65オヤジのスタイルブック

映画 永遠に僕のもの

画像13

1971年にアルゼンチンで起こった20歳の美少年による連続殺人事件を題材にした映画「永遠に僕のもの」を観てきました。

本作は、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され、本国アルゼンチンで空前のヒットとなったクライム青春映画です。日本でも夏に公開され話題を呼びましたが、この時期、様々な形で美少年の映画が公開されたことですっかり記憶から抜け落ちていましたが、友人のススメで思い出し、岐阜のCINEXの期間限定上映で鑑賞してきました。

美少年+連続殺人犯というイメージからサイコパスホラー作品を想像してましたが、今回の作品はまったく異なります。前述したようにクライム青春映画が当てはまると思いますが、そのスケールははるかに超えてました。それは、今回のモデルとなったアルゼンチンのブエノスアイレスで起こった事件が20歳の青年カルリートスが犯した罪がとてつもなく大きいことです。何せ連続殺人に強盗、強姦とありとあらゆる犯罪を行っていることに加えて実在に人物が終身刑で生存し、逮捕時の姿もサイコキラーとは異なる陰りがない姿だったことです。

さて今回の内容は、主人公カルリートスの数々の犯罪に中でも、強盗による連続殺人にスポットをあて、住居侵入による単独窃盗から専門学校の同級生ラモンと出会ったことでジャンキーの父親を通じて強盗を繰り返す中で、殺人にも手を染めていくところに焦点をあててます。

主役を演じたロレンソ・フェロは、ブロンドのちじれ毛に華奢な小柄な姿が特徴的な美少年で、若き日のディカプリオを思わせ、常に笑みを含ませ躊躇なく犯行を繰り広げる姿とのギャップがとてもセクシー。背が高く筋肉質の美男子のラモン演じるチノ・ダリンとは好対照で、二人に相対的な関係もこの作品の存在感を際立たせていました。

作品のイメージも、政治的な混乱期にあったアルゼンチンで、平凡な家庭で育ったカルリートスと麻薬中毒の父親の元で窃盗で生計を立てるラモンの家族の対比、銃砲店や宝石店、富裕層の豪邸など明暗のコントラストとカンツォーネの名曲や朝日のあたる家のロックナンバーなど、象徴的な要素が溶け込んでいておもしろい演出でした。

最後にロレンソの涙の印象的でした。あえて彼の涙に答えを出すことはないでしょう。老人となったカルリートス。彼は何を今思うのでしょうか。


映画レビューランキング


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【映画・ドラマ・演劇】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事