宇宙船シャングリラ 【もう一つの日本神話】

日本人青年が趣味で、東側諸国の関連の情報を取り上げる。

日本のメディアの報道は常に正直なのだろうか?

2011年10月27日 16時08分21秒 | 日本国内

このブログを読んで、「こいつは中共の工作員じゃないのか?」と考える人も居るかもしれない。

今の日本では、「ダライラマはチベット仏教最高指導者じゃ無い。」「新疆ウイグルは歴史的に中華圏だ。」と言ったら、
たしかに中共支持者だの非国民だの言われる風潮は強い。


個人的に中国共産党は中国や中華文化を破壊し、もはや「体制である」しか取り柄の無い無価値集団だと思っている。
私は中国政府に肩入れするつもりは毛頭にも無い。

しかし、日本国内で流れているチベットや東トルキスタンに関する情報は、明らかに「日本の右派に都合の良い」情報ばかっりが流されているとしか思えない。
ゲルグ派の長に過ぎないダライラマ14世が、最高指導者扱いされたりするのは、
創価学会の池田大作が「日蓮宗最高指導者」と呼称されるに等しい。
そして国際社会も、チベット自治区や新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区などを「独立国」として扱う事は、
絶対に有り得ない。
中華民国(台湾)もチベット(西藏地方)やウイグル(新疆省)を自国領土だとしている。



誤解しないで欲しいのは、中国で少数民族への人権侵害や同化政策が全く無かったと言っているのでは無い。
中国社会の自由への軽視は確かに批判されて当然だ。


しかし、ダライラマや世界ウイグル会議の主張には、以前の記事に書いたような誇張や嘘も多く含まれている。



確かに北京のプロパガンダが正しい訳が無い。
しかし、自称チベット亡命政府のプロパガンダが正しいという事に成るだろうか?


よく、
「中国政府は嘘つきだから信じない」
「中国は嘘がまかり通る国家だから信じては成らない」
という批判があるが、

北京のプロパガンダが嘘だからといって、ダライラマが言っていることが本当だとは成らないのである。
中国VSダライラマという構造にとらわれすぎて、
「どっちの意見が正しいのか?」という二元論的に考えたら問題の本質を誤る。


「北京が間違っている=ダライラマが正しい」という発送は精度の低い二元論であり、
危険な発想だ。



そもそも「我が国日本のテレビや新聞は常に正直なのか?」


「311福島原発人災の情報統制・報道規制」、そして「韓流ブームの再燃」といい、
日本のテレビや新聞だって捏造や嘘情報の国民への刷り込みを平気で行なっている。


日本のテレビや新聞も十分、嘘つきで世論誘導を平気で行なっているのは自明である。
なのに、なぜ、国民は対中国報道やチベットやウイグルに関連する情報のみは、
テレビや新聞の報道を無批判に信じるのだろうか?


マイノリティの独白という、中道保守系のブログで、
「マスゴミという言葉を使う人ほど、マスコミに影響されている」
という文章を見たが、ダライラマが「平和主義者」として報道されるのは明らかに捏造報道である。
CIAやフランスの情報機関によりゲルグ派は過去に武力革命を行なった事がある。
ブータン侵攻もそうだ。


日本人は常に正直で嘘を言う訳が無いという理論は固定観念であり、
マスコミが常に真実を報道しているという希望論は明らかに間違っている。


もっともこう書いても、私を中国寄りだと批判される方が大半でしょうが、
過去に書いたようにチベット虐殺やウルムチ虐殺などは誇張とフィクションに満ちていると書きたいです。


小林よしのりの勝共連合漫画が「日本の歴史の真実」だと思われる方には、無駄でしょうが。



ユーラシア連邦へ。プーチン首相が2015年を目標に提案。

2011年10月22日 16時00分55秒 | ロシア連邦

ロシア連邦は、アメリカ合衆国の衰退によるパワーの空白を虎視眈眈と狙っている。
ユーラシア連合(ユーラシア同盟、連合とも)にむけて、旧ソ連諸国の一部と国家連合を組むつもりだ。
経済・軍事・政治での連帯がさらに強まるだろう。

旧ソ連の復活では無いとプーチンは強調するが、早速、西側の政治ブログなどからは「国家社会主義共和国連邦」などと揶揄されているらしい。
トルクメニスタンは中立国家を自称しているため、参加未定らしい、残念。
トルキスタン地方と特定コーカサスが再び、ロシア圏にまた接近する。



(10月31日追記・トルクメニスタンはユーラシア連邦加盟国でした。ごめんなさい。間違えました。)



