高畠華宵 『春を待つ』
鬱病の方はまあまあ何とか落ち着いてきまして、気力も戻って来ましたが、波がある時がありますし、やたらと眠い💤時等もあります。
鏑木清方 『銀世界』
その波の影響が心や身体に影響が小さくなり、持ちこたえられるのにはもう少し時間が必要かな・・・・と思っております。でも大分強くなりました。本当に元気になって仕事に出て、普通の日常に戻りたいです。
今年の歌会始のお題は『窓』でした。
上村松園 『美人詠歌図』
新春のめでたい歌会の始の儀式ですが、
最近はことに、鬼子母神化しておられる皇嗣妃殿下は父君の喪中で、ご欠席でした。妃殿下のお心を救い導くのは、只一人
高松宮喜久子妃筆 『光明皇后』
お釈迦様だけではないでしょうか?
鏑木清方 『名月』
注目の的の敬宮殿下は試験の為に残念ながらご欠席。
紺谷光俊 『桜狩り』
当たり前ですが、この数年話題をさらった眞子夫人も、もう出られることもなく・・・・・。
鏑木清方 『若き人々』
今年こそはご出席になられるかと、思われていた三笠宮遥子女王殿下もご欠席されましたから、少し物足りない歌会始となりました。
水野年方 『雨の夕』
しかし、シロガネが心に残った歌を幾つか紹介します。
新潟県の高校生の歌
『窓の外 見たって答えは わからない 少し心が自由になれる』
(テスト中に答えが分からず、窓の外を見たら、追い詰められた心が少し楽になった)
この数日前に東大での事件がありましたから、余計に心に残ったのでしょうが、テストでも何でも、思い悩む事の多い年頃です。しかし心の自由は決して見失ってはならないと思います。事件を起こした少年もやらかした事の責任は取らなくてはなりません。しかし、先は長いです。もう一度、罪を償い、立ち直って欲しいです。
何より被害に合われた、3人の方々の1日でも早い心身の回復を祈っております。
茨城県の男性の歌
茨城県の男性の歌
『ベランダに 鯉幟ゆれる 窓を指し 君は津波の 高さ教へる』
(震災の数年後に被災地を訪ね、鯉幟を見たら、親子が、津波の高さはあの鯉幟位だったと聞いて、被災していない自分と被災された人の物事の見方に衝撃を受けた)
最初この歌を見たときに、この方は被災されたのかなと思っておりましたが、震災の時に海外に出てらして、被災した人と被災していない自分との認識の差に愕然となった出来事を詠まれました。
丁度トンガで火山が爆発して、日本まで津波が来ると、警報が出されたのは、先週の土曜日でした。車で列を成して高台に避難する様子をテレビで見ておりましたので、津波からの脅威は地震だけでない、いつ来ても可笑しくない、事なんだなと、シロガネも強く思いました。
辻ヶ花の訪問着に菊菱文様の帯という見事な装い
アナウンサー
「・・・・さりげない日常を歌を詠むことに喜びを感じて来ました。今回の作品は、穏やかで優しかった今は亡き夫との日々が詠まれています」
「愛煙家だった夫は夏も冬も、煙草を吸っては『暑い暑い』と言いながら、部屋に戻って来ました。当時はそれなら、煙草を止めれば、良いのにと、思っていました。今となってはその時のやり取りが懐かしく思い出されます」
「共に過ごした記憶を胸に10年。最近になってようやく、一人の生活を味わえるように、なった事を夫に報告するような気持ちで詠みました」
背筋を伸ばされてお見事な姿です。
歌人の今野寿美氏
アナウンサー
「・・・・福島を撮ったある1枚の写真。避難指示によって使われなくなった校舎の窓の下に、美しく咲く、パンジーを見付けました。何故?花があるのか、写真を撮ったカメラマンにたずねると、一言言いました」
「『町の人が植えたんですよ』子供達が居なくなり、あの日から時間が止まったように思えても、学校に寄せる人々の思いは、変わらない。この時、胸に迫った情景を歌にすることが、歌人としてせめて出来ることではないか、そんな思いで詠みました」
歌会始のような大きな儀式の時には女性皇族方のお召しになられる衣装は注目の的です。
菊池華秋 『よそほい』(アンティーク絵葉書)
菊池華秋 『よそほい』(アンティーク絵葉書)
織田観潮(おだ・かんちょう)『かぐや姫』
三笠宮信子妃殿下
