ガーンてすごい音した
ガーンて
目から火出た、ほんまに
後頭部、強打した
死ぬかと思った
机の下の物取ろうとして、かがむ時は気ーつけてたのに
物取ったらもうその事は忘れてんね
腹立つやろ自分に！
ガーンてすごい音した
ガーンて
目から火出たは、ほんまに
後頭部、久しぶりに強打した
こーなったら例の妄想トランクから手榴弾取り出して
机ごと吹き飛ばそかと思ったけど
前回、皆のうけが良くなかったのでやめとこ
もう１っ回 言ったろ
ガーンてすごい音した
ガーンて
目から火出たは、ほんまに
後頭部、久しぶりに強打した
腹立つはー！
はーでもこんだけ言ったらちょっとスッキリした
「テーテポッポ♪ テーテポッポ♪ ブニャーブニャー♪♪」
幼い頃にテレビアニメか何かの歌をデタラメに覚えたのが今日の選曲みたいや
この曲は２～３か月に１回の割合で来よる
朝、起きると頭の中でその日１日の選曲がＢＧＭの様に流れはじめよる
ビリージョエルの時もあればスティービーワンダーの時もある
クラッシックのボレロの曲もあれば八代亜紀の時もある
以前、朝から大雨の日に美川憲一の柳ヶ瀬ブルース「雨の降る夜は～♪」と頭の中で流れたので
「その曲は勘弁してくれー」とお願いしたけどダメやった
選曲は私の意思とは関係なく勝手に決まりよる
おそらく、大脳皮質か前頭葉が決めてんねやろう
クリスマスやねんからクリスマスソングでもよさそうなもんやけど、そんな事はおかまい無しや
１日中頭の中で流れてんね
「テーテポッポ♪ テーテポッポ♪ ブニャーブニャー♪♪」
あーイライラする
「テーテポッポ♪ テーテポッポ♪ ブニャーブニャー♪♪」
くそー
シャカパンが好きや
歩くと右足と左足がすれてシャカシャカする
軽くて安くて何より暖かいから好きや
家におる時はずっとこれはいてる
ちょっとぐらいやったら原チャリに乗っても寒くない
この前、八尾市で外人のブラックの女性の方もシャカパン履いて自転車乗ってた
あの人もシャカパン好きやねやろうな
我が家の車、スタイリングが良く私と嫁のお気に入りでよく褒め倒している
この前、私の仕事帰りと嫁の買い物帰りといっしょになり、車が駐車場に止まった
「お父さん、ちょうど良かったわ、お米持ってくれへん」
「よっしゃ」
「それにしてもカッコええな」
「俺のこと？！」
「アッハハハハハ」
「アッハハハハハって…」
何時ごろからか私は妄想するようになった
その妄想の中ではトランクを持っている
中身は古今東西のありとあらゆる武器である
今日、運転している時突然真っ黒のレクサスに割り込みされた
トラックに乗っているので割り込みは日常茶飯事であるが今日のは本当にヤバかった
鼻の穴に指を突っ込んでグリグリしていたからである
「くそー変な所についたらどうすんね」
私はそのトランクを静かに開け４４マグナムを取り出した
ちょうど信号は赤である
私はすかさず黒いレクサスのドアを開けた
「なんじゃ！ワレ！文句あんのか！」そのいかつい男が毒づく
「ドゴーン！！！」
４４マグナムを至近距離から男の腹めがけてぶっ放す
男の腹に大穴が開いた
穴を通してダッシュボードが見える
男は何がおきたか理解できずにただ自分に開いた穴を覗いている
つづいて、トランクから日本刀を取り出した
妖刀ムラマサである
「スパッ！！！」
前かがみになった男の首を一刀で切り落とした。
首はゴロンとアスファルトに転がった
又も男は何がおきたか理解できず何やら文句を言ってるつもりらしい
転がった首の目と口をパチクリさせている
胴体の切り口からは心臓の鼓動に合わせて血がピュウピュウと噴出している
今度はかぎ爪を取り出しその頭を突き刺し、道路脇の街路樹にぶら下げた
「後はカラスがきれいに掃除してくれるやろ」
私の復讐は終わった
信号は青に変わった
黒いレクサスはすごいスピードで信号を左折して行った
「恐ろしーて文句なんかよーゆわんわ」
私の心臓はノミの心臓である
ただし、毛が生えている
私はグリグリの続きを始めた
