聖徳太子の没後1400年を記念した「国宝・法隆寺展」。9月3日(土)~10月30日(日)までの会期で「北海道立近代美術館」で開催中です。聖徳太子ゆかりの奈良県・法隆寺、中宮寺および斑鳩の諸寺に伝わる国宝14点、重要文化財16点を含む宝物が展示されています。
本日は「北海道立近代美術館」で開催中の「国宝・法隆寺展」鑑賞です。会期は9月3日(土)から始まり10月30日(日)までなので終了間際の訪問となりました。展示されている国宝の「聖徳太子および侍者像」 や美術史(日本史?)の授業で教わった国宝「菩薩半跏思惟像」(ぼさつはんかしゆいぞう) は道内では初公開で保管されている法隆寺でも普段は見ることのできない貴重なものとか。会期末を控えた本日は平日にも係わらず大変な盛況でした。
「北海道立近代美術館」の東門から入ります。
聖徳太子1400年御遠忌記念【特別展】国宝・法隆寺展のチラシ。
‟令和3年(2021)に行われた聖徳太子1400年御遠忌を記念し、このたび「国宝・法隆寺展」を開催いたします。
聖徳太子は推古天皇を補佐して遣隋使派遣、憲法十七条の制定など様々なまつりごとを行い、その多くが日本初とされています。また、太子は仏教の信仰に篤く、法隆寺や四天王寺などを建立し、仏法興隆の道をひらきました。なかでも法隆寺は、世界最古の木造建造物群である現在の西院伽藍をはじめ、7世紀の美術を今日に数多く伝えており、その価値は我が国第一号の世界文化遺産として、世界に広く認められています。
太子の住まいである斑鳩宮に隣接して建立された法隆寺は、古来より人々の信仰を集め、1400年以上にわたり法灯を守り続けてきた太子信仰の寺です。法隆寺には太子の姿を表した像や絵画、太子が愛用したとされる宝物が伝えられ、まさに太子の遺徳を偲び、太子に祈る寺であると言えます。
本展では、法隆寺、中宮寺および太子ゆかりの斑鳩の諸寺に伝わる多数の国宝・重要文化財を含む前後期計約40件の宝物を紹介します。それらの魅力を存分に味わうことのできる、またとない機会となるでしょう。”
聖徳太子は推古天皇を補佐して遣隋使派遣、憲法十七条の制定など様々なまつりごとを行い、その多くが日本初とされています。また、太子は仏教の信仰に篤く、法隆寺や四天王寺などを建立し、仏法興隆の道をひらきました。なかでも法隆寺は、世界最古の木造建造物群である現在の西院伽藍をはじめ、7世紀の美術を今日に数多く伝えており、その価値は我が国第一号の世界文化遺産として、世界に広く認められています。
太子の住まいである斑鳩宮に隣接して建立された法隆寺は、古来より人々の信仰を集め、1400年以上にわたり法灯を守り続けてきた太子信仰の寺です。法隆寺には太子の姿を表した像や絵画、太子が愛用したとされる宝物が伝えられ、まさに太子の遺徳を偲び、太子に祈る寺であると言えます。
本展では、法隆寺、中宮寺および太子ゆかりの斑鳩の諸寺に伝わる多数の国宝・重要文化財を含む前後期計約40件の宝物を紹介します。それらの魅力を存分に味わうことのできる、またとない機会となるでしょう。”
展示会場入り口付近。「古代エジプト展」の最盛期のように入場制限もなく入場まではスムーズでした。ただ展示会場に入ると特に第1章付近は展示品の前には延々と列が出来ていました。皆さん熱心に鑑賞されていました。
【第1章 聖徳太子と法隆寺創建】
国宝《観音菩薩立像(夢違観音)》飛鳥時代(7~8世紀)
展示会場は撮影禁止ですので「国宝・法隆寺展」 Twitter などからの借用・引用です。上記作品には中国・唐の美術の影響を受け、肉付きが豊かになり、頬の細かな凹凸や指先の繊細な表現に写実性を見て取ることができるそうです。
【第2章 太子信仰の美術】
《聖徳太子立像(二歳像)》鎌倉時代(14世紀)。
太子が数えで二歳のときに東を向いて合掌し、「南無仏」と唱えた姿を表現したものだそうです。
重文《聖徳太子立像(孝養像)》鎌倉時代(14世紀)。
