65オヤジのスタイルブック

歌麿の深川の雪

今注目される美術展は、浮世絵に代表される江戸絵画と印象派に集中しているように感じます。

現在、喜多川歌麿の幻の名画と言われた「深川の雪」が発見され、箱根の美術館群の新名所となった「岡田美術館」に展示されています。この作品の経緯については、日曜美術館で紹介され昨日も再放送されていました。

66年ぶりの日本公開となったこの作品。浮世絵肉筆画としても最大の大きさを誇るもので、雪月花に題材をとった三部作のひとつです。品川の月、吉原の花は、現在アメリカの美術館が所蔵し、門外不出のなっているほど貴重な作品。

そのひとつ晩年の歌麿作の深川の雪が発見され、日本にて所蔵されることは極めて重要なことであり、岡田美術館の功績は大変大きいです。また、現存している色彩豊かな作品を修復により更に引き立たさることができた修復師の方々の技術と努力にも敬意を表します。

浮世絵は、江戸の庶民文化から生まれた芸術。浮世絵は、江戸幕府に対する反骨精神の象徴でもありました。文化は、ともすれば国家権力に迎合することにより、衰退し形骸化していきます。

この作品から、遊郭の世界と遊女の姿から生きる喜びと女性の生命力を感じます。江戸を追われた歌麿が、足利の地で描いたとされる大作は、権力に対する庶民の自由な精神を描き出しているように感じます。


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