本日の映画レビューは、アカデミー賞3部門ノミネートのポール・アンダーソン監督最新作「リコリス・ピザ」です。
ようやく日本でも公開となった本作、1970年代のカリフォルニア・サン・バレーを舞台にした青春群像劇です。雰囲気としては1970年代のロスを舞台にしたホアキン・フェニックス主演の「インヒアレント・ヴァイス」ですが、こちらは子役出身の高校生が学校の写真撮影のスタッフの年上女性に恋をして猛アタックを繰り返すシンプルな内容です。
主演の二人はクーパー・ホフマンとアラナ・ハイムは、決して美男美女ではなく、どちらかと言えば容姿が特徴的な二人です。ホフマンはオスカー俳優と父と衣装デザイナーの母を持ち、亡き父と関係の深い監督が今回の主役に抜擢し、アラナ・ハイムは、三姉妹バンドで末っ子で監督がMVを手掛けた縁で家族出演でユダヤ人家族を演じてます。
ティーンの男子ならたぶん経験がる少し年上の女性に対する恋心、こういう男女の関係って微妙に心理状態があってくっついたり離れたりを繰り返すのですが、そんなシーンが70年代のヒット曲に乗って繰り広げられ、とても楽しいい気分にしてくれます。
しかも、登場する大人たちが、異なるシチュエーションで大活躍し、二人に関わります。たとえば渋くてハチャメチャな俳優にショーン・ペンやトム・ウエイツがスター誕生のバーブラ・ストライザンドの豪邸に住む恋人役にブラッドリー・クーパーが。なんかレディ・ガガとアラナ・ハイムが重なってパロディーかと思えて勝手にほくそ笑んでました。他にもディカプリオのお父さんが、二人を親密な関係に近づける役で出てます。ヒントは当時流行ったベッドです。
カルフォルニアの日差しとカラフルなネオン輝く夜の街を舞台に暑い夏にふさわしい、ホットな青春グラフィティーを楽しんでみてください。