昨今、昭和レトロブームです。平成も25年にもなり昭和の時代が懐かしく感じるのは時代の流れですが、高度成長期の昭和に生れた僕としては、昭和とレトロに感じるのは多少の違和感があります。
それは、明治、大正の近代においての優れた美術品や建築物に対しては美意識を感じるものの、今の昭和レトロブームの中で美意識を感じることが出来ない点にあります。
その中で、僕が美意識を持つ昭和レトロの品々は、高度成長期1960年から70年代にある、代表的な建築物やデザイン性の高い道具などがあります。
先日碧南に出かけた折り、キリンラーメンと言うご当地限定のインスタントラーメンを購入しました。一時生産が中止となったこの商品は、平成7年に復活。今も根強い人気を誇る商品です。
この商品、国産にこだわった素朴な味はもとより、パッケージのデザイン性に美意識を感じました。ロゴやキリンのイラストなど、昭和の香りを感じ細微に作り手の美意識を感じます。
こうしたデザインと食品で言えば味。もので言えば機能性が融合したところに昭和の商品の特徴だと思います。
おそらく、その感覚は、ブームの中で自然淘汰されて優れた昭和のものが残り美意識は強まってくると感じます。
本当のレトロとは歴史の中で生き残っていくものにだけ与えられる称号だと僕は思います。