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65オヤジのスタイルブック

舟越桂 私の中のスフィンクス・三重県立美術館

舟越桂の彫刻作品との出会いは、僕がアートの仕事に携わる初めの頃で1990年代初期からの作品と記憶してます。日本彫刻界の巨匠・舟越保武を父に持つサラブレットは、父の作品とはまったく対照的に、西洋人の顔立ちに大理石の澄んだ眼の風貌と相反する半身像楠に彩色を施しデフォルメされた半身の作品を観て、静謐さの中に、心の奥底から突き動か去れるような衝撃を持ち、僕は、すっかりこの人のファンになってしまいました。

その後、東海地区の美術館のコレクションや大がかりな展覧会には足を運ぶようになりました。

今回の展覧会も、兵庫県立美術館からの巡回展ですが、舟越作品の素晴らしさは、同じ作品を何度見ても新鮮な感覚を持ちます。初期の作品には、日常の中の普遍的な事柄をテーマにした作品が多く、より具体的な人物像が展開されていますが、時を経るにつれ思想性が高まり、非現実的な人物へと変遷し行きます。

しかしながら、その作品は決して大きな変化がなく、緩やかでよどみない水の流れのように美しい内面的な変化が、多くのファンを魅了する要因だと感じます。

硬い楠を使いながらそのフォルムは和かで暖かく、施される色は、清らかで深く、うつろな瞳は遠く未来を見つめている。向かい合う時と作品から何とも言えない精神的な豊さを享受できる。

彫刻家・舟越桂と言う無二の存在をこれからも楽しんでいきたいと思ってます。


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