東日本大震災発生から今日で2年半が経過しました。
気仙沼市の鹿折(ししおり)地区には,津波で打ち上げられた漁船・第18共徳丸(きょうとくまる)が残されたままになっていましたが,9月9日から,解体作業が始まりました。
初日は防音壁が設置されていましたが,来週以降,船体の解体が本格的に行われるようです。
震災当日,気仙沼漁港に係留されていた第18共徳丸ですが,大津波により,当時係留されていた場所から約1kmの距離を漂流し,この場所にたどり着いたものです。
気仙沼市はこの漁船を震災遺構として保存し,震災メモリアル公園として整備することを検討していました。
しかし,撤去を望む住民の声を受けた船主が解体の方針を決めたこと,気仙沼市が実施したアンケートでもおよそ7割の回答者が保存の必要はないと回答したことから,解体に向けて動き出しました。
震災から2年半の間,地元住民はもちろんのこと,全国各地から多くの方が第18共徳丸を見るためにこの地を訪れましたが,実際に自分の目でご覧になり,東日本大震災,特に大津波の脅威を感じてお帰りになったことと思います。
解体が報道されたこともあり,私が取材した9月9日は平日にも関わらず,多くの方がこの場所を訪れていました。
この場所を通るたびに見てきましたが,改めて船体を見ると,2年半が経過し,船体がだいぶ傷んでいたことが分かりました。
解体を請け負ったNPO法人では多くの部品をリサイクルに回し,環境に優しい解体を行い,作業は10月中旬までに終了する予定とのことです。
(T.H)