聖徳太子が16歳の時に父・用明天皇の病気の平癒を願って柄香炉(えごうろ)を持って祈りを捧げた姿を現したもの。
国宝《聖徳太子および侍者像》の展示会場。像はガラスケースに収められ、側面や背面からも見ることができます。正面だけでなく背面などからも見られるよう公開されるのは初めてだそうです。
奈良・法隆寺の「聖霊院」ではかつてはこのように安置されていたそうです。展示はその模様を再現したもの。
国宝《聖徳太子および侍者像》のうち聖徳太子 平安時代・保安2年(1121)。
聖徳太子像の目にはエメラルド色のガラスがはめ込まれているそうで今でも眼光鋭い表情はそれゆえでしょうか。また太子像の冠の上の冕冠(べんかん)に覆われていて見にくい位置に小さな毘沙門天像が据えられています。 見やすいような照明も今回の展示会の工夫の一つだそうです。
太子像背面。正面に比較して鮮やかな色彩が残っています。他の像の背面も同様でした。
石帯に記された「鬼神」の図柄も確認できます。
国宝《聖徳太子および侍者像》のうち待者像(右より山背大兄王、卒末呂王、殖栗王)聖徳太子 平安時代・保安2年(1121)。
背景の「蓮池図」。
【第3章 法隆寺西院金堂の仏像と天蓋】
重文《観音菩薩立像》飛鳥時代(7世紀)。
国宝《天人(金堂天蓋付属)琵琶》飛鳥時代(7世紀)。
【第4章 中宮寺の至宝】
国宝《菩薩半跏思惟像》の展示室の様子。会場中央に置かれた漆黒の像をガラスなどに遮られることなく360度どこからでも鑑賞できるよう配置や照明にも工夫されていました。
国宝《菩薩半跏思惟像》飛鳥時代(7世紀)。
口元に微笑みを浮かべ(いわゆるアルカイックスマイル)柔らかくて優しげな表情が印象的な《菩薩半跏思惟像》は“日本の仏教彫刻の中でも特に魅力的な像”として知られています(と教わりました)。物思いにふける姿から、人間の生死や老い、病気について思い、人々を救おうとする姿とされているそうです。「中宮寺」のご本尊にお出ましいただき大変ありがたいことでした。
なお中宮寺のもう一つの至宝である日本最古の刺繡遺品・国宝「天寿国繡帳」の展示は前期(10月2日)までで当日は写真のみ展示でした。
《天寿国繡帳》は聖徳太子が往生したという『天寿国』の様子をあらわしているそうで、色鮮やかに残る部分(右側)が飛鳥時代の原本、茶色に退色した部分が鎌倉時代の模本(左側)で時代が古いものの方が鮮やかな色をしているとは興味深いところです。以上で展示終了。
ロビーの土産品コーナー。それなりの人だかりででした。
西門から出て地下鉄東西線「西18丁目駅」へ向かいました。「多目的喫茶店アイビィ 」は本日はお休みです。
門脇の《ヒメリンゴ(姫林檎)》がたくさ実をつけていました。
《ヒメリンゴ(姫林檎)》。以上で本日の鑑賞終了です。大変良いものを見せていただきました。ありがとうございました。
北海道新聞創刊80周年 聖徳太子1400年御遠忌記念
北海道立近代美術館【特別展】国宝・法隆寺展
会期 2022.09.03(土) - 2022.10.30(日)
※前期09.03(土) - 10.02(日)、後期10.04(火) - 10.30(日)
主催 法隆寺、北海道立近代美術館、北海道新聞社、テレビ北海道、日本経済新聞社
後援 北海道、札幌市、札幌市教育委員会
協賛 アインホールディングス、さっぽろ脊椎外科クリニック、ダイキン工業、大和ハウス工業、つうけんグループ、ニトリホールディングス、NIPPON EXPRESSホールディングス、よつ葉乳業
協力 エプソン販売、金澤製作所、大光電機
観覧料 一般:1,800(1,600)円、高大生:1,000(800)円、中学生700(500)円
※( )内は以下の割引料金です。
・前売料金
・10名以上の団体料金
・リピーター割引料金(当館または他の道立美術館で開催した特別展の観覧半券をご提示の場合。1枚につきお一人様1回限り有効。有効期限は半券に記載。)
(2022.10.26訪問)