アールヌーボの代表の彼のポスターは、結構好きで、レストランの装飾の仕事のときにインテリアに使いました。リトグラフのポスターなんかだとおしゃれな額に入れるとすごくいい感じです。
さて、今回の展覧会。パリのムーランルージュの踊り子たちや道化師、役者などを描いたリトグラフのポスターはもちろん。当時の作家たちが影響を受けた浮世絵の作風を取り入れた作品や娼婦や踊り子たちの舞台裏を描いた素描作品など。
ロートレックの半生を語るのに十分展覧会でした。
特に僕が印象を強くしたのは、華やかなポスター作品とは逆に彼の油彩画は渋く暗い画面に覆われているように感じたことです。
幼少の頃の事故により、下半身の発育が止まり、また怠惰な生活の中で酒に溺れ、梅毒を病んだ彼の苦悩が映り出されているような錯覚に陥りました。
だからこそ、ロートレックの心が垣間見れ、彼の人間性に触れたような気がします。
ともすれば、商業画家としてのイメージの強い華やかさだけが先行する彼の作品も、こうしてその全貌を見るにつけ豊かな人間性に息づいた彼の二面性を感じる展覧会と言えます。
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