上海協力機構もトルコが加盟を検討するなど、プーチン首相一派は米国衰退後の世界をうまくリードするチャンスを掴みつつある。



トルコ 上海協力機構への参加申請を提出

21.10.2011, 12:06
 トルコは、上海協力機構のパートナー国となるための公式申請を行った。ロシア紙「コメルサント」が上海協力機構の情報筋として21日伝えたところによれば、アメリカも上海協力機構との協力の形について協議を行っているという。
 コメルサント紙によれば、トルコは4月、北京にある上海協力機構の事務局に申請を行っていたということで、現在非公式の協議と意見交換を行っているという。 またトルコの外交筋がコメルサント紙に語ったところによれば、「ロシアと中国は、自らの政治的経済的な影響力により、上海協力機構を効果的な機構へと引き上げた。モンゴル、インド、パキスタン、イランがオブザーバー国となり、スリランカとベラルーシが対話パートナー国となっていることを考慮すれば、いまや上海協力機構はユーラシアでも最大の機構のひとつといえる。」という。








上画像は上海協力機構の構成加盟国。インドやモンゴルはオブサーバー加盟である。


中華民国は新疆省(ウイグル)を自国領だと公式認識している。

2011年10月19日 21時53分15秒 | 新疆省(ウイグル)
東トルキスタンを「新疆」と呼称したのは、中共だと誤解している人が居ます。


しかし、大唐帝国(唐)の時代から東トルキスタンは漢族系が進出しており、
東トルキスタンに「新疆省」を初めて設置したのは中華民国(中国国民党)です。
(大清帝国だという説も有る。)



現在も、中華民国の憲法では、
ウイグル自治区に「新疆省」が置かれています。






(※資料)北朝鮮に露アムール州が一千ヘクタールの土地耕作を提案する。

2011年10月19日 21時21分23秒 | 北朝鮮

露アムール州 北朝鮮に1千ヘクタールの土地耕作を提案

19.10.2011, 15:09
ロシア極東のアムール州は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対し、1000ヘクタールの土地耕作を提案した。
 アムール州側が提案した地区は、スヴォボドネンスキイ、マザノフスキイ、アルハリンスキイ、ゼイスキイの4つ。 なおこの提案は、専門家グループ代表団長として現在北朝鮮訪問中のオレグ・コジェミャコ・アムール州知事(写真上)が示したもの。 (イタル・タス)





このところ、北朝鮮政府とロシア連邦政府が急に、接近している。
北朝鮮の金王朝が掲げる、2012年に向けた国家再開発プロジェクトの一貫だろうか。
露連邦と北朝鮮の関係には目が離せない。

グローバル資本主義の崩壊が進む中、
>統一ロシア党が、どのような外交戦略を描いているか気になる所だ。








自称活仏、ダライ君が最高指導者って誰が決めたの??

2011年10月08日 16時29分57秒 | 西蔵地方(チベット)

自らを「チベットの法王」「菩薩の生まれ変わり」としているダライラマ14世だが、
我が国の(日本語の)マスメディアのチベット報道の際によく使われる、

「チベット仏教最高指導者」

という呼称は極めて不適切である。


ダライラマは「ゲルク派」の僧侶であり、チベット仏教全体の指導者では無い。



チベット仏教には沢山の派閥(宗派)がある。
またチベット自治区のチベット人は全員が仏教徒では無い。

キリスト教やイスラム教のチベット人も沢山いるだろう。
遊牧民が多いチベットでは土着的なシャーマニズムも残っているかもしれない。
現代では、無宗教や無神論者のチベット人も居るはずである。
ダライラマがまるで地球上のチベット人全員から生き神様扱いされているという、日本国内での報道のあり方は、マスコミの深刻なる偏向である。



そういう意味ではチベット亡命政府は、正確には「ゲルク政権亡命政府」「ガンデンポタン亡命政府」を名乗るのが正しいと、
小生は僭越ながら指摘する。
チベット亡命政府は「チベット人の代表」を名乗る程、公平的な組織ではない。
ガンデンポタン(ダライラマ政権)の復権を目指す、民間団体(政治結社)であり、亡命政府として機能しているのか疑わしい。
チベット亡命政府を支持するチベット人は、ゲルク派である場合が多く、中立性にかける意見だ。
創価学会員が池田大作先生を批判することが絶対にないように、ダライラマを最高指導者だと信者が主張するのは当たり前だろう。



ダライ君がチベット仏教最高指導者だとする嘘は、メディアにより広まり、ネットではこの嘘情報が真実に昇華されている。
如何にマスコミのチベット問題報道がインチキと誇張に満ちているか、テレビだけで物を考える国民は知らないのである。





