タンニンの樹脂層が糸の表面を覆っています。タンニン自らが酸化することで、織物の 組織を強固に結合します。この酸化による色の変化がユーザーの愛着を抱かせます。
余談ですがタンニン鞣の革を使い込むほどに色艶が良くなると言います。体から出る脂肪分、汗を 吸い取って良い味(色艶)が出るのです。今 愛用しているタンニン帆布のショルダーバッグは2年使い込んで味が出てきました。
生地ベースを保護して、汚れない被膜を作っています。「生地がヌルヌルで巻き上げるときに苦労する」京都の染工場の社長がこぼします。この ヌルヌルが乾くと被膜になる訳です。
使い込むほど味が出る。そのためには丈夫な布生地を使います。 帆布という生地です。(6号帆布と9号帆布.岡山県倉敷市の機屋さん)
10番の太い糸を2本や3本にしたものを縦と横にして.昔から有るシャトル織機でドッス ンドッスン時間を掛けて織った生地を使います。技術がなければ織り傷ばかり出る織物で すから、
アジアでは日本でしか出来ません。
(中国や韓国にはこのタイプの織り機はほとんどありません、時代が効率を求めて昔の織り機は無くなり、日本人の几帳面な性格でないといかんのです)
その密度の混んだ織物にタンニンの粉を染み(しみ)こませる、時間の掛かる染めです。 一旦乾燥させた生地をジーンズを洗う広島県の工場に送って、洗います。 固まってしまった生地に柔軟剤を入れて余分なタンニンを落とします。出来上がった生地 は泥まみれのイメージからすっきりしたフェースに変わります。
洗う前は畳みのように固い織物から、洗い上がりの細かなシワが入ったビンテージ風の布地に変わります。大きな丸いドラムの中で2~3時間洗いますので、ムラ感のある 表面になるのです。
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