名古屋ボストン美術館で「美術する身体ーピカソ、マティス、ウォーホル」展が開催中です。
今回の展覧会は、身体をテーマにした展覧会ではありますが作品内容を見る限りそのテーマに密着した展示とは感じられませんでした。ただし、今回初公開となる、ピカソの「サビニの女たちの略奪」が観れるだけでも価値のある展覧会です。そのほかの作品はデッサンや版画が多く、画法を説明するコーナーなどがあり、特に版画の技法の詳細な説明は、一般的には木版画のイメージが強い版画技法を印刷方法を基にわかりやすく説明されていて勉強になると思います。
ご存知の通り、ここ名古屋ボストン美術館はボストン美術館の姉妹提携による美術館で主にボストン美術館の作品により展覧会が行われています。したがって当館にはコレクションはなく、最近になって他の美術館からの借り入れが可能になりましたが、残念ながら数々の問題点を抱えている美術館です。ボストンとの契約は2019年3月までで、その後の存続は不明となっています。
また、ボストン美術館は、スタッフが常勤ではなく派遣と聞きます。日展ガールのような衣装をまとった派手な女性が館内を笑顔もなく監視し「静かに観賞してください」の看板と小声で美術談義をすることもできない空気があります。おそらく名商の口利きにより派遣されていると思いますが、基礎知識のない者が鑑賞者をさげすむのは失礼ではと感じるのは私だけではないと思います。一時学芸部も廃止された経緯もあり、現在は復活により様々なイベントが行われていますが、もう少し気持ちよく鑑賞できる空間の提供を望みます。