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札幌・円山生活日記

「皇居三の丸尚蔵館展 皇室の至宝~北海道ゆかりの名品」~北海道立近代美術館~

本日は北海道立近代美術館で9月21日(土)~10月27日(日)の会期で開催中の「皇居三の丸尚蔵館展 皇室の至宝~北海道ゆかりの名品」の鑑賞です。皇居三の丸尚蔵館(東京都千代田区)に収められている皇室ゆかりの美術工芸品などのうち北海道と京都・江戸とのつながりを示す名品を堪能します。

皇居三の丸尚蔵館は、代々皇室に受け継がれてきた美術工芸品を収蔵しています。その中から、北海道と京都・江戸とのつながりを示す近世の名品や、北海道行幸啓にまつわる作品、北海道ゆかりの作家の作品など、皇室と北海道をつなぐ優品を一堂にご紹介します。
会場の北海道立近代美術館。国宝「鳥獣戯画」を展示する「京都 高山寺展」の際には開館前から長蛇の列でした。その印象が強く『今回も国宝だし若冲だし‥』と思って開館時刻の9時30分前に来たのですが長い行列は無し。結局9時30分のオープン時には20人前後の待ち客がいただけでスムーズに入場できました。
会場の1階展示室は【第1章:近世絵画のネットワーク-松前藩と京都・江戸‐】、【第2章:近代の皇室と北海道】、【第3章:北海道と近代美術】に分けられ皇居三の丸尚蔵館の収蔵品56件を含む69件が展示されています。会場内では第2章の途中までが写真撮影可能でした。

【第1章:近世絵画のネットワーク-松前藩と京都・江戸‐】
松前藩の家老で画人でもあった蠣崎波響は、京都の円山四条派の画家や江戸の文人たちと交流しました。京都の円山応挙や呉春、江戸の谷文晁や酒井抱一などによる皇室に伝わった近世絵画と北の地で花開いた波響作品との競演をお楽しみください。
先ずは代々の皇室に伝わる雅楽や茶道の『至宝』です。《忍草蒔絵十種香箱》江戸時代(18~19世紀)、皇居三の丸尚蔵館収蔵。
《龍笛 銘 鶉丸》鎌倉時代(14世紀)皇居三の丸尚蔵館収蔵。

蠣崎波響《狆鉄線花図》江戸時代(1813年頃)、北海道立近代美術館収蔵。
円山応挙《群獣図屏風》江戸時代(18世紀)、皇居三の丸尚蔵館収蔵。


これぞ至宝と感じる圧巻の大作です。
本展の目玉の一つで北海道初公開。国宝 伊藤若冲《動植綵絵 紫陽花双鶏図》江戸時代(18世紀)、皇居三の丸尚蔵館収。
同じく国宝の伊藤若冲《動植綵絵 群魚図》江戸時代(18世紀)、皇居三の丸尚蔵館収蔵。
円山応挙《牡丹孔雀図》江戸時代(1776年)、皇居三の丸尚蔵館収蔵。

【第2章:近代の皇室と北海道】
明治時代に入り、天皇をはじめ皇族方が日本各地を訪れるようになりました。北海道にも何度か足を運んでいます。その際の写真や訪れた先からの献上品により、皇室と北海道とのつながりを紹介するとともに、当時の北海道の様子を 伝える古写真や近代の皇室文化を窺わせる作品を展覧します。
明治9年の明治天皇の北海道巡幸時の写真。函館に3日滞在。7月16日に撮影された英国領事館のWELCOMEゲート。
明治9年の巡幸関連の札幌産業施設写真。葡萄酒製造所。
有名な写真です。麦酒製造所。

製糸所。
明治25年6月撮影の千島列島ブロートン島近海で捕獲する鯨。特命全権大使・榎本武揚氏の交渉による締結された「樺太・千島交換条約」(明治8年(1875年)8月22日発効)により千島列島は日本の領土に。一方で北海道や樺太および千島列島における先住民であったアイヌのうち樺太及び千島列島に居住していたアイヌの人達は自身の選ぶ国籍と居住国へ移住することを強制されたそうです。
初代北海道庁長官の岩村道俊氏の写真。大蔵省印刷局ほかによる北海道ゆかりの人物写真の一つ。
これらは明治天皇の御下命により作成された「人物写真帖」(大蔵省印刷局ほか明治13年(1880)頃)によるもの。明治天皇が政府幹部諸氏の写真と作成和歌をながめていたようです(上掲写真は皇居東御苑での開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第2期「近代皇室を彩る技と美」の際に撮影したもの)。
写真撮影可能エリアは以上まで。【第2章:近代の皇室と北海道】は続きます(以下の画像はネット等よりお借りしています)。
皇室の慶事集りのお土産のボンボニエール(金平糖などの小菓子入れ)。昭和9年(1934年)の犬張子型ボンボニエール。
昭和9年(1934年)の菊花型ボンボニエール。

【第3章:北海道と近代美術】
皇室に受け継がれてきた美術工芸品には、北海道ゆかりの作家による作品もあります。山口蓬春、そして片岡球子や 岩橋英遠など院展で活躍した北海道出身の日本画家をはじめ、小森忍や宮下真一郎ら北海道で制作した陶芸家など、皇室へ献上された作品や買い上げされた作品をご覧いただきます。
横山大観《耀く大八洲》(部分)昭和16(1941)年、皇居三の丸尚蔵館収蔵。
現代風俗絵巻より山口蓮春《ゴルフ》昭和3年(1928年)、皇居三の丸尚蔵館収蔵。一連の展示作品の中には坂元直行氏作の献上品《初冬の日高連峰》もありました。以上で鑑賞終了です。ありがとうございました。
「皇居三の丸尚蔵館展 皇室の至宝~北海道ゆかりの名品」
会期:2024年9月21日(土)〜10月27日(日) 
会場:北海道立近代美術館(札幌市中央区北1条西17丁目)
https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb
観覧料金:当日一般1,700円ほか
主催:北海道立近代美術館、テレビ北海道、北海道新聞社、日本経済新聞社、皇居三の丸尚蔵館
特別協力:文化庁、紡ぐプロジェクト、読売新聞社
協賛:伊藤組グループ、伊藤忠商事株式会社
後援:北海道、北海道教育委員会、札幌市、札幌市教育委員会
(2024.9.26)

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