再びダライラマを疑えから転載する。


http://bismarks1976.blog92.fc2.com/?mode=m&no=2



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<ダライ・ラマ法王をチベット全土の政教両面に渡る最高指導者とする体制が確立され、チベットは平和な宗教国家として、新たな道を歩み始めることになったのである。>
ここの記述は、あくまでも自称である。
17世紀にモンゴルのアルタイ・ハンがダライラマという名称を作った事実はあるが、最高指導者と規定した根拠は一つとしてない。
 何より、このダライラマという名称の怪しさの局地は、アルタイ・ハンがダライラマという名称を与えてから、ゲルク派が宗派としての立場強化のために、ゲルク派の始祖をダライラマ1世としたことに問題点がある。
 アルタイ・ハンが1世・2世という取り扱いを認めているわけではないのである。
「チベット仏教の最高指導者としての権威性の根源はダライラマにあるのか?」といえば、そのような規定はどこにもない。
あくまでも”自称”に過ぎないのである。
 現実にダライラマの宗教的権威性は別にしてもダライラマ体制が政治的権力があったという証明はどこにもないし、証明作業さえ行われていない。



ダライラマ事務所の「チベットの歴史」という項目でも、ダライラマ体制の政治について語られていない。
 チベットは8世紀中盤には歴史文献が登場するはずであるし、文化大革命の影響で歴史書が散逸するにしても全部無くなるとは想定できるものではない。
 


ダライラマ体制なるチベットの支配体制の歴史などそもそも存在していた証拠もないのである。
 形式的に外交窓口としてのダライラマの権威性は、当時のチベット仏教最大派閥のゲルク派トップとして存在していたかもしれないが、チベット仏教の各派ともダライラマをトップと認めたわけでもないのである。 
 そして、もっとも危惧するべきは、ダライ体制という時代があったとして「平和であった」という事実関係である。
 たびたびお世話になるWIKIなので是非、興味ある方はブックマークをお勧めしますが



チベット史年表 〜さんからダライ治世の血生臭い歴史を紐解きましょう。


ダライラマ4世時代
・1605年
モンゴルからチベットまでダライラマを護衛してきたモンゴル人騎兵、カルマ紅帽派を襲撃。
ツァン派首長でカルマ派の支持者だったカルマ・テンスン・ワンポが大軍を率いてモンゴル兵を駆逐カルマ派,シンシャクパにゲルク派施主層を襲わせる
デープン寺兜率宮の強硬派、紅帽派がダライラマの出家剃髪などに対して寄せた祝辞に悪意が寓されているとして、モンゴル人を唆し、紅帽派の牲畜を奪わせる。これに対し当時の名目上の政府であったパクモドゥ氏とツァン軍が、兜率宮と共謀していたキシュ管領の軍を破り、甚大な損害を与えるダライラマ5世の時代
・1642年
グシ汗、チベット王の位に就く
グシ汗、ダライラマを推戴し、自らはチベット国王の座に登り、ソナム・チュンペーをデスィーに任命。ここにモンゴル人による全チベットの覇王が実現
グシ・ハーン、チベット全土を平定し、チベットの支配権を正式にダライラマに献上
・1644年
モン族僧院群・ブータン間の紛争をグシ汗とソナム・チュンペルが調査。
モンへの援軍としてブータンに700のモンゴル兵とチベット軍を派遣するが敗走。
ダライラマ政権、ブータン攻撃
・1647年
ブータンとの間に再度戦争(チベット・ブータン間では日常茶飯事ではあるが)
・1661年
ネパールとの間に国境紛争。チベット軍が派遣され、ネパール人暴徒を駆逐。(ネパールとの最初の衝突)





ゲルク派に抵抗する勢力をモンゴル人に駆逐させたり、ブータン・ネパールなどに侵攻するダライラマ体制が「平和な宗教国家」でしょうか?





