となっています。
……っていうことは、えーっと…クルマまで戻るには、今まで来た道をまた引き返さないといけないわけで。
進んできたときは目にする光景に圧倒され、テンション高く進んでこれたのですが。
また山道を引き返すのは、なかなかにしんどかったです(苦笑)。
片道1時間もかからないとは思いますが、北口~南口を探索するときは、帰り道のことも忘れないでおきましょう。
その後、温泉街でイベントを見物しながら休憩。
午後からは、金比羅火口災害遺構散策路へ行きました。
TOYAKOマンガ・アニメフェスタの会場となった観光情報センターからも遺構が見えるので、西山山麓散策路に比べるとかなり訪れやすい場所だと思います。
火砕流などを防ぐ砂防ダムを越えて、いざ散策路内へ。
かつての公衆浴場 やすらぎの家は熱泥流の直撃を受け、無惨な姿に。
砂防ダム側(入ってきた方角)から見ると、窓が割れてボロボロになった建物という印象だけですが。
反対側、建物の入口側に回ると、泥流によって建物が埋もれているのがハッキリとわかります。
泥流に流されてきたという木の実橋の残骸を横目に、さらに奥へ進むと桜ヶ丘団地があります。
こちらも入ってきた方角から見ると、荒れた団地というわりと平凡な印象なのですが。
裏側に回ると、熱泥流の直撃によって建物が破壊されている様子がわかります。
っていうか、正面から見ると5階建ての建物なのに、裏に回ると4階建ての建物のように見えます。
(パンフレットにも5階建てと書かれています。1階部分が埋もれているんだと思います)
そんな熱泥流の衝撃もさることながら、我々が一番驚かされたのは、最上階(写真だと4階のように見えますが、実際は5階です)から伸びている樹木。
どうして、こんな状況になってしまったんでしょうか?
火山も樹木も自然のエネルギーは途轍もないな、なんて感動していたら、水を差すように激しい雨が降ってきました。
時間もいい時間になってきていたので、こんなところで我々の今日の探索もおしまいということにしました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます