稲沢の荻須高徳記念美術館に出かけました。
今回は、生誕110年記念の荻須高徳展を観賞しました。ここ荻須高徳記念館は、彼の出生地です。
戦前、若くしてフランス留学を果たした荻須は、大半をパリで過ごし、パリの街角を描いたフランスでも人気の高い画家です。
藤田嗣治、佐伯祐三等と共に、パリを愛した画家の荻須は、ヨーロッパの風景を描き続け、初期の作品には、荒々しいタッチに青年時代の情熱を感じます。
戦後はじめて日本人画家として、フランス滞在を許された荻須の作品は、最愛の妻を得て、優しさと穏やかを感じました。
ここ記念館には、パリのアトリエを復元した施設も常設されています。
二階へと続く白い階段を昇り、階下から見下ろすアトリエを眺めながら、整然と並べられた筆や絵具、キャンバスが掛けられたイーゼルなど、生前の荻須の制作への静かな鼓動が感じられてきました。