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<④チベット仏教は、モンゴル、満州、そして北京にまで広まり、アジア大陸の広範な地域で文化交流が盛んになったのである。>
 事実を歪曲している。
当時に明王朝は決して交流政策ではなく、鎖国政策であったし、アジアの大航海時代はまだ先の話である。
そもそも、この時代もチベットの歴史は、モンゴル人とチベット人による支配二重構造であり、混乱した時代である。
 そして、チベット仏教がモンゴル・中国に普及するのは、サキャ派時代であり、ダライラマ体制という論拠は一つとし存在しない。
 パスパとフラビイの関係はモンゴル・中国のチベット仏教の関係構築に貢献としたことは否定しようがないが、それ以後、中国支配者はチベット仏教に改修したこともないし、チベット仏教信者が中国で増えたわけでもない。
モンゴルの有力者がチベット高原侵略後に改宗しているが、彼らはチベット仏教でもゲルク派ではない。
(補足的意見)
「チベット仏教」=「ラマ教」=「ボン教」のような非常に乱暴な見解があるが、この妥当性に関しての嫌疑は非常に多いし、学術的には、分岐がされている。
細かい分岐であるという指摘もあるが、チベット仏教=密教、という考え方に関しても妥当性がないという識者は多数存在する。
文中でも話に上った「九塞溝」などはその典型例で
「安易な理解が誤解を生んだ典型例」で言えるだろう。
そもそも、乱暴な言説において、”チベット仏教をカテゴライズ・定義できるものではない”問題がある。
イスラム教のシーア派・スンナ派などは実態としても思想的にも明確な相違点があるにも関わらず、乱暴に同じように扱われる部分などは「乱暴な言説」の象徴性だろう。


 チベット仏教も「チベット」もそもそも乱暴な言説による乱暴な見解で固まっているものが圧倒的である。それを助長するのが、ダライラマ事務所や中国当局が発するロビー情報である。
本サイトでは可能なだけ中立性の持つことに主眼をおいているが、
ダライラマの虚偽性・欺瞞性は筆舌を挫くほど破廉恥であり、一般社会のチベット理解をミスリーディングしていると看破する必要性があるだろう。 

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ダライ・ラマ法王は、チベットの国家元首でチベット人の精神的指導者でもある。「ダライ・ラマ」とは、モンゴル語の尊称で「智慧の海」という意味である。
冷静に考えてみると不思議なことがある。
 モンゴル語の名称を使うという意味不明なアイデンティティである。
 チベット人からすれば、チベット語の名称があるわけであり、
「今上天皇」の地位を「天皇」ではなく「The Emperor」と言って喜ぶマインドがあるだろうか?
ダライラマという権威性の由来は、アルタイハンというモンゴルの有力者が与えた名称であり、
モンゴルはチベットの実質的支配者だった時代に形式的に支配権が与えられただけで、
”最高指導者”という自称し、政治実権はモンゴル人に支配されているダライラマ体制の内実は如何なものだろうか?



日本の天皇家は真贋は別にしても万世一系であるが、ダライラマは輪廻転生の理屈にしても、その理屈は頓挫している部分が多々ある。
 そもそも、チベットが「国家」である構成要件を満たしているわけではないことも明白である。
モンテビデオ条約などにもあるが、国家の構成要件は、
A:永久的住民
B:明確な領域
C:政府、外交能力を持つものとあり、チベットのダライラマ亡命政府は、全て持ち合わせていないのである。
したがって、「国家」ではないし、国家承認してる国は亡命政府との実態的政治関係は発生していないことから、承認されている形式さえ存在しないと言えるだろう。




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ダライラマがチベット仏教の最高指導者だとするマスコミの報道が、ひどい捏造であることは歴史が証明する。
そして「法王」という胡散臭い肩書きといい、ダライラマ閣下への個人崇拝は、毛沢東崇拝や文鮮明崇拝とさほど変わらないのである。
チベットが中国領土では無い・・という公式見解を持った国家は皆無である。
(ただし、共産党人民共和国の領土か中華民国の領土かは、議論がある)


テレビや新聞の、ダライラマへの徹底的な媚売りというかゲルク派マンセー報道はチベットの歴史への無知や、
チベット人は少数民族だから可哀想という人情論・感情論から来ているに過ぎない。




パナソニックがシンガポールに拠点を移転する。大華経済圏は来るのか?

2011年10月05日 16時25分00秒 | 雑記

http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/1ea8b4cbb27cb4462d637ca2ceb14fb7


『毎日新聞 2011年9月14日記事から』

松下幸之助が創設した『松下政経塾』一期生の野田首相が8月30日誕生したが何と2週間後の9月14日、生みの親のパナソニック(旧松下電器産業)が調達、物流の両本部を12年4月にもシンガポールに移すと発表した。
日本企業の 本社機能の海外移転は異例中の異例。
専門家は『調達部門を海外に移すのは珍しい。今後、電機以外の業種も含めて追随する動きが出る 可能性が高い』と指摘。
部材の購買は利益に直結し、調達部門は本社機能の重要な位置を占める。
調達から生産までを一貫させ、アジアに比重を移すが、日本の取引先企業の削減は、国内の下請け企業に大きな影響を及ぼす。
シンガポールを 選んだのは、インドや東南アジアへの物流が急激に増えると見込まれるため、と発表している。
海外調達の比率は 09年度の43%から12年度は60%に高める。アジアからの調達も33%から50%に増やす。

