映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。キネマ旬報ベスト10から石井隆監督のバイオレンスエンターテーメント作品「GONINサーガ 」です。
1995年の前作「GONIN」から20年ぶりに復活した本作。GONINは、文字通り5人を意味し、佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平が五人の男を演じ、暴力団の裏金を強奪することに成功するが、ビートたけし演じるヒットマンに狙われ壮絶な死をむかえるもの。
今回のGONINサーガでは、そのラストで強奪先の組を本木と根津役の二人が襲撃し、組長と若頭に組員を射殺、その後に組にいたビートたけし演じるヒットマンに撃たれ、かけつけた警察官二人もヒットマンに射殺されるところから始まります。
そこでGONINサーガの五人、解散した組の組長の桐谷健太演じる息子と東出昌大演じる若頭の息子、組の上部組織の三代目の土屋アンナ演じる愛人に襲撃時に射殺された柄本佑演じる警官の息子に死んだと思われた根津甚八演じる元刑事による裏金強奪とそれぞれの復讐劇を描いています。
前回の役柄も配役も個性的で濃密な関係は薄らいだものの、バイオレンスシーンは健在。今のご時世では、よくぞここまで出来たって感じです。
一作限りの出演で病をおして復帰した根津甚八にヒットマン役で登場した竹中直人、上部組織の二代目を演じたテリー伊藤や三代目としてスクリーンに久々に登場した安藤政信など、出演者の面々も豪華で当たり役のように生き生きと演じてます。
本格的なバイオレンス作品が少ない昨今の日本映画のなかで、キネマ旬報の6位にランクインする価値ある作品だと思います。