京都市美術館開館80周年記念展として開催中の竹内栖鳳展を観賞。
京都画壇の中心人物として、また近代日本画の巨匠として活躍された竹内栖鳳の大作がずらりと並び、20代から晩年の作品、そして病に伏して未完となった作品など、栖鳳の画業の足跡をも辿ることができる魅力的な美術展でした。
20代から30代の作品には、獅子や虎、猿、雀、鴨などの動物画が描かれ、大胆な筆致ながら細微にわたる描写が見事で若さと老練さが融合した雰囲気を感じます。晩年に向かい、鮮やかを増していき勇壮な自然を描いた作品はすがすがしさを感じます。
同時開催の竹内栖鳳の下絵と素描は、栖鳳の魅力を読み解く鍵として参考になる転換です。本画の奥に隠された表現技法や構成を知ることで、栖鳳の魅力をより感じることができます。
近代日本画を見ることは「日本画」がいかに創造力に富み、新しい絵画表現であったかを、その実力者たちから認識することができる美術展といえます。