一体、華宵氏はどれだけの着物を描き続けたのだろうか・・・・とシロガネは華宵氏の挿し絵そして、日本画等を見るたび、新しく、見つけるたびに、そう、思います。
当時の挿し絵画家でも群を抜いて、着物を帯を帯揚げ等を細かく書き込んでいたとの事です。着物に対しての思いは、先生の描いた数多くの絵を見ますと、ひしひしと感じます。
年数が経った画集からの写しましたのもありまして、一部加工したのも一緒に載せました。
「男はつまらないよ。着られる色は限られているもの。私も女の人のようにさまざまな色と模様のきものが着てみたいものです」
・・・・・・そう華宵氏は知人の方に幾度も言われたと云うことです。華宵氏は本当に着物が好きで、いろいろと模様から帯や帯揚げ、羽織等の色あわせがを楽しく考えながら、描いたのでしょう。着物の模様は同じでも地色やその模様の色の組み合わせで見る側の印象は随分違って見えます。
シロガネは日々、着物になる反物、もちろん絹ですが、毎日手で触れておりますので、華宵氏の描いた着物の線からは、絹の柔らかい質感や光沢まで伝わって伝わってくると感じています。素晴らしいの一言です。
『薫る花』