秋になって木の葉を風が揺すると、その風の冷たさに暑かった夏はもはや夢のようです。夕暮れにどこかの家でシチューを作る匂いがすると温かな気持ちにもなります。やがて少し肌寒い静かな夜が、人の魂の深いところを神様へと導く時、大切なものは静けさの中にあることを知り、静かな夜と祈りがどれほど自分にとって重要かがわかるのです。騒がしかった夏のひと時は急ぎ足で過ぎ去って、追い求めていた華美で騒がしく大げさな重要だと思っていたことは、なんだかとても遠くにあって不思議に思えたりもするのです。「満たされたい」という願いは、私たちがつい追い求めてしまう喧騒の中にではなく、当たり前としか思っていなかったごくささやかな静けさの中にあることを、秋はそれをゆっくりと私たちに教えてくれているようです。秋の夜長、静かな夜に祈る、神とあなただけの時間は、孤独だと思っていた時間を、この世で決して得られない安らぎの時へと、変えてくれるものだったのです。
本文内容と下記広告は関係ありません。