名古屋ボストン美術館で開催中の日本美術の至宝展を鑑賞しました。
今回の展覧会は、前期、後期にわたり本年末まで開催されるもので、ボストン美術館が所蔵する、奈良、平安から江戸時代にわたる日本美術の名品が一堂に介する貴重な美術展です。
フェノロサとビゲローのコレクションを中心に展示された作品は仏画、絵巻物、水墨画、狩野派から土佐派、そして近年人気を博している江戸絵画と展開され、見事な修復と保存状態の国宝級の名品が、まばゆいほどの輝きを放っています。
特に僕自身が、興味を惹かれたのは、長谷川等伯の龍虎図屏風とと曽我蕭白の雲龍図の襖絵。静寂の中で対峙する等伯のの虎と龍、天空を縦横無尽に舞う蕭白の龍。
等伯の静に蕭白の動。時代の異なる二人の巨人がタイムスリップして己の美を競い合っているかのような感覚を持ちました。
今回の展覧会は、奇才曽我蕭白にスポットをあてた展覧会になっていますが、それぞれの時代に活躍した絵師たちの個性的な作品は、日本美術の奥深さを感じ、日本人ではなく、海外のコレクターにより認められたことにより、世界的な評価を得ることができたことに感謝したいと思います。
ふるさとに一時帰郷した日本美術の至宝を眼にとどめ、日本人としてのアイデンティティを再発見する歴史の旅を体験してみてください。