”うっそぴょーん” 頭のなかで声がした
「プシュー」
エアーの抜ける音と共にカプセルのふたの部分が開いた
「Mr.アン おはようございます、ご気分はいかがですか?」
わたしは目を擦りながらぼーとする頭で考えた
「ここは?」
「しかたありません、1週間ぶりのお目覚めです…今日は西暦2083年4月1日です」
「2083年?」
少しづつ頭がさえてきた…そうだ確かストレス解消プログラム…ちょっとまてよ
「息子たちは?…どこだ?」
「Mr.アン、夢を見たんですね、いい夢でした?」
「夢?」
「Mr.アンこのプログラムは夢を見るんです、特にいい夢を、理想の夢を見ることであなたのストレスを解消させるんです、思い出せましたか?」
「嘘だ!夢なわけがない!あんなリアルな…私には2人の息子がいるんだ、そうだ長男がこの2016年4月1日に入社式があるんだ、大学を出て就職が決まったんだ!次男は4月8日に高校の入学式があるんだ!夢なわけがない」
「Mr.アン、少し薬が効きすぎたようですね、しかし心配ありません、夢は今日、普通にお休みになると忘れてしまうでしょう、明日には心身ともにスッキリと退院出来るでしょう」
「そ…そんなわけはない…」
”うっそぴょーん” 頭のなかで声がした
「お父さん!お父さん! お母さん、お父さん気がついたよ!」
わたしは目を擦りながらぼーとする頭で考えた
「ここは?」
「あなた…事故に遭って1週間こん睡状態だったのよ、わかる?」
「今は何年だ?2083年?」
「何言ってるのよ、今日は2016年4月1日!」
「息子たちは?」
「ここにいるよ!」
「2016年か…良かった…息子たちもいる…2083年が夢だったんだ、ウゥ…」
「お母さん、お父さんが泣いてるよ」
「ウゥ…泣きたいのはこっちよ、でも良かった…気がついて」
”うっそぴょーん” 頭のなかでまた声がした
「え?」
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