今後はシンガポールの調達本部が各拠点の調達情報をまとめて発注し、購入価格を最も安く抑える。調達した部材は外部委託先にも供給する。




『軍事よりも経済が日本の脅威』


野田新首相と同じ松下政経塾出身で、中国の軍事的脅威を声高に喧伝する元外務大臣の前原誠司民主党政調会長だが、不思議なことに経済的な脅威については一言も言及しない。
何とも不思議で合理的な説明が付かない。



前原誠司には陸軍主体で渡海能力が無い大陸国家中国の軍事的脅威は見えるらしい。
ところが、これとは対照的に目の前の差し迫った(日本をGDPで追い抜いた)中国の現実的な経済的脅威は見えないのだろうか。何とも不思議だ。
軍事だけが最大懸念だと間違って世論誘導している(経済問題を隠蔽している)かに見える。



今の日本国の生産拠点は国内から中国大陸に移動しているのですよ。
松下が本部を移すシンガポールの国民は華僑なので中国人です。
ベトナムを除くタイやマレーシア、インドネシアなどASEANの経済の実権を握るのも矢張り華僑ですから基本的に中国人ですね。





プロイセンの戦略家クラウゼヴィッが指摘したように軍事問題の『戦争とは政治経済の延長』なので、政治家が考えるべき一番大事な政治問題は安全保障(軍事)ではなくて経済なのです。
日本と中国との15年戦争の原因(関東軍の張作霖曝殺とか満州事変)が日貨排斥運動などの経済問題であり、イギリスのインドや中国に対する植民地化戦争の原因も経済問題であり自国防衛(安全保障)などは、まったく無関係なのです。
中国軍の軍事的脅威で、イギリスや日本が動いた訳ではまったく無い。
事実はその逆なのです。



現在起きているユーロ危機の最中のNATOのリビア空爆と同じで、リビアの軍事的脅威がまったく無いので仏英伊米など経済破綻寸前国家の有志連合が『リビアの無法』を理由にして、安心して軍事作戦が行えるのです。
今の日中の国民感情は最悪であることは皆さんが良く御存知のとおりですが、ところが70年代の田中角栄の日中国交回復の昔はそうではなかったのです。
今とは大違いで全てが正反対なのですね。
パンダブームなどがあり、今とは反対の超友好ムードであったのですよ。
その当時の日中の経済格差は数十倍の開きがあり、当時の中国軍の装備などはアメリカなら軍事博物館に展示していそうなほどの代物であり、地続きでもない日本が脅威に感じる何の問題も無かったのです。
昔の日本人の親中感情と同じで、今の反中感情も(アメリカの世界戦略として)多分意識的に作られたものでしょう。






シンガポールといえば、華人(客家人系が多い)が支配的な華人国家だ。
華人国家と言えば、マレーシアやタイ王国も華人の進出が進んでいるために将来的にはこれらの国もそうなるだろう。
パナソニックのシンガポール移転といい、日本の優れた技術が華人企業に流出する可能性は大いに有りうる。
そうなれば中国経済は延命出来る。


華人系企業は、日本企業の技術力を欲している。
日本の電化製品や鉄道の技術力は世界一だと彼らは知っているからだ。
日本の職人技術と職人精神こそ中華圏の経済成長に今一番必要な要素だと、気がつく華人は増えている。
ロシア政府だって北方領土問題を抱えつつも、日本との経済協力や技術力の輸入をアピールしているのだ。



ASEAN諸国の経済は事実上、中華圏の企業や人脈に占められている。
政治上は中国政府と対立しているように見えるが、経済や文化面では「ASEANの中国化」が進んでいるのだ。
上海協力機構にインドやモンゴルが加盟しているように、ロシア・中国の影響圏は拡大している。


ロシアと中国が世界的に孤立化しているという、マスコミの報道が如何に的外れかわかるだろう。
死に絶えてゆくアメリカ経済に依存するような発送では日本経済の復活は無いのだ。
ASEANは新日感情が強いから・・・などという感情論は、中国経済の成長の前では「竹槍と日本刀」でしかない。
中露の孤立化などは右派が夢見る、精神主義なのだ。


中国経済は確かに歪な形で成長している。
しかし経済格差の不満から中国国民が最近は反政府運動を展開している。
ネット住民による共産党への糾弾が激しさを増している。
中国は未熟な国家だけにまだまだ成長するのだ。