2009年3月11日。一人旅14日目、今回の旅のハイライトであるチャンピオンズリーグ決勝トーナメント、ローマ vs アーセナル観戦の日の話。
夜7時過ぎにローマ、テルミニ駅から乗ったバスは大渋滞に巻き込まれつつ、1時間ほどかけてオリンピコ近くに到着。大勢の人々と共に、いざ、スタンドへ!
↑ チャンピオンズリーグ仕様のローマオリンピコ
大行列ができている入場ゲートに並び、チケットを機械に通して無事ゲート通過。人が多すぎるのか、リーグ戦のときに要求されたパスポートのチェックなどはなかった。さあ、スタンドへ!
スタンドへの門をくぐると、場内はすでにものすごい人の数!4日前のリーグ戦のときと景色が違う!人は多いけれど、観客はまだ静か。まさに嵐の前の静けさといった感じ。
↑ スタンドに入るとすでにものすごい人の数
チケットの番号を見ながらうろうろして、なんとか自分の席を発見。周りの観客はなぜか席に座らず立っていて、僕も棒立ちになりながらピッチ上の練習をしばし眺めた。「いい試合になってくれよー!」
キックオフ15分ほど前になると、いよいよメンバー発表!まずはアーセナルから。
電光掲示板にアーセナルのスタメンが表示されると、場内は指笛によるものすごい大ブーイングに!「これが本場か・・・。」 と独特の雰囲気に思わずにんまり。ファンペルシー、セスク、ウォルコット、ナスリ、ギャラス、アルムニア・・・知っている名前ばかりだなあ。
アーセナルのスタメン発表が終わると、次は「オオオォォォ~!!」という大歓声と共にローマのスタメン発表!興奮しすぎたファンを制止するためか、場内に爆竹のような「ドンッッ!!」という音が突然鳴り響いてびっくりした。そして・・・
↑ スタメン発表中のローマサポーター
DJ「ダビド」
約8万人「ピサーロ!!」 僕「ぴさーろ!」
DJ「ミルコ」
約8万人「ヴチニッチ!!」
・・・
次々とメンバーが発表されていった。これは鳥肌モノ!
そして10人の名前が呼び上げられた後、ちょっと間があって、
DJ「フランチェスコ~」
約8万人「トッティー!!」
トッティは特別扱いなんだね。
そして、DJの「ローマ、ローマ、ローマ」の声と共に、「あの曲」が流れ始めた。
____________________________________________________________________
・説明!あの曲とは
ヨーロッパのクラブチームの多くには「チームの歌(アンセム)」があって、キックオフ直前にみんなでアンセムを歌って盛り上がります。ローマには “ROMA ROMA ROMA” という歌(まんま・・・)があって、イタリア語で意味はよくわからないけれど歌詞を暗記して、満員のオリンピコのファンと共に歌うのをすごく楽しみにしていました。
AS Roma Song!
↑ こんな感じ。
※歌詞の日本語訳
ローマ ローマ ローマ
この街の心よ
多くの人々を恋焦がれさせる唯一の偉大なる愛よ
ローマ ローマ ローマ
歌わせてくれ、この声から十万の大合唱が生まれるのだ
我々を恋に落とさせて
ローマ 美しきローマ
私がおまえを染めたのだ、太陽のように黄色く、私の心のように赤く
ローマ 私のローマ
惑わされるな、おまえは生まれながらにして偉大であり、偉大であり続けるのだ
ローマ ローマ ローマ
この街の心よ
私を恋に落とした多くの人々の唯一の偉大なる愛よ
____________________________________________________________________
メロディーに反応して、みんなスカーフを広げ始め、“ROMA ROMA ROMA!!”を大合唱!
↑ “ROMA ROMA ROMA”を大合唱!
スタンド一周がオレンジ色のマフラーで埋め尽くされた中、大声で叫んだ、
“ROMA ROMA ROMA !!”
はほんとに忘れられない最高の思い出だなあ。
そして場内にチャンピオンズリーグのテーマ曲が鳴り響き、ローマとアーセナルの旗を掲げた子どもたちと共に選手入場。
↑ 選手入場!
そして、いよいよキックオフ!待ちに待ったローマ vs アーセナルが始まった。
↑ キックオフ!
