1920~30年代の両大戦間のパリを舞台に活躍した「エコール・ド・パリ」と呼ばれる外国人画家たち(パスキン、藤田嗣治、シャガールら)の油彩などを紹介する「コレクション・ストーリーズ エコール・ド・パリ」が「北海道立近代美術館」で開催中です。三岸好太郎をめぐる人間関係に光を当てた展示「三岸好太郎 師、友、同志とともに」も同時に開催しています。見所満載です。
今日は「北海道立近代美術館」で先般の「へそまがり日本美術」鑑賞の際に時間の関係で回れなかった「コレクション・ストーリーズ エコール・ド・パリ」にやってきました。美術館は地下鉄東西線「西18丁目駅」で下車、4番出口から「三角山アップルパイ専門店」や「パティスリー ショコラトリー アサカ」の前を通り北上した「北1条・宮の沢通り」に面した緑の中にあります(地図)。
「北海道立近代美術館」への入口。

前庭には先般「本郷新・全部展④100の石膏像」で見た石膏像の作品「嵐の中の母子像」が設置されていました。

「コレクション・ストーリーズ エコール・ド・パリ」のポスター。
"当館の収蔵作品の各分野の魅力をあらためて掘り起こす「コレクション・ストーリーズ」。第二回となる今期は「エコール・ド・パリ」コレクションを、「人間~異境の街角」、「風景~追想の街角」、「物語~幻影の街角」という3つの切り口からご紹介します。
エコール・ド・パリは、1920~30年代、両大戦間のパリを舞台に活躍した、主に外国人画家たちの一群を指す呼称です。美術の中心地に引き寄せられた偉大な才能のきらめき、戦争が奪った郷愁の風景、美術の伝統に根ざしながらも横溢する想像力の世界など、多彩な絵画作品により、パリという希有な美術都市で繰り広げられた創造者たちの軌跡をたどります。パスキン、藤田嗣治、モディリアーニ、シャガールらの油彩や版画など、珠玉の作品をお楽しみください。”
エコール・ド・パリは、1920~30年代、両大戦間のパリを舞台に活躍した、主に外国人画家たちの一群を指す呼称です。美術の中心地に引き寄せられた偉大な才能のきらめき、戦争が奪った郷愁の風景、美術の伝統に根ざしながらも横溢する想像力の世界など、多彩な絵画作品により、パリという希有な美術都市で繰り広げられた創造者たちの軌跡をたどります。パスキン、藤田嗣治、モディリアーニ、シャガールらの油彩や版画など、珠玉の作品をお楽しみください。”

「展示室A」の入口(会場内写真撮影可です)。向かいでは「へそまがり日本美術」が引き続き開催中です。
「人間~異境の街角」

キース・ヴァン・ドンゲン「ボドリ・ダッソン侯爵夫人」 1919 油彩、キャンバス。会場に入って最初の作品。「これが侯爵夫人?」と驚いたのですが下掲の解説を見て納得。先端ファッションだったのですね。

その解説です。

ジュル・パスキン「腰かける女」 1928 油彩、キャンバス。

ペール・クローグ「ローブをまとったテレーズ」 1925 油彩、キャンバス。

上2作品を見てこの紹介を読むと・・「テレーズは愛人!?」「でもテレーズの腕の太さを見ると元は純朴な農家娘で・」とか勝手なストーリーを考えてしまいました。

藤田 嗣治「二人の女」 1918 油彩・キャンバス。モディリアーニと親しかった女性2人がモデルで描写スタイルにもモディリアーニの影響がみられるとか。

以下妄想は止めて印象的な作品を紹介します。キスリング「オランダの娘」 1928 油彩・キャンバス。

アンドレ・ロート「水浴」 1918 油彩・キャンバス。
「風景~追想の街角」

モーリス・ユトリロ「モンルージュの通り(セーヌ)」 1910 頃 油彩、キャンバス。
「物語~幻影の街角」

マリー・ローランサン「三人の娘」 1943 油彩・キャンバス。

岡田 謙三「野外習作」 1935 油彩・キャンバス。

ジョルジュ・ルオー「聖なる顔」 1939 油彩・板に貼った紙。

マルク・シャガール「パリの空に花」 1967 油彩・キャンバス。
「三岸好太郎 師、友、同志とともに 【展示室 A 2 階】」

"札幌に生まれ、わずか 31 歳で亡くなった夭折の画家、三岸好太郎(1903-1934)。大正から昭和初期にかけて、時代の潮流を敏感に受け取り、短期間で目まぐるしく画風を変遷させながら、詩情あふれる作品を残しました。
本展では、北海道立三岸好太郎美術館での「貝殻旅行-三岸好太郎・節子展」の開催にあわせ、三岸好太郎を取り巻く人間関係に注目し、三岸の作品を、彼の画業に影響を与えた師や友人、同時代に共に活動した画家たちの作品とともに展示します。”
本展では、北海道立三岸好太郎美術館での「貝殻旅行-三岸好太郎・節子展」の開催にあわせ、三岸好太郎を取り巻く人間関係に注目し、三岸の作品を、彼の画業に影響を与えた師や友人、同時代に共に活動した画家たちの作品とともに展示します。”
1.青春:札幌から東京へ

三岸 好太郎「自画像」 1921(大正 10) 墨、紙。三岸作品の多くは「北海道立三岸好太郎美術館」で鑑賞済みですので紹介は簡単にします。

友や同志の作品も少し。久保 守「木馬のある風景」 1958(昭和 33) 油彩・キャンバス。

同じく俣野 第四郎「三岸好太郎像」 1923(大正 12) 油彩・キャンバス。
2.道化:深い情感と哀愁

三岸 好太郎「立てる道化」1932(昭和 7)頃 油彩、キャンバス。
3.前衛:さまざまな実験

三岸 好太郎 「オーケストラ」 1933(昭和 8) 油彩、キャンバス。
4.蝶と貝殻:見果てぬ夢

三岸 好太郎「海と射光」 筆彩素描集『蝶と貝殻』より1934(昭和 9) 印刷・手彩色、紙。『蝶と貝殻』は死後の世界をイメージしたとも言われる晩年の三岸の代表作だそうです。
「この 1 点を見てほしい」
"当館コレクションから学芸員が 1 点を選び、多角的な研究を通して作品の奥深い魅力を紹介するコーナーです。”

キース・ヴァン・ドンゲン「アガーテ・ヴェゲリフ・グラヴェスタインの肖像」1909 油彩・キャンバス。以上1階~2階を1.5時間ほどで鑑賞終了です。かなり見応えがありました。

2階から1階ロビーを見たところ。前回に比べ今日は人出が少な目です。皆テレビでオリンピックでしょうか。

今後の展覧会の予定です。次は9月の「よみがえる正倉院宝物」ですね。
外が暑いのでエアコンアの効いた美術館が続きます。今日も見応えのある展覧会で満足です。特に充実の展示品とともに作品やその周辺環境などの説明が良かったです。美術館の展示作品の理解促進への取り組みに感心しました。ありがとうございました。
「コレクション・ストーリーズ エコール・ド・パリ」
会期 前期:7月17日(土)―8月11日(水)、後期:8月12日(木)―9月1日(水)
観覧料 一般 510(420)円、高大生 250(170)円
※( )内は、10名以上の団体料金
「北海道立近代美術館」
札幌市中央区北1条西17丁目
札幌市中央区北1条西17丁目
[電話番号] 011-644-6881
[開館時間] 9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
[休館日] 月曜日(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)/年末年始(12月29日~1月3日)/
(2021.8.7訪問)