映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ダニエル・ラドクリフが主演の実話に基づく脱獄劇「プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵」です。
ハリーポッターのダニエル君も、すっかり大人になり新境地を開くために、いろいろな役柄に取り組んでますね。今回は、アパルトヘイト政策時代の南アフリカで実際に起こった脱獄を描いた作品です。
ダニエル・ラドクリフは、今回その脱獄劇の中心人物の反アパルトヘイト組織のアフリカ民族会議の白人メンバーティムを演じています。ティムは仲間のスティーブン共にテロの首謀者として実刑判決を受け、最高警備を誇る刑務所に投獄されます。そこから脱獄する術を探す中で、看守たちの監視の中で、脱獄ルート迄の鍵を作ることを計画します。その鍵というのが何と木製の鍵で看守が持つ様々鍵を目視しながら数種類の鍵を作って脱出を試みていきます。
荒唐無稽に思える木製の鍵。でも実話ですから、その脱獄は事実です。この映画は、脱獄劇の過程で行われているアパルトヘイトの非人道的な行為を詳細に表しているところに価値があると感じました。刑務所の中にも存在する黒人差別。アフリカ民族会議の長老との確執、脱獄さえも困難なマンデラをはじめとする同じ刑に服していても明らかである黒人と白人の待遇の違いなどがよく理解できる内容です。
脱獄を成し遂げた彼らと、彼らと関わった人のその後がエンドロールで語られると、今回の脱獄は白人運動家であったことが可能にしたと思わせられる結果に感じてならないです。