映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は" target="_blank">湊かなえ原作、阪本順治監督、吉永小百合主演の話題作「北のカナリアたち」です。
湊かなえ作品は、人間心理が濃密で暗いイメージが強いので好き嫌いが分かれると思いますが、告白が映画化された時の衝撃があり、湊作品の映画化には僕自身は興味が注がれます。
今回は、川井郁子のバイオリンの音色が深く重く流れることもあって、余計に暗く感じられ劇場に向かう足が遠のいたこともあり、今回のDVD観賞になりました。
舞台は、北の港町。吉永小百合演じる音楽教師が夫の事故死の当日に不倫により町を追われることになります。そんな彼女の元に、教え子が殺人の容疑で逃亡。彼を探すために、かつての教え子達を尋ねることに。
20年の歳月の中で生徒と教師が背負った罪がひとつひとつ明らかになっていく中で、ほどけた紐を結び直すように、教師と生徒の絆が再び結ばれる。叙情的な展開は、過去の衝撃を重ねると、厳寒の地で心の炎がめらめらと燃え上がる静かな衝動を感じました。
吉永小百合の20年の過去と現在の変わらない若さにも驚きますが、生徒たちを演じた森山未來、宮崎あおい、松田龍平など6人の実力派の若手の演技が見事でした。