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松本・安曇野アート旅 その2


松本・安曇野アート旅、今回は安曇野編です。
前日の夕方に、向かったのは安曇野市豊科近代美術館。安曇野市庁舎の奥に位置するロマネスク様式の美術館は、1992年旧豊科町立美術館として誕生、遺族関係者により寄贈された日本の近代彫刻の第2世代である高田博厚氏の彫刻作品と森鴎外の作品にも登場する洋画家宮芳平の作品を根幹に、安曇野ゆかりの画家たちの作品を収蔵しています。
 
高田博厚の彫刻は、フランス在住時代に親交のあった芸術家や思想家のなどの肖像彫刻作品や古代彫刻の影響による数々のトルソ作品が並びます。フランスの精神文化に根差した奥深さを感じます。宮芳平は、戦前は日本美術院に学び文展等に出品、戦後は国画会に出品するなど近代洋画家の一人として活躍した画家です。幻想的な画風が印象的な画家ですが、今回最も目を惹いたのが1914年の文展落選の作品「椿」です。当時文展の審査員をしていた森鴎外を訪ね、落選の真意を問いただしたエピソードが「天龍」に紹介されています。点描を施した画面におぼろげな女性像と赤い椿に画家の制作に対する揺るぎない信念と作品への深い愛着を感じます。


翌日、安曇野旅でもっとも訪れたかった碌山美術館へ。近代彫刻家荻原守衛の作品を所蔵する美術館で30才でこの世を去った夭逝の芸術家です。こちらの美術館は、その歴史と守衛の数々のエピソードが僕の心に深く刻まれたので次回に詳しく紹介したいと思います。
 
次に訪れたのが、僕の地元愛知の豊田市美術館にも専門館が建立された現代漆工芸作家の故郷に建つ安曇野高橋節郎記念館へ。
日本の建築名選でもあるモダンな建築が美しい美術館は、所蔵作品をテーマ別に定期的に展示しています。また、石造りの中には通ると国登録有形文化財に指定されたかやぶき屋根の生家と土蔵が移築され中庭には松の大樹と楓があり、四季折々の演出が施された新旧が融合する美術館です。

 
最後に訪れたのが再訪の美術館、安曇野でもっとも人気の高い安曇野ちひろ美術館です。絵本作家として活躍した、いわさきちひろの作品を所蔵し絵本の世界をテーマに内外の作家を紹介する美術館で、現在は親子二代にわたる絵本作家である谷内こうた展が開催されています。広大なビオトープの庭を用し家族で訪れのには最適な美術館です。敷地内には、ちひろの別荘や黒柳徹子の「窓際のトットちゃん」の表現した世界が広がります。何度でも訪れてみたくなる美術館と言えるでしょう。






安曇野の美術館を回るなら、安曇野アートラインのガイドブックをぜひ入手して下さい。サービス券を呈示すれば入館割引や絵ハガキなどの特典が受けられます。
 


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