映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ルーニー・マーラ主演のアイルランド映画「ローズの秘密の頁」です。
最近、サウジアラビアの記者が領事館で殺害されるというショッキングな事件がありました。皇太子が殺害に関わっているのではないかとの疑惑が浮かびあがっていますが、現在では信じられない事件ですが、それぞれの国には、大なり小なり封印された過去が存在します。
監督は、アイルランドの巨匠・ジム・シェリダン。アイルランド人として自らのルーツに迫るように、アイルランドの人気作家、セバスチャン・バリーの同名小説を脚本、製作しています。
舞台はアイルランド、ある精神病院の取り壊しにより転院が決まった患者の診察に訪れたグリーン医師は、赤ん坊殺しの罪で40年間収容された老婆ローズと出会います。彼女は、無実を訴えながら、その事実を聖書に書き綴っています。グリーン医師に興味を持った彼女は、半生を語り始めます。
彼女の波乱万丈の人生と禁断の愛で結ばれた男を愛し、男の子供を身ごもり殺してしまったとされる経過が、若きローズを演じるルーニーマーラにより魅惑的に演じられます。そこには、アイルランドの悲劇的な歴史が重なり彼女のどこか悲哀を持つ表情が、役柄にピタリとはまっていました。そんな、悲劇の歴史に翻弄されながら、ラストで、その真実が明らかになります。
今回の作品は、アイルランドの持つ宗教観により暗黒の歴史が存在します。その歴史に翻弄されながら、自らの無実と引き裂かれた親子の愛を悲劇の歴史と共に美しくミステリアスに綴られていました。