90年代のアメリカを舞台にした青春映画「mid90s ミッドナインティーズ」を鑑賞。
1980年代から始まるアメリカサブカルチャーの系譜の中で欠かせないのがスケートボードではないか。来年の東京でもサーフィンと共に正式種目となったスケートボード。サーフィンの練習用から始まったスポーツも、ストリートカルチャーの代名詞となり日本でも支持され続けている。
今回の映画は、90年代半ばの成熟期を迎えたスケートボードがキーワードとなった青春映画です。監督は俳優のジョナ・ヒル。マネーボールやウルフ・オブ・ウォールストリートでアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた実力派であり、今回が初監督作品で彼の自伝的作品となってます。
物語は、カルフォルニアでシングルマザーの下で育てられた13歳に少年スティーブ。兄にいじめられてばかりのスティーブが街のスケートボードショップに集まる少年たちと出会う。憧れから兄か譲ってもらった古いスケートボードを必死に練習しながら少年たちに近づいていきます。幼いスティーブと年齢の境遇も異なるスケートボーダーの少年たちとの時間を通じてスティーブの成長を描いていく内容となっています。
青春時代の他愛のない会話の中に垣間見れるそれぞれの家庭環境、少年から青年へと背伸びをしながら成長していくスティーブの姿が愛らしくもあり印象的です。スティーブを演じたサニー・スリッチは、僕の初めての青春映画、小さな恋のメロディーのマーク・レスターが重なり、魅力的な彼に釘付けとなりました。スティーブの兄を演じたルーカス・ヘッジスのマッチョな姿や実際にスケートボードの経験者であるボーダー仲間たちの無邪気な演技も光ってました。
アメリカングラフィティやさらば青春の光など時代を彩どる青春映画の代表作の共に、本作の90年代を代表する青春映画のひとつとして数えられることと思います。いつの時代も環境や境遇が異なっても、きっと共通の経験を持つ青春映画、そのピュアな実像を再び経験してみてはどうでしょうか。