『回廊』第5号の感想もこれが最後。
各章が独立したオムニバスっぽい短編のようだが。
義理・人情な話しか理解できないオレにとっては難しい相手だった。
各章に深い関連性は見られず、それがオムニバスっぽいと思ったゆえん。
おどろおどろしくて、かつ幻想的な情景をカットインのように挿入する。
読み終わった感想としてはミュージッククリップっていうか、PV上がりの監督が撮った映画みたい。
個々の表現、各章のアイデア一つずつは幻想的で怖さもあって良い出来だったと思う。
でも、なんつうか、“悪夢”から想起されるビジュアルをパッパッと見せられてるだけってカンジで、登場する人物たちの重さというか、存在感というか訴えるものがオレには感じられなかった。
(吸血鬼や狼男で存在の確かさを語ろうとする悪魔の言葉からも軽さを感じてしまう)
たぶん、頭のいい人ならブツ切りにされた情景を読み込んで、何かを察知できるのかもしれないが、あいにくオレは頭が悪いのでさっぱりわからんかった。
もっと作中に登場する作家の業とか、因縁とか、情念とか、そういうドロドロしたものが描かれていれば、重みとか存在感とか感じられたんだろうけど……。
まあ、小説の一小節一小節にいちいち意味なんか求めるなよ、なんて言われちゃったら、それまでなんだけど。
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