渋谷スクランブル交差点で爆破テロ予告。佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊など豪華出演陣のノンストップクライムサスペンス「映画サイレント・トーキョー」を鑑賞しました。
渋谷スクランブル交差点をセットで再現、さらにCGを駆使した爆破シーンが話題となった本作。アンフェアの原作者とSPの監督がタッグを組んだこともあり、二つのドラマのファンでもあった僕の心を揺さぶって先日早速観てきました。
舞台はクリスマスの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとの予告電話にテレビクルーが取材に出かけ爆破テロに巻き込まれます。井之脇海演じる局の契約社員と夫のプレゼント買いに来た石田ゆり子演じる女性が、テロリストにより爆破予告の共犯者にされてしまいます。次になる爆破予告は渋谷のスクランブル交差点、犯人の要求は首相とのテレビ対談、首相は対談を拒否、爆破時刻が迫る中で、大勢の野次馬の中でパニック状態に、果たして犯人は誰か、犯人の要求の真意は、固唾を呑む展開が待ち受けます。
恵比寿ガーデンプレスでの爆破に始まり、壮絶な渋谷爆破、レインボーブリッジで爆破とリアルな爆破シーンの連続、とりわけ圧巻は渋谷の爆破シーン。目を覆いたくなるような悲惨さでテロの恐怖をまじまじと見せつけます。緊迫感と緊張感ある演出だけでも、十分な価値がありますが、今回の作品の肝は、テロに至る背景。タカ派の総理が進める法案とかつて自衛隊の国連派遣が布石となっています。そのカギを握る人物が、佐藤浩市演じる朝比奈仁と石田ゆり子演じる山口アイコと中村倫也演じる須永基樹、ラストのクライマックスまで真犯人はわからぬまま進む展開と刑事役の西島秀俊を含んだ四人の過去が伏線となるサスペンス劇が巧みです。そしてエンディングに流れるジョンとヨーコの「ハッピークリスマス」にもキーワードが隠されていました。
12月8日ジョン・レノンが銃弾に倒れてから40年の命日。作品に秘められた思いが伝わる「サイレント・トーキョー」ぜひ劇場で観てください。