試合が始まると、ゴール裏のローマサポーターの応援がものすごいことになっていった。Jリーグのサポーターの間でもおなじみのチャント、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」(フォルツァ=がんばれ)
は大迫力で、ひたすた感動。
AS ROMA - REAL MADRID 19.II.08 2-1
↑ このチャント
チャンピオンズリーグの決勝トーナメントは、ホーム&アウェイの2試合が行われ、その合計で勝敗が決まる。既にアーセナルのホーム、ロンドンで行われた1試合目はアーセナルが1-0でローマに勝ち、ローマはこの試合で2点以上取らないと次に進めないという劣勢の状況であった。
なので、アーセナルがボールをキープするだけでスタンドからは耳が痛くなるような大ブーイング!ファンもこの大一番は本気や。
↑ 試合中の1コマ① フリーキックのチャンス
そして迎えた前半開始早々9分。
ローマが左サイドから攻め込み、低いクロスを中央にいたローマの選手がスルー。すると、ボールはDFファンの足元へ。キーパーと1対1!ファンは冷静にゴールに蹴りこみ、ローマ先制!
“Yeeeeeeeeah !!!!”(イエエエエェェェェェ!!!!)
↑ “Yeeeeeeeeah !!!!”
ゴールが決まる瞬間、「うおおおおおぉぉぉ!!」と思わず座席から飛び上がった瞬間は忘れられない!
周りの観客もみんな飛び上がり、選手たちが目の前にやってきて喜び合った。前の席の興奮しすぎたおじさんが僕の頭をバンバン叩き出し笑、みんな、大興奮で最高の瞬間だった。
↑ 一通り喜んでピッチに戻る選手たち
これで2試合合計1-1の同点で試合再開。おもしろくなってきた!
得点後も試合はローマ優勢。4日目前のリーグ戦と同様、ローマはパスミスが多い。観客から「オイ!!」と怒号が飛ぶような。それでも、ロングパス一本でサイドから攻め込み、何回もチャンスを作り出していた。
惜しいシュートが立て続けに何本も続いたシーンは興奮した!くやしかった!シュートが防がれる度、周りの観客と共に
“Oh!!!”「あああ~!」。
↑ 試合中の1コマ② 右サイドから攻め込むローマ
アーセナルは得意のパスサッカーを展開するも、ゴール前ではフィジカルに勝るローマ守備陣がことごとくチャンスをつぶし、アーセナルがシュートで終わるシーンは少なかった。
それでも前半半ば、アーセナルが上げたクロスが誰かの頭に合ってどんぴしゃのヘディングシュート!!しかし、シュートは運良くローマのキーパー、ドニの正面。「あぶね~。」
アウェイゴールのルールの関係で、アーセナルに1点取られてしまうとローマはさらに2点取らないと勝てない状況に陥るだけに、アーセナルのシュートシーンには毎回ひやひやさせられた。
↑ 試合中の1コマ③ ローマのカウンター。たぶん。
前半は1-0のまま終了。「よしよし。」場内はスタンドからの拍手に包まれ、ハーフタイムへ。
ハーフタイムでは、同時刻に行われている他会場の途中経過が大型ビジョンに映し出された。インテルがマンチェスターユナイテッドに先制されるシーンが映し出されると、スタジアムのローマサポーターは “Yeeah !” と嫌みったらしく喜んでいた笑。みんなインテル嫌いなんだな。
↑ 他会場の途中経過
そして、いよいよ勝負の後半キックオフ!!今度はアーセナルがこちら側に向かって攻めてくる。攻めてくる度、クロスが上がる度にひやひや。
↑ 試合中の1コマ④ アーセナルのフリーキック
後半半ば、ローマに決定機が到来。右サイドから攻め込み、グラウンダーのクロスはFWバティスタの足元へ!しかし、バティスタはうまく合わせられずシュートは枠外、ゴールならず。「あああ・・・。」 これは決定機に見えた。周りの観客も 「バティスタ~・・・」 と頭を抱えていた。
その後、ローマパスミス→アーセナルチャンス→ローマパスミス→アーセナルチャンス→ローマパスミス・・・が繰り返され、「やばい、そろそろやられるんじゃないか。」と覚悟してしまうシーンが続いた。アーセナルがクロスを上げたときは、思わず「守れーー!!」と日本語。
↑ 試合中の1コマ⑤ 攻めてくるアーセナル
