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65オヤジのスタイルブック

カラヴァッジョ展・国立西洋美術館

東京アート旅、第3回目は、国立西洋美術館で開催中のカラヴァッジョ展です。

前回紹介したレオナルド・ダ・ヴィンチ展と次回ご紹介するボッティチェリ展に今回のカラヴァッジョ展の3展覧会は、日伊国交樹立150周年記念する展覧会で、イタリアを代表する巨匠が同時期に観賞できる貴重な展覧会となっています。

4月3日までなら、この三展覧会が観賞できますのでそれぞれの異なる画風と人生を味わえるチャンスですので興味のある方は、ぜひ鑑賞してみてください。

カラヴァッジョは、38歳でこの世を去り現存する真筆はわずかに60点あまり、その中に移動不可能な作品があり、今回の10点が集まった世界でも有数な展覧会と言われています。

また、カラヴァッジョの人生はボッティチェリやレオナルドと違い、気性の荒さ等も災いし裁判沙汰を多く、ついには殺人を犯し逃亡すると言う波乱万丈な人生を送っています。また、自分こそが真の芸術家の自負もあり、当時の居並ぶ芸術家も認めない人物でした。

しかし、彼の自負は間違いなくその芸術に現れており闇と光のコントラストの豊かさや神をも恐れぬ不敵とも思える画風は天才画家の証明となって、魔性とも思える存在に魅了されます。

トカゲに噛まれる少年や果物籠を持つ少年に観る細密に描かれた静物と陰影により柔らかに表現さる人物とのコントラスト、法悦のマグダラに観る地獄の人生からの救いを得たかのような恍惚の表情は生死の境界を感じます。そして、エマオの晩餐は光と影の表現が実に巧みで表現された人物に生き様を観るようでした。まさに、光と闇の表現においてレンブラントに並ぶ天才ぶりを感じました。

パトロンにより制作を保証された画家とは明らかに違うカラヴァッジョの世界は天才画家の光と闇を自らの人生を持って証明しているように思います。


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