65オヤジのスタイルブック

グランマ・モーゼス展 名古屋市美術館

 

コロナ禍の夏休みに楽しめる美術展2回目は名古屋市美術館で9月5日まで開催中のグランマ・モーゼス展です。
 
アメリカでグランマ・モーゼス(モーゼスおばあさん)の愛称で親しまれる国民的画家で、名前をアンナ・ロバートソン・モーゼスと言い80歳の時に絵を描き始め1961年に101歳でこの世を去るまで、ニューヨーク郊外の農村風景を描き続けた画家です。今回の展覧会はモーゼスの生誕150周年を記念して企画されました。
 
モーゼスは第二次大戦の時代の戦前、戦中、戦後を生き抜いた画家で、その作風は丘から農村の風景を描いたり、農作業や記念日の祝典を描いたりと自然の風景の中に人物や住まいなどを細かく描いたパノラマ的な作品が特徴です。どこか15世紀の西洋美術史の中で輝きを放った北方ルネサンスの画家、ブリューゲルの世界を想起させてくれ作品に描かれる人々の物語を感じさせてくれます。
 
また彼女は独学で油絵を描いたことから、アンリ・ルソーなどと並びピカソが称賛するナイーブ派・素朴派の画家として有名です。日本でもルソー作品と共に素朴派の作品を収集するハーモ美術館世田谷美術館などにも所蔵されいますが、日本ではあまり知られていない画家だと思います。
 
今回の展覧会は、油絵を描く前の刺繍作品からリュウマチで手が不自由になったことを機に描き80歳から描き続けた油彩画にモーゼスゆかりの貴重品や資料などを含め100点余りが展示されるモーゼスの大回顧展ともいえます。自らの感性や意志で誰にも影響されることなく自由に描かれる作品は、素直にモーゼスが愛した暮らしの中に入り込み、コロナ禍ですさんだ気持ちを癒してくれることと思います。
 
展覧会は、9月5日まで名古屋市美術館で9月18日から静岡市美術館で開催されます。アメリカ国民に愛されたグランマ・モーゼスの世界をぜひ楽しんでください。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【美術鑑賞・イベント】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事