苦しい時間帯が続いたとき、ゴール裏からの懸命な、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが、バックスタンドやメインスタンドの観客、そして反対側のゴール裏の観客へと伝わって行き、スタジアム全体が、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントに包まれた。ものすごい雰囲気。これは、まさに鳥肌モノ。
↑ 必死の応援を繰り広げるローマサポーター
ローマで特に活躍が目立ったのは、ダビド・ピサロ。ドリブルでサイドから突破するシーンが多く見られたし、守備でも貢献していた。それでも、ローマは勝ち越し点を上げられず、試合は終盤へ。
↑ 試合中の1コマ⑥ 攻め込まれるローマ
そして、1-0のまま90分が終了。2試合合計1-1となり、延長戦へ。「まさか延長戦になるとは思っていなかったなあ。」
↑ 1-0のまま90分が終了
つかの間の休息後、延長戦がスタート。延長戦に入るとさすがに両者に疲れが見え始め、パスミスが多くなってきた。延長前半はどちらともなかなか決定機を作ることができず、あっさり15分が終了。
↑ 延長後半へ。
延長後半は再びローマがこちら側に向かって攻めてくる。「目の前で劇的決勝ゴールを!!」と期待!
が、決定機が訪れたのは反対側のゴールに向かって攻めるアーセナルの方だった。アーセナルが右サイドから攻め込み、強烈なミドルシュートが炸裂!しかし、これまたキーパードニの正面。この場面はほんとにひやっとした。決まるかと思った。
結局、延長後半もローマは決定機を作ることができず120分が終了。勝負はPK戦へ。
コイントスの結果、反対側のゴールでPK戦が行われることになった。アーセナルサポーター側。これはローマ不利?
PK戦が始まると場内は総立ち。先手はアーセナル。アーセナルの選手がボールを持ってペナルティエリアに向かって歩き出すと、スタジアムはローマサポーターによる指笛のものすごい大ブーイングに!!そして、どこからともなく、
「ドニ!ドニ!ドニ!・・・」
とローマのキーパー、ドニのコールも始まった。「どに~!!」
↑ PK戦が始まる
アーセナルの1本目は成功。場内の大ブーイングはゴールの瞬間、静寂に変わった。そして、スタジアムの一角に集うアーセナルサポーターの “Yeeeeah!!” が聞こえてきた。
次はローマの番。ローマの選手がペナルティエリアに向かって歩き出すと、ものすごい迫力の、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが始まった。すんごい雰囲気。「決めろ~~!!」
けれど、ローマの選手が蹴るときはチャントが収まり、場内が静寂に包まれた。なるほど、選手が集中できる雰囲気を作り出すわけか。
ローマの1本目は成功。
“Yeeeeah!!”
そして迎えたアーセナルの2本目。大ブーイングと「ドニ!ドニ!」コールが鳴り響く中、ドニが止めた!アーセナル2本目失敗!
“Yeeeeah!!”
ローマが先制点を挙げたときに僕の頭をはたいた前の席のおじさんが、また僕の頭をはたき始めた笑!
しかし・・・有利にPK戦を進めるかに思えたローマだったが、2本目をヴチニッチが失敗!ヴチニッチのシュートは力なくアーセナルのキーパー、アルムニアの足に当たってはじかれた。「むむむ・・・。」みんな落胆。
その後は両者確実に決めていった。トッティが蹴る瞬間はなんとなく嫌な予感がしたけれど、なんなく決めて大きくガッツポーズ!5人終わって4-4の同点。勝負はサドンデスへ。「死闘や。」
↑ PK戦はつづく・・・
そして7-8で迎えたローマの8人目。8万人の観衆が見つめたトネットのシュートは、ゴールバーのはるか上を超えていった。「あ・・・。」
↑ チャンピオンズリーグ準々決勝進出が決まり、歓喜のアーセナルサポーター
敗戦が決まった後はみんな呆然と立ち尽くすだけ。騒ぎまくるアーセナルサポーターをじっと見つめた。「終わっちゃった・・・。」
けれど、すぐに場内は大きな拍手。「よくやった!」 僕も大きな拍手。観客の拍手に応える選手もいれば、その場でうずくまってしまう選手もいた。そして、最後の、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが鳴り響いて、ローマ vs アーセナルが終わった。
↑ ゴール裏にあいさつにいく選手たち。すばらしい試合をありがとう!