『成人を 姫宮むかへ 通学に かよふ車窓の 姿まぶしむ』
三笠宮彬子女王殿下
『蛍光灯 映る窓辺に 思ひたす 大正帝の 蛍雪の苦を』
高円宮久子妃殿下
『車窓より 眺むる能登の 広き海 よせくる波は 雪降らしめつ』
高円宮承子女王殿下
『コロナうずに 換気を求め 閉ぢぬまど エアコンながめ しばし案ずる』
・・・・お美しい承子女王殿下
・・・・お美しい承子女王殿下
今年の皇族代表は佳子内親王殿下でした。
織田観潮 『かぐや姫』
かぐや姫のような美しさ。
佳子内親王殿下
『窓開ければ 金木犀の 風が入り 甘き香りに 心がはずむ』
アナウンサー
「佳子様は、秋のある日に部屋の窓を開けられると、金木犀の香りが風に乗って漂って来ました。甘い香りに触れて嬉しい気持ちになったことを歌に詠まれました」
高畠華宵 『落ち葉』
既に伝わっていますが、金木犀というのは、意味深です。
既に伝わっていますが、金木犀というのは、意味深です。
「まぁ☀️」というような顔の久子妃殿下
アナウンサー
「続いて、秋篠宮様のお歌です」
園池氏
「日嗣(ひつぎ)の皇子」
「日嗣(ひつぎ)の皇子」
秋篠宮皇嗣殿下
窓越しに 子ら駆け回る 姿を見 心和みて くるを確かむ
蕗谷虹児 『盆おどり』
アナウンサー
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの学校で遠隔授業や分散当校が行われていた時期がありました。又部活動も思うに行われない時期もありました。秋篠宮様は、毎年講義を行われている大学の建物から、学校の児童・生徒が、校庭で元気に過ごしている姿を目にし、こうした時期のことを思い起こしながら、ひとときの安心感を覚え、歌を詠まれました」
后の宮(きさいのみや・皇后陛下)の御歌(みうた)
御歌
『新しき 住まいとなれる 吹上の 窓から望む 大樹のみどり』
アナウンサー
「天皇御一家はそれまで長く暮らしていた、赤坂御所から上皇ご夫妻が一昨年迄暮らされていた、吹上御所に移られました。この歌は、上皇ご夫妻への感謝の気持ちを新たにしながら、大きな木々の緑深い、眺めを詠まれたものです」
ちょと窮屈そうな皇后様
ニコニコ顔の皇后陛下
大御歌(おおみうた)
御製
『世界との 往き来難(がた)かる 世はつづき 窓を開く日を 偏(ひとへ)に願ふ』
アナウンサー
「天皇陛下は去年に引き続き、新型コロナウイルスの感染終息を願う、歌を詠まれました。去年は人々の願いと、この試練を乗り越えようとする、努力が願が実を結び、感染症が終息してゆく願いを、歌に詠まれました」
「今年は、このコロナ化が、終息したその先に、今は大きく落ち込んでいる、世界と人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願う気持ちを歌に詠まれました」
笠松紫浪(かさまつ・しろう)『一寸法師』
天皇御一家は絵に描いたような華やかさです。まさに極楽浄土のような世界・・・・。しかし一方で・・・・
松本一洋 『秋の夜長物語』
火焔地獄の如く業火に燃やさされているのは、皇嗣家。なんという対比でしょう。
近藤紫雲(こんどう・しうん)『牛若丸』
よくもよくもあれだけの言葉を並べて、売り上げを伸ばそうとしているものかと、あきれ果てますし、心底可哀想で仕方が有りません。傾きかけた出版社(週刊紙部)の断末魔の声と言うべきでしょうか?
タイトルを見るだけで、気分が悪くなります。しかし負けられません。でもそれらタイトルと内容を真っ白な雪の中に春まで埋めてしまいたい。
小早川清 『雪』
そして、春になったら掘り返して、売るなりなんなりすれば良い。それにどれ程の価値があるのか、ないでしょう。淡雪の如く消えゆく言葉でも、十分な凶器なのです。
近藤紫雲 『牛若丸』
一部でしょうが、進学という大事な時期に、下らないことを、わめき散らして、炎上させるのが、昨今の流行りのようです。そんなものと、日々闘うのは、想像に絶することです。しかし名帝には、試練が付きものです。この闘いに勝ち抜き、ご成人された時に、善き歌をお聞かせください。
伊藤小波 『御室の桜』