我が国の国防の駄目なところは、「敵対勢力を過小評価して、自分達の優秀ぶりに酔いしれてしまい、向上や分析を怠る」
という点だと思う。日本帝国軍の失敗の一つだが、今も反中一点張りのマスコミ各社はそれをやっている。
多くの日本人が知らない、中国の本当の危機。真のチャイナリスクとは「民主化」である。
ネットや保守系週刊誌、電通マスコミが抱いている幻想、
中国共産党が潰れれば、全ては上手く行く。
チベット人や台湾人も解放される。
中共が無くなれば、中国軍は弱体化して人権も領土問題も解決。
これは、夢物語だ。
確かに中共は格差や大気汚染を放置してきて、今更慌てるようなどうしようもない集団だ。
だが、中共が崩壊(解党・複数政党制導入で下野)して中国の民主化が進んだ場合、
人権派・西欧系リベラル勢力は最初は台頭しても、後から「極右」に乗っ取られて、
中国の民主主義革命は、孫文革命の様な汎中華民族主義に成る可能性が有る。
アラブの春はうちの国のマスコミは、やれGoogle革命だの、Twitter革命だの、
「民主化」として持ち上げた。
しかし、今やアルジェリア人質事件を起こしたようなアルカイダの台頭、
ムスリム同胞団などイスラム主義の政治団体の台頭。
と、右翼・宗教右派勢力に乗っ取られている。
アラブの春で、基本的人権や女性の権利はより制限される可能性も出てきたのだ。
中国が民主化して混乱が生じ、中華人民共和国が解体しても、
中国人の右翼がチベットや台湾を手放すとは考えにくい。
万が一、一度これらの地域が独立しても、大清帝国時代の統治を根拠にふたたび、
経済力や戦略的移民、軍事力での侵攻を(民主政府が)する可能性が高い。
そもそも、「反中共=反中=中国解体論者」では無い、多くの保守派がこれを混同している。
台湾・香港・澳門や大陸の、反共産党派は「蒋介石ラインを支持する極右」が多い。
(例・香港の民主化団体、神州青年服務社)
http://www.chinayouth.org.hk/index2.html
大中華民国復興會 (台湾系?)
http://www.greatroc.org/forum.php
上の画像は、香港の反共産党団体が主張している国境線だ。(所謂、蒋介石ライン)
これは、現台湾政府(中華民国)の国民党政権が公式に領土だとしている。
モンゴル国(北蒙古・外蒙古)が台湾(中華民国)の領土に成っている。
ウイグル自治区は「新疆省」である。
南沙諸島や尖閣諸島もだ。
中華人民共和国よりも、民主的な中華民国の方が領土に貪欲である。
我が国の保守派は、
台湾は親日、台湾は日本の味方だと思い込みたいが為に、
台湾政府の主張する国境線を無視している。
おそらく、中国政府は民主化して人権擁護、言論の自由に目覚めても、
第一列島・第二列島線・第三列島線の追求や核心的利益を手放すとは思えない。
インドシナ半島諸国の経済的衛星国化(タイ王国、ラオス、カンボジアは既に着手)もだ。
民主化すると最初はリベラル派が勝つだろうが、後に国民党系の極右が出てくるだろう。
↑真珠の首飾り作戦。
それどころか、汚職や利権にまみれた中共という非愛国的な蓋が取れて、
中国国民のナショナリズムが増大する可能性が有る。
尖閣諸島に上陸した香港の民主化活動家は、青天白日旗を持っていた。
さすがにキルギスやモンゴルを奪取するのは無理だろうが(ロシアの影響圏なので)、
対日本外交では過激に出る可能性が有る。
中国の民主化は、実は中国の右翼分子(蒋介石ラインの復活)の理想を叶えて、共産党という重しを取り払い、
日本国家の安全を脅かす可能性が有る。
しかし、もう中国大陸の民主化は止められないだろう。
(民主化=全てが上手くいくという考えは、GHQの統治の影響??
日本帝国の場合は民主化により領土が大幅に現象した。)
真に中国の脅威が来るとすれば、それは中国が民主化されて、共産党が崩壊した後だと思う。
極右や民族派が選挙で合法的的に選出される可能性が有る。
ちなみにその頃には日本も、日本国憲法の廃止、自衛隊の国防軍化が行われている可能性がある。
そうなれば非常に危険だろう。
南アジア・東南アジアの共産党国家はベトナムとラオスが有名。
「ベトナム社会主義共和国」は共産党一党執政の人民民主主義独裁の国家である。
共産越南は中共よりもソ連邦寄りだった。
ベトナム社会主義共和国が共産党国家なのは、日本国民の多くは知らない。
中国人民解放軍(中共軍)の影響を濃く受けており、軍服も似ている。
(今の中共軍はロシア連邦に似ているが)
ホーチミン国家主席が死んだ後は、事実上、自由主義経済国家になってしまったが。
↑ベトナム人民軍海軍の兵士。(ソビエト連邦海軍のセーラー服に酷似)
↑ベトナム人民軍親衛隊。
↑ベトナム人民軍海軍陸戦隊?(それか特殊部隊か)
↑セーラー服の海軍女性兵士
↑ソ連陸軍や80年代の人民解放軍陸軍に似た、陸軍女性兵士
↑ベトナム人民軍海軍の陸戦隊(海兵隊)
↑閲兵式で行軍する、ベトナム人民軍陸軍
かつては、旧日本軍に似ている軍服や階級章を使っていた。
しかし、南沙諸島の問題で東側諸国たる共産中国とベトナム社会主義共和国が揉めるのは、
カニバリズムでありアメリカ政府にとっては好都合であろう。
見た目も文化も北部ベトナム人と華南人(南部中国人)は似ている。
今後、越日友好・越中友好が実現するように祈りたい。
幸いにも、今のベトナム共産党幹部には親中派が多いらしい。