さて、帰るか・・・。8万人が一斉に帰るから、道路は当然大混雑。スリに注意しなければ!
↑ バイクと人だらけ。
大混雑の中、なんとかテルミニ駅方面へ向かうバスに乗り込み、また大渋滞に巻き込まれつつ、夜中12時過ぎにホテルに無事到着。まだまだ興奮が冷めあがらない中、メモ帳に今日の感動を書きなぐり、翌日の帰国の準備をして寝た。
(14日目後半終了)
「ヨーロッパ・フットボール三昧の旅」(2009年2月26日~3月12日)
1日目 : 「いざ、ロンドンへ!」
2日目 : 「まずはロンドン観光!」
3日目前 : 「大英博物館見学してからスタンフォードブリッジへ」
3日目後 : 「チェルシー vs ウィガン観戦!」
4日目 : 「ウエストハム・ユナイテッド vs マンチェスター・シティ観戦!」
5日目 : 「ひたすらロンドン観光!」
6日目前 : 「ビートルズストーリー」
6日目後 : 「リバプール vs サンダーランド観戦!」
7日目前 : 「マシューストリートとポートベリーマーケット」
7日目後 : 「トットナム vs ミドルスブラ観戦!」
8日目 : 「スタンフォードブリッジとロンドン塔」
9日目 : 「旅も後半、ロンドンからローマへ」
10日目 : 「ローマ街歩きとローマ vs ウディネーゼ観戦」
11日目 : 「ナポリ戦見られず・・・夕方のナポリ散歩と絶品ピザ」
12日目 : 「ポンペイとスパッカ・ナポリとナポリの夜景」
13日目 : 「カプリ島とアマルフィ海岸とポジターノ」
14日目前 : 「ローマ最後の観光とお土産探し、そしてオリンピコへ出発!」
14日目後 : 「ローマ vs アーセナル観戦!」
15日目 : 「ついに迎えてしまった帰国の日」
夜7時過ぎにローマ、テルミニ駅から乗ったバスは大渋滞に巻き込まれつつ、1時間ほどかけてオリンピコ近くに到着。大勢の人々と共に、いざ、スタンドへ!
↑ チャンピオンズリーグ仕様のローマオリンピコ
大行列ができている入場ゲートに並び、チケットを機械に通して無事ゲート通過。人が多すぎるのか、リーグ戦のときに要求されたパスポートのチェックなどはなかった。さあ、スタンドへ!
スタンドへの門をくぐると、場内はすでにものすごい人の数!4日前のリーグ戦のときと景色が違う!人は多いけれど、観客はまだ静か。まさに嵐の前の静けさといった感じ。
↑ スタンドに入るとすでにものすごい人の数
チケットの番号を見ながらうろうろして、なんとか自分の席を発見。周りの観客はなぜか席に座らず立っていて、僕も棒立ちになりながらピッチ上の練習をしばし眺めた。「いい試合になってくれよー!」
キックオフ15分ほど前になると、いよいよメンバー発表!まずはアーセナルから。
電光掲示板にアーセナルのスタメンが表示されると、場内は指笛によるものすごい大ブーイングに!「これが本場か・・・。」 と独特の雰囲気に思わずにんまり。ファンペルシー、セスク、ウォルコット、ナスリ、ギャラス、アルムニア・・・知っている名前ばかりだなあ。
アーセナルのスタメン発表が終わると、次は「オオオォォォ~!!」という大歓声と共にローマのスタメン発表!興奮しすぎたファンを制止するためか、場内に爆竹のような「ドンッッ!!」という音が突然鳴り響いてびっくりした。そして・・・
↑ スタメン発表中のローマサポーター
DJ「ダビド」
約8万人「ピサーロ!!」 僕「ぴさーろ!」
DJ「ミルコ」
約8万人「ヴチニッチ!!」
・・・
次々とメンバーが発表されていった。これは鳥肌モノ!
そして10人の名前が呼び上げられた後、ちょっと間があって、
DJ「フランチェスコ~」
約8万人「トッティー!!」
トッティは特別扱いなんだね。
そして、DJの「ローマ、ローマ、ローマ」の声と共に、「あの曲」が流れ始めた。
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・説明!あの曲とは
ヨーロッパのクラブチームの多くには「チームの歌(アンセム)」があって、キックオフ直前にみんなでアンセムを歌って盛り上がります。ローマには “ROMA ROMA ROMA” という歌(まんま・・・)があって、イタリア語で意味はよくわからないけれど歌詞を暗記して、満員のオリンピコのファンと共に歌うのをすごく楽しみにしていました。
AS Roma Song!
↑ こんな感じ。
※歌詞の日本語訳
ローマ ローマ ローマ
この街の心よ
多くの人々を恋焦がれさせる唯一の偉大なる愛よ
ローマ ローマ ローマ
歌わせてくれ、この声から十万の大合唱が生まれるのだ
我々を恋に落とさせて
ローマ 美しきローマ
私がおまえを染めたのだ、太陽のように黄色く、私の心のように赤く
ローマ 私のローマ
惑わされるな、おまえは生まれながらにして偉大であり、偉大であり続けるのだ
ローマ ローマ ローマ
この街の心よ
私を恋に落とした多くの人々の唯一の偉大なる愛よ
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メロディーに反応して、みんなスカーフを広げ始め、“ROMA ROMA ROMA!!”を大合唱!
↑ “ROMA ROMA ROMA”を大合唱!
スタンド一周がオレンジ色のマフラーで埋め尽くされた中、大声で叫んだ、
“ROMA ROMA ROMA !!”
はほんとに忘れられない最高の思い出だなあ。
そして場内にチャンピオンズリーグのテーマ曲が鳴り響き、ローマとアーセナルの旗を掲げた子どもたちと共に選手入場。
↑ 選手入場!
そして、いよいよキックオフ!待ちに待ったローマ vs アーセナルが始まった。
↑ キックオフ!
試合が始まると、ゴール裏のローマサポーターの応援がものすごいことになっていった。Jリーグのサポーターの間でもおなじみのチャント、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」(フォルツァ=がんばれ)
は大迫力で、ひたすた感動。
AS ROMA - REAL MADRID 19.II.08 2-1
↑ このチャント
チャンピオンズリーグの決勝トーナメントは、ホーム&アウェイの2試合が行われ、その合計で勝敗が決まる。既にアーセナルのホーム、ロンドンで行われた1試合目はアーセナルが1-0でローマに勝ち、ローマはこの試合で2点以上取らないと次に進めないという劣勢の状況であった。
なので、アーセナルがボールをキープするだけでスタンドからは耳が痛くなるような大ブーイング!ファンもこの大一番は本気や。
↑ 試合中の1コマ① フリーキックのチャンス
そして迎えた前半開始早々9分。
ローマが左サイドから攻め込み、低いクロスを中央にいたローマの選手がスルー。すると、ボールはDFファンの足元へ。キーパーと1対1!ファンは冷静にゴールに蹴りこみ、ローマ先制!
“Yeeeeeeeeah !!!!”(イエエエエェェェェェ!!!!)
↑ “Yeeeeeeeeah !!!!”
ゴールが決まる瞬間、「うおおおおおぉぉぉ!!」と思わず座席から飛び上がった瞬間は忘れられない!
周りの観客もみんな飛び上がり、選手たちが目の前にやってきて喜び合った。前の席の興奮しすぎたおじさんが僕の頭をバンバン叩き出し笑、みんな、大興奮で最高の瞬間だった。
↑ 一通り喜んでピッチに戻る選手たち
これで2試合合計1-1の同点で試合再開。おもしろくなってきた!
得点後も試合はローマ優勢。4日目前のリーグ戦と同様、ローマはパスミスが多い。観客から「オイ!!」と怒号が飛ぶような。それでも、ロングパス一本でサイドから攻め込み、何回もチャンスを作り出していた。
惜しいシュートが立て続けに何本も続いたシーンは興奮した!くやしかった!シュートが防がれる度、周りの観客と共に
“Oh!!!”「あああ~!」。
↑ 試合中の1コマ② 右サイドから攻め込むローマ
アーセナルは得意のパスサッカーを展開するも、ゴール前ではフィジカルに勝るローマ守備陣がことごとくチャンスをつぶし、アーセナルがシュートで終わるシーンは少なかった。
それでも前半半ば、アーセナルが上げたクロスが誰かの頭に合ってどんぴしゃのヘディングシュート!!しかし、シュートは運良くローマのキーパー、ドニの正面。「あぶね~。」
アウェイゴールのルールの関係で、アーセナルに1点取られてしまうとローマはさらに2点取らないと勝てない状況に陥るだけに、アーセナルのシュートシーンには毎回ひやひやさせられた。
↑ 試合中の1コマ③ ローマのカウンター。たぶん。
前半は1-0のまま終了。「よしよし。」場内はスタンドからの拍手に包まれ、ハーフタイムへ。
ハーフタイムでは、同時刻に行われている他会場の途中経過が大型ビジョンに映し出された。インテルがマンチェスターユナイテッドに先制されるシーンが映し出されると、スタジアムのローマサポーターは “Yeeah !” と嫌みったらしく喜んでいた笑。みんなインテル嫌いなんだな。
↑ 他会場の途中経過
そして、いよいよ勝負の後半キックオフ!!今度はアーセナルがこちら側に向かって攻めてくる。攻めてくる度、クロスが上がる度にひやひや。
↑ 試合中の1コマ④ アーセナルのフリーキック
後半半ば、ローマに決定機が到来。右サイドから攻め込み、グラウンダーのクロスはFWバティスタの足元へ!しかし、バティスタはうまく合わせられずシュートは枠外、ゴールならず。「あああ・・・。」 これは決定機に見えた。周りの観客も 「バティスタ~・・・」 と頭を抱えていた。
その後、ローマパスミス→アーセナルチャンス→ローマパスミス→アーセナルチャンス→ローマパスミス・・・が繰り返され、「やばい、そろそろやられるんじゃないか。」と覚悟してしまうシーンが続いた。アーセナルがクロスを上げたときは、思わず「守れーー!!」と日本語。
↑ 試合中の1コマ⑤ 攻めてくるアーセナル
苦しい時間帯が続いたとき、ゴール裏からの懸命な、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが、バックスタンドやメインスタンドの観客、そして反対側のゴール裏の観客へと伝わって行き、スタジアム全体が、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントに包まれた。ものすごい雰囲気。これは、まさに鳥肌モノ。
↑ 必死の応援を繰り広げるローマサポーター
ローマで特に活躍が目立ったのは、ダビド・ピサロ。ドリブルでサイドから突破するシーンが多く見られたし、守備でも貢献していた。それでも、ローマは勝ち越し点を上げられず、試合は終盤へ。
↑ 試合中の1コマ⑥ 攻め込まれるローマ
そして、1-0のまま90分が終了。2試合合計1-1となり、延長戦へ。「まさか延長戦になるとは思っていなかったなあ。」
↑ 1-0のまま90分が終了
つかの間の休息後、延長戦がスタート。延長戦に入るとさすがに両者に疲れが見え始め、パスミスが多くなってきた。延長前半はどちらともなかなか決定機を作ることができず、あっさり15分が終了。
↑ 延長後半へ。
延長後半は再びローマがこちら側に向かって攻めてくる。「目の前で劇的決勝ゴールを!!」と期待!
が、決定機が訪れたのは反対側のゴールに向かって攻めるアーセナルの方だった。アーセナルが右サイドから攻め込み、強烈なミドルシュートが炸裂!しかし、これまたキーパードニの正面。この場面はほんとにひやっとした。決まるかと思った。
結局、延長後半もローマは決定機を作ることができず120分が終了。勝負はPK戦へ。
コイントスの結果、反対側のゴールでPK戦が行われることになった。アーセナルサポーター側。これはローマ不利?
PK戦が始まると場内は総立ち。先手はアーセナル。アーセナルの選手がボールを持ってペナルティエリアに向かって歩き出すと、スタジアムはローマサポーターによる指笛のものすごい大ブーイングに!!そして、どこからともなく、
「ドニ!ドニ!ドニ!・・・」
とローマのキーパー、ドニのコールも始まった。「どに~!!」
↑ PK戦が始まる
アーセナルの1本目は成功。場内の大ブーイングはゴールの瞬間、静寂に変わった。そして、スタジアムの一角に集うアーセナルサポーターの “Yeeeeah!!” が聞こえてきた。
次はローマの番。ローマの選手がペナルティエリアに向かって歩き出すと、ものすごい迫力の、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが始まった。すんごい雰囲気。「決めろ~~!!」
けれど、ローマの選手が蹴るときはチャントが収まり、場内が静寂に包まれた。なるほど、選手が集中できる雰囲気を作り出すわけか。
ローマの1本目は成功。
“Yeeeeah!!”
そして迎えたアーセナルの2本目。大ブーイングと「ドニ!ドニ!」コールが鳴り響く中、ドニが止めた!アーセナル2本目失敗!
“Yeeeeah!!”
ローマが先制点を挙げたときに僕の頭をはたいた前の席のおじさんが、また僕の頭をはたき始めた笑!
しかし・・・有利にPK戦を進めるかに思えたローマだったが、2本目をヴチニッチが失敗!ヴチニッチのシュートは力なくアーセナルのキーパー、アルムニアの足に当たってはじかれた。「むむむ・・・。」みんな落胆。
その後は両者確実に決めていった。トッティが蹴る瞬間はなんとなく嫌な予感がしたけれど、なんなく決めて大きくガッツポーズ!5人終わって4-4の同点。勝負はサドンデスへ。「死闘や。」
↑ PK戦はつづく・・・
そして7-8で迎えたローマの8人目。8万人の観衆が見つめたトネットのシュートは、ゴールバーのはるか上を超えていった。「あ・・・。」
↑ チャンピオンズリーグ準々決勝進出が決まり、歓喜のアーセナルサポーター
敗戦が決まった後はみんな呆然と立ち尽くすだけ。騒ぎまくるアーセナルサポーターをじっと見つめた。「終わっちゃった・・・。」
けれど、すぐに場内は大きな拍手。「よくやった!」 僕も大きな拍手。観客の拍手に応える選手もいれば、その場でうずくまってしまう選手もいた。そして、最後の、
「アーレー フォルツァ ローマァレー!」
のチャントが鳴り響いて、ローマ vs アーセナルが終わった。
↑ ゴール裏にあいさつにいく選手たち。すばらしい試合をありがとう!
さて、帰るか・・・。8万人が一斉に帰るから、道路は当然大混雑。スリに注意しなければ!
↑ バイクと人だらけ。
大混雑の中、なんとかテルミニ駅方面へ向かうバスに乗り込み、また大渋滞に巻き込まれつつ、夜中12時過ぎにホテルに無事到着。まだまだ興奮が冷めあがらない中、メモ帳に今日の感動を書きなぐり、翌日の帰国の準備をして寝た。
(14日目後半終了)
「ヨーロッパ・フットボール三昧の旅」(2009年2月26日~3月12日)
1日目 : 「いざ、ロンドンへ!」
2日目 : 「まずはロンドン観光!」
3日目前 : 「大英博物館見学してからスタンフォードブリッジへ」
3日目後 : 「チェルシー vs ウィガン観戦!」
4日目 : 「ウエストハム・ユナイテッド vs マンチェスター・シティ観戦!」
5日目 : 「ひたすらロンドン観光!」
6日目前 : 「ビートルズストーリー」
6日目後 : 「リバプール vs サンダーランド観戦!」
7日目前 : 「マシューストリートとポートベリーマーケット」
7日目後 : 「トットナム vs ミドルスブラ観戦!」
8日目 : 「スタンフォードブリッジとロンドン塔」
9日目 : 「旅も後半、ロンドンからローマへ」
10日目 : 「ローマ街歩きとローマ vs ウディネーゼ観戦」
11日目 : 「ナポリ戦見られず・・・夕方のナポリ散歩と絶品ピザ」
12日目 : 「ポンペイとスパッカ・ナポリとナポリの夜景」
13日目 : 「カプリ島とアマルフィ海岸とポジターノ」
14日目前 : 「ローマ最後の観光とお土産探し、そしてオリンピコへ出発!」
14日目後 : 「ローマ vs アーセナル観戦!」
15日目 : 「ついに迎えてしまった